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その人らしさ、からイメージするものの話し

幼い頃から
変わってるねー、と
言われることが多かったです。

わたしがどう在るかも
どうとらえられるかも
あんまり気にならなくなったので
わたしのことはどうでも良いのですが
最近、個性、について
感じたことがありました。

ケアマネジャーをしていると
その人らしさ、というワードがよく出てきます。
研修の仕事をしていて
その人らしいケアプランを、と
受講生さんにお伝えすると
とても戸惑われて、質問を受けます。
そういう時、その人らしさ、を
とても特別なものでなくてはならないと
思い込んでしまったかな、と
力不足を感じ、話しをしていきます。

ケアプランのその人らしさの例でよくあるのは
孫の結婚式に出たい、とか
氷川きよしのコンサートに行きたい
とかいう目標に向けて
電車に乗れる、とか
3時間座っていられる、という目標です。
とてもその人らしいと思う一方で
そんな非日常の目標がある人は
ひと握りだということ
そんな非日常の目標の支援を
介護保険(公費)を使ってすることの適切さ
その目標が終わったら次はどうするのか
と、いろいろ疑問が湧きます。
リアリティを持って取り組んでいれば
そう思うのは当たり前だと感じます。 

とてもシンプルなのに
個別性が高くその人らしいと思う帳票のひとつに
処方箋があります。
十分なアセスメントの末に
よく考えられたパーキンソン病の処方箋などは
ぱっと見はただの薬の羅列ですが
1日に使える薬の量が限られた中で
どの時間に何をしていて
効き目を出すか、抑えるかが
例えば、リハビリや入浴の時間は
しっかり動けるように
夜間はちゃんと眠ることができるように
患者さんの生活を踏まえて考えられています。

その人らしさ、とか個性って
こういうことなんじゃないか、って思います。
決して奇抜とか、キャッチーということでなく
その人にぴったり似合っている、ということ。
量販店の服でも、似合っていれば
その人らしく素敵に見えますし
高価で奇抜なブランド品も、似合っていなければ
見ている人に違和感を覚えさせますよね。

わたしが高齢者の支援で大切にしていることは
普段の暮らしが穏やかであることです。
それは、その人を中心に
ご家族など周りの方も同様に日常生活が営める、ということを含みます。
自宅に出入りするには
階段5段上り下りできる必要がある、とか
ご家族がパートに出ているから
半日くらいはひとりで過ごせないと、とか。
それに合わせて、環境を整えたり
サービスを調整したりします。
それは、ご本人の希望と能力
ご家族の生活について聞きとり判断する
(=アセスメント)できていて初めて
過不足ないサービスで
その人らしい生活を送る支援ができるわけです。
特別な例を除いては
穏やかな日常の積み重ねで心身状態の安定があり
その上に非日常のイベントがあるのが
多くの要介護高齢者の暮らしだと思うのです。
(もちろん、最期の時まで闘いたい人には
そのように支援します)
ケアマネジャー研修の受講生さんに
そのようにお話しすると
「そういうことでいいのか」と
明るい表情になります。

リハビリに積極的で社交的な
キラキラ要介護高齢者像を押し付けないように
心がけています。
それは、支援者の願望のフィルターがかかった
その人らしさ、かも知れないと思うからです。

お読みいただきありがとうございました。 
画像はいつかの夜明け。
少しずつ日が長くなってきました。



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