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その矢じるしはどこに向く?信念対立と解決志向の話

福祉や介護界隈ではよく
あいつ(特に他職種)はわかっていない問題が
起こります。
ごくおおざっぱに言えば
医療職→介護職 医療わかってない
介護職→医療職 本人の気持ちわかってない
福祉職→医療・介護職 制度わかってない
みたいなことです。
ケアマネだと、施設と在宅、とかも
あるかも知れません。

わたしは
年を重ねて図々しくなったこともありますが
あまりこの辺では悩まなくなりました。
それは、3つの学びのおかげだと思っています。

ひとつは、アドバンス・ケア・プランニングを
学んでいた時に
「スモールグループディスカッション」
というコマで
それぞれの専門職の意向や手段が異なっていても
利用者の意向、という大きな矢印の方向に
概ね収まっていればよい
(中の小さな矢印を
ぴったりとそろえる必要がない)
という概念でした。
医師、看護師、介護士
ソーシャルワーカーなどは
それぞれ受けてきた教育によって
基礎とする信念が異なるのです。
だから
良しとしているところが異なるのは当然で
違うからこそチームになるわけです。
ケアマネジャーは、人生の最終段階にくると
できることが限られていたり
虐待や複数の課題があるケースの対応では
立ち位置に迷うことがあります。
でも、それぞれの信念を俯瞰して理解することで
対立の調整を通じて強いチームを
構築できることもあります。
その後
作業療法の領域で信念対立の研究をされている
京極真先生のオンライン研修を受けたり
本を読んだりした時期があって
今ではその違いを
割とすっきりと受け止められるように
なりました。
キーワードは
「あなた(チームメンバーやご家族等)は
○○さん(ご本人)のことを思って言っている
または、やっているのですね」
これでたいていうまくいきます。

もうひとつは、解決志向アプローチのさわりを
AAA 安心安全アプローチという
高齢者虐待の領域で学んだことです。
詳しくは書ききれないのですが
「起きている問題」よりも
「できていることを探す」
という考え方です。
ケアマネジャーは、アセスメント
(情報収集、課題分析、ニーズ抽出)を経て
阻害要因から課題を導き出して解決する
というプロセスを踏むことを教育されます。
だから、支援のプロセスで信念対立が起きると
何とかして解決しようとしてしまいがちですが
具体的な支障がない限りは
それぞれの言い分をききコンプリメントして
チームの力を最大化すればよいのだと
今は思っています。
キーワードは
「今、できていること
うまくいっていることは何ですか?」
という質問です。
混乱のサービス担当者会議も
これで流れが変わります。

あとは、ネガティブケイパビリティですね。
3年くらい前でしょうか
ネガティブケイパビリティに関する本を読んで
「解決できないことは解決しないで
置いておくのもアリ」
という選択肢ができ、この3つの概念で
支援に関する迷いがかなり減りました。

リアルの知人で
私の仕事ぶりを見ている人には
図太い人と思われているかもしれません。
学びはいつだって、わたしを助けてくれます。

最後までお読みいただき
ありがとうございました。
画像は、事務所の氏神様にいただいたおみくじ
人生3回目の大吉です!(少ない笑)

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