結婚式キャンセル日記 #2 -己を知り彼を知れば-
感染拡大の影響で一度延期をした結婚式のキャンセルを検討している。まずは式場にキャンセルした場合の見積もりを取っているのだが、その前に同僚に話をしたところ、本格的に相談にのってくれることになった。
交渉の前の棚卸し
同僚のダイさんは、交渉前に明確にすることがあるという。それは以下の三点。
現状の把握
自分のゴールの設定
相手の状況把握
それぞれに対して、自分の状況を当てはめてみた。
現状の把握
始めに、この状況を作った前提/背景を整理。
私の場合、感染者が東京で爆発的に増えてきて、緊急事態宣言が出るか出ないかの時期に延期を申し込んだ。
ゲストの中には新幹線や飛行機で長時間移動する必要がある人がいたし、妻の両親は80歳を超える祖母と同居していたこともあり、リスクが大きいと判断。
延期申し入れから数か月経過したが、現状はよくならないし、この状況は年単位で続くことが予想されている。
いつまでも延期ができるワケではない。キャンセルも視野に入れて、式場に改めて見積もり依頼を依頼している。
どうしたいのかを明確に、か。。。
僕たち夫婦はもともとゲストに感謝の気持ちを伝えたい。ゲストに非日常を味わってほしいと思って少人数の式ができる会場を選んだ。
少人数の会場では、3密は避けられない。開催できないのだからキャンセルするしかないのでは?
半熟:それが最良の選択なのだと思うけど、、、うーん。
私が悩んでいると、
ダイさん:そこは次までの宿題だ、夫婦で話し合ってみて
とアドバイス。とりあえず保留。
相手の状況把握
ダイさん曰く、「相手のゴールや相手が本当に望む条件を把握しないと交渉はできない」とのこと。
メールが来てないし、相手がどんな提案をしてくるか不明。
ってことで、これも保留。
第一のカウンセリングで感じたこと
状況説明から、交渉とは何かまで、約2時間のオンラインカウンセリングだった。
思ったより自分たちの理想(ゴール)と相手の状況を把握していないことが分かった。まさに、
彼を知り己を知れば百戦殆からず By 孫子
数千年前から変わらない基本
夫婦で話し合いをして、二人の意見とゴールを明確にしよう。次の日、二人で話し合った。
二人での話し合いを通して
早速、二人で話し合い。夕食後、デザートを食べながらである。
ダイさんとのコミュニケーション内容を伝えたところ。妻は非常に前向きに受け止めてくれた。
考えてみると、感情的に早くこの状況から抜け出したいから結婚式をキャンセルしようとした。
そういえば、本当にどうしたいかを二人で話し合っていなかった。
自分達のスタンスを明確に
まず、私たちは、
結婚式を通して、お世話になった人に感謝の気持ちを伝える
を目標に1年前に結婚式の準備に入った。(そもそも結婚式をするのかから喧々諤々の議論はあったのだが、、、それはまた別の話。)
会場選びで、5、6件式場を回った。いろいろ会場を見ていくと、それぞれの会場のどの部分に引っかかるか、だんだん自分達の趣味趣向が見てくる。私たちは、お色直しやドレスをたくさん選べるとか、絢爛なチャペルで指輪を交換することにときめかなかった。オプションで選べる新郎新婦への特別特典や、会場の持つブランド性に強い関心を持つこともあった。しかし、最初に目標を話し合って決めたことで、会場選びはスムースに進めることができた。
遠方からのゲストに配慮して、新幹線停車ターミナル駅から徒歩圏内など、まずは立地にこだわった。
次いで、会場の雰囲気に注目。ゲストに食事を落ち着いて楽しんでもらい、一緒の空間でたくさん思い出を作りたいと考えた。そのためドレス種類やチャペルより、料理を楽しむダイニングテーブルのから景色や雰囲気を重視した。私たちの両親はともに地方出身なので、東京の名所を眺めながら楽しんで欲しいとも考えた。
もちろん、予算は最初にガッツリ取り決めておいた。エクセルを駆使して、どこにどれくらいお金をかけられるか決めておかないと、際限なく膨らむことがあったかもしれない。エクセル様に、感謝。
その結果、駅から近く、東京の名所が眺められるレストラン会場での少人数結婚式になった。この条件に合う候補は複数あったのだが、今の会場のコース料理と女性ウェディングプランナーの人柄が妻のアンテナにビビっと来たらしい。
会場の次は、内容だ。レストランなので、私たちの地元の郷土料理をアレンジした料理をシェフに提案していただいた。当日の進行では、定番のケーキカットやお色直しはせず、新郎新婦がテーブルを廻ってゲストと会話できる「ゲストひとりひとりとの距離感が近い進行プログラム」を組んだ。
しかし、この方向性はすべて裏目に出ることになった。
ほぼすべての内容、会場移動から式のプログラムまでが、いわゆる三密にドンピシャなのだ。
何より、東京に来ること、集団が、大きなリスクで、おもてなしされるゲストが不安になる。そんな環境では、感謝を伝えるどころか式の間、新郎新婦がゲストに謝るような残念な状態になるのとが明確だ。感謝ではなく、こんな時期にごめんという謝罪みたいになる。
やはり中止するしかないのか、そう思った。その時、
自分達の満足度、感情的なことも含めていくつかの選択肢を考えてみよう
というアドバイスを思い出した。
妻にもそれを伝えて、夫婦で、現在の状況を踏まえてゼロベースで考え直した。
他の選択肢を検討 目標の再設定
もともと、ゲスト中心で会場まで考えたけど、もうゲストを呼ぶこと自体が厳しい、式全体のキャンセル以外の選択肢はないのだろうか。
案A ゲストを絞って開催
東京周辺の人たちだけで行うのはどうか。規模は半分くらいになる。東京以外からのゲストはリスクが上がるが、関東周辺の人たちにとっては都内の移動は日常生活レベルとリスクは変わらない。
しかし、妻は
"もう、ゲストに迷惑はかけたくない"
の一点張り。
もっと話を聞いていくと、妻はもうこれ以上ゲストを招くことで生じる気苦労に耐えられないようなのだ。地方に住む友人と都内の友人を区別することも心苦しいみたいだ。(私は、友人にその状況を説明して納得してもらうことはは苦ではないのだが、女性のコミュニティーは複雑なのだという。)
案B 二人だけで思いで作り
妻の気持ちを無視できないので、この気持ちも現状の前提として考える必要がある。話し合いを進めているうちに、ゲストを招いた結婚式や披露宴はできないけど、二人で思い出はつくれるのでは?という話になった。せっかく半年かけて結婚式を会場のプランナー作り上げてきたのだから、と。
二人の目標を ”ゲストをもてなす” から "二人で思い出を作る" に変更できるのではないかということだ。
結婚式や披露宴はしないけど、会場で思い出作りをしたい
ゲストを持てなすことはできなくても、ゲストの気持ちを最大限配慮して、自分達を満足させることができる。この緊急事態の環境で私たちが導いた結論だ。
話し合いのあとに、この文章を書いていて、
上記の経緯に強引感が否めないが、
とりあえず私たちのスタンスは固まった。
さて、案Bはキャンセルになるのだろうか、という疑問が残る。
やはり、次のステップ、”相手の状況把握” が必要なようだ。
式場からメール
ちょうど、二人で話し合いが終わった2時間後、式場からメールが届いた。
見積もりPDFには、きっちりと80%のキャンセル料金が載せられていた。
情状酌量はなしか、、、
一方で、今週末にでも電話でお話の機会をいただけませんか?の一文。
これは、交渉の余地あり!?
自分達のスタンスが決まり、相手からの反応があったので、2回目のカウンセリングの連絡をダイさん行った。
また進捗があったら投稿したい。