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平凡なことばたち

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散文詩のようでいて 単なる日記
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#情熱

明示するがゆえの、または、明示するための

言葉を、ねって、こねて イメージを、投網で無理やり、引っ張り込んで ここはどこなの? と、尋ねるまでもなく 油断なんてしなくても、とっくのとうに所在不明だ さあ、言葉を もっともっと 当てはめて、張り替えて、間引いたり、差し込んだり さあ、もっと、そうだ、もっと ああ、そうさ、所在不明さ 空を仰げど、天井しかないし 目を伏せたとて、床が見えるさ それでも、それだとても、いま、ここは、どこでもないのだ ここは そこは あそこすら どこでもなくて でも だから だからこ

そのひとことは、証跡のようで

もう、「自分でもどうしようもないくらいの衝動」なんてものを明確に見ることはほぼ、なくなった。 それを、そういう状態を 若き頃の自分は 「つまらない大人」だのと、呼んで、どこかしら蔑んでいたようにおもう。 「いいねぇ、若いって」 その、侮蔑をわずかににじませた幼い批判に、年長者たちはそう答えていた。 今ならわかる。 なんというベストアンサーなんだろう、と。 若かりし頃のあの侮蔑や軽蔑は その、わずかなひとときにしか抱けない感情で それがあるからこそ得られる経験もあり