花束を君に
実習が終わったタイミングで実家に帰ったら、開口一番、曾祖母の訃報を知らされた。言葉が出なかった。
曾祖母は北海道に住んでいた。今まで一度も会ったことはなかったが、祖母に「あんたも話したら」と促され、年末に電話をした事がある。電話越しの曾祖母は、祖母にそっくりの、しっかりした強そうな人という印象だった。
北海道には、近々旅行に行きたいと思っていた。しかし去年、曾祖母の持病が悪化した事と、高齢者の一人暮らしは危ないとの事で、隣の市に母の叔父と住んでいた。これでいつでも会えるねなんてお気楽なことを言っていた。
まさか実習期間中に亡くなって、しかも火葬も済んじゃってるなんて信じられないんだよなあ。
会いたい人には会える時に会っておかないといけない、って事故に遭った友達のお葬式で痛感したのに、このザマかよと思ってしまう。
後ですることだから後悔なんだけど、如何せん遅すぎるんだよな後悔が。元気なうちに会っておけば良かったのかな。
曾孫の子どもは玄孫(やしゃご)と言うらしい。
幸運なことに、わたしは今まで身内が亡くなる経験をせずに人生を歩んできた。
もしわたしが子どもを授かっていたら、その子は曾祖母から見たとき、玄孫だったのだろう。
死人に口なしと言うし、曾祖母が生前なんと思っていたが、わたし個人への記憶があるのか、もうそういったものを聞く術は無いのだなと感じる。
今は " こんなご時世︎︎ " だし、大きな声で言うのは少し憚られるけれど、やっぱり、会いたい人には会える時に会っておかないといけない、とわたしは思う。
今回は宇多田ヒカルさんの「花束を君に」を流しながらガーッと書き上げました。
音楽の力って侮れないと思います。
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