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Paul Wanner ~大いなる挑戦~

 23-24シーズンはドイツの盟主、バイエルン・ミュンヘンは3位でフィニッシュし11連覇していたドイツ・ブンデスリーガにて長い旅は終了した。王座奪還に向け、欧州舞台での復権に向け現在クラブはフロントの刷新、選手の入れ替えを行っている。その中、これからのバイエルンの戦力として大きな期待を寄せられているPaul WannerのFCハイデンハイムへとローン移籍が決まった。ここではヴァナーが移籍するハイデンハイムというチーム、ヴァナ―に対する期待を述べていきたい。ヴァナーの試合を今シーズンは追っていきたいという私と同じように思っている人は特に最後まで見ていってほしい。

FCハイデンハイムの目録

このクラブがサッカー部門として設立したのは1911年。2004年に旧4部リーグであるオーバーリーガへと昇格した。2008-09シーズンレギオナルリーガ(新4部)を優勝しクラブ史上初となる3部昇格を果たす。2013-14シーズンにて3部での優勝を果たし2部リーグへの昇格を果たした。2019-20シーズンでは3位に入り昇格プレーオフに進出し悲願のブンデスリーガ1部への昇格へとプレーオフに臨むもヴェルダー・ブレーメンに敗れることになった。(日本人である大迫が所属していたブレーメン。第二節の90分アディショナルタイムにて追加点を決め劇的残留を決めた)そして2022-23シーズンへと時を移し2位で最終節を迎えるなかヤーン・レーゲンスブルクと対戦し90分の時点で1-2でビハインドの状況で自力昇格とはならないなか、PKで追いつくき、さらに劇的な逆転弾を決めクラブ初となる1部リーグ昇格を果たした。(先に試合を終えていたハンブルガーSVがハイデンハイムが敗れたとの誤報を受けピッチにファンが乱入するもハイデンハイムの逆転を受け困惑するというような状況がニュースとなっていた)
初の1部リーグとなった2023-24シーズンは昇格チームながら8位フィニッシュで欧州舞台であるヨーロッパカンファレンスリーグへの出場権を獲得するという奮闘をみせた。試合数も増加することとなり戦力の確保が求められる中で即戦力として求められたのがパウル・ヴァナーだ。

Wannerの役割、求められていること

まず、ハイデンハイムの今シーズンを語るにおいて触れておかなければならないことはベステ、クラインディーンストの退団だ。チームの核であり起爆剤とエースストライカーの二人を失った。チームをリーグ8位にまで押し上げた二人の離脱の穴を埋めることはチームにとって急務であった。また、トップ下として攻守にわたり大きな運動量を誇ったセッサ、右ウイングのディンクチのローンが終了しチームに補強が求められた。そこに白羽の矢が立ったのがドイツの若い才能、ヴァナーだ。
ハイデンハイムの監督を務めるフランクシュミット監督が開幕戦後ヴァナーについてインタビューを行った。
「サッカーに関してはヴァナ―は傑出している。体力的にも、すでに非常に良い状態にあるサッカーの技術に関しては、私たちが彼に多くを教える必要はない。しかしプレッシャーをかけるプレー、常にアクティブであること、常に限界まで追い込むこと。それが彼が私たちと一緒にいる理由であり、おそらく彼がここで学ぶ必要があることだろう。」というようにヴァナーに対して語った。ローン先の監督に早くも大きな信頼と期待を勝ち取っており、この1年成長すべき点まで言及されている。昨シーズン、ベステとクラインディーンストの二人が試合の決定的な役割がまかされていたものを埋める期待がされている。ゴール、アシストによるスコア、ボールを持った時のアイデアと前進、ライン間でのボールの受けなどが具体的に期待されているだろう。チームにとって圧倒的な存在感と大きな成長が必要不可欠となる。
シーズンが開幕し公式戦で3ゴール1アシストを記録している。

リーグ開幕戦ーーVSザンクトパウリ

この1年のリーグ戦のスタートとなる開幕戦についてどうしても語らせていただきたい。昇格組の一つであるザンクトパウリ。相手は昇格組であり開幕戦だ。必ず勝利で終わり勝ち点3とともに大きな勢いをつけたいというのがハイデンハイム側の気持ちである。しかしこの試合を語るにおいて優勢な時間を多く作ったのはザンクトパウリであった。ハイデンハイム側は特にボールが収まらない落ち着かないという展開が続きヴァナーはボールを持った時は大きな期待を持たせるプレーをしていたが攻めより守備に奔走する時間が続いた。ボール支配率は62%対38%とボールを持たれ被シュートは11
打ったシュートは5とデータで見ても不利なゲームであった。その中で後半21分ヴァナーの値千金の先制点が生まれた。相手のコーナーキックのクリアボールからのカウンターにてピアリンガーのパスを受け右足でゴールへ流し込んだ。フリーな位置で受けるオフザボール、逆足ながらワンチャンスをつかんだ決定力は素晴らしいもので劣勢な試合を勝利に導いたヒーローとなった。

ハイデンハイム戦力紹介

監督

ハイデンハイムの監督を務めるのはフランク・シュミット。1974年生まれのドイツ人は2007年からヘッドコーチを務めドイツサッカー史上最も長く監督を務めた人物で当時は5部リーグでプレーしていたチームを大きく躍進させたクラブのレジェンドであるといえる。現役時代は2003年に6部相当のハイデンハイムでプレーしておりそこでひざの痛みを抱え選手を引退し保険会社に就職をしていた。そこで転機となった2007年、暫定のような形で指揮を任されると素晴らしい成績を残し監督に就任した。このドイツ史で最も長く監督を務める監督はとても人格者であると知られており1部リーグへと昇格を決めた最終節の試合では選手たちがドイツ名物ともいえるビールかけを行うなか対戦相手であったチームが3部へと降格が決まったため対戦相手へと謝罪し気遣う姿を見せた。このようなスポーツマンシップが長くクラブからの信頼を勝ち取ってきた所以なのだろうか。
主要なフォーメーションは4-1-4-1や4-2-3-1を用い。サイドの選手を生かすようなシステムを扱う。

GK

ケビン・ミュラー(33歳)   背番号:1  ★(おそらくスタメン)
ハイデンハイムの守護神で昨シーズンはすべての試合に出場、フルタイムでゴールマウスを守ってきたクラブの正GK。許した失点は55。クリーンシートは6であり来シーズンもクラブのゴールマウスを守る存在であると考えられる。プレーは足元の技術や飛び出しなどは平凡であるが、シュートストップは高い実力もっている。あまり大きな身長とは言えないがフィールドプレイヤー顔負けの体を持っており私としてはかなり癖に刺さるGKである。いい体をしています。男でも惚れますよ。

フィトゥス・アイヒャー(33) 背番号:22
クラブのサブゴールキーパーを務めるアイヒャー。昨シーズンの出場はDFBポカールのみとなるがミュラーが出場ができない状況でGKを任されるのはおそらく彼になるだろう。試合数が増加する中で彼が輝くときがくるかもしれない。

フランク・フェラー(20)   背番号40
20歳のフェラーは昨シーズントップでの出場機会は0で終わった。ドイツのアンダー年代での招集経験もあるためまだまだこれからの選手であるといえる。出場機会を求めて移籍するなども考えられるが二人のGKも年齢が高いため将来的にハイデンハイムの正GKを務めることも考えられる。


DF:CB

ベネディクト・ギンバー(27) 背番号5 ★
昨シーズン24試合に出場した左利きセンターバック。ドイツのアンダー世代では大きな期待を寄せられていたうちの一人であったが、27歳の選手となる今シーズン。昨シーズンのバイエルン戦では激しい守備で攻撃の芽を摘んだ姿は印象的であった。

パトリック・マインカ(29)   背番号6 ★
チームのキャプテンを務める選手であり昨シーズンは34試合に出場。2018年からチームに在籍しており長くフランク監督と仕事をしてきた一人であり、このシーズンも精神的、プレーでチームを引っ張っていく。

ティム・ジールスレーベン(24)  背番号4
昨シーズンは14試合に出場した左利きCB。試合数が増えることとなった今シーズンはカップ戦、ECLの舞台などでの役割が回ってくることが考えられるため大きな役回りが回ってくることもあるだろう。

トーマスケーラー(25)     背番号27
シーズン開幕をけがにより離脱となり出遅れた一人。昨シーズンは6試合の出場となった。頑張ってほしい。

DF:SB

オマール・トラオレ(26)右SB背番号23★
昨シーズン31試合に出場したドイツ人SB。チームのシステムでは右のワイドで高い位置を取ることが多く、クロス、ドリブルでチャンスを演出する。昨シーズンは2アシストであるが今シーズンはより多くのスコアを残してもらいたい。サッカー選手におけるトラオレという選手はやはり身体能力。身体能力は正義

マーノン・ブッシュ(29)右SB  背番号2
昨シーズン16試合に出場したドイツ人SB。プレー時間1分で評価点3.5。そんなことあっていいんか。基本的にはトラオレの控えとしてではあるが、かなり顔がかわいい。

ヨナス・フェーレンバッハ(28)左SB    背番号19 ★
昨シーズン33試合に出場した。アシスト、得点ともに0であるが右とのバランスをとるうえで重要な役割を持つ。今シーズンも左サイドバックのスタメンとして躍動してもらいたい。

MF

レナード・マロニー(24)守備的MF    背番号33 ★
昨シーズン29試合に出場した守備的MF。ハイデンハイムはシステムとして
4-1-4-1,4-2-3-1を用いる。基本的なボランチ2枚の関係は縦関係となることが多くその点より低い位置でプレーする。ビルドアップ時はCBの間に降りることもおおい。アンカーとしてもプレーできる選手。

ヤン・シェップナー(25)セントラルMF    背番号3 ★
ボランチとしてマロニーの相棒としてプレーすることが多く、昨シーズンは26試合に出場。開幕戦ではコーナーキックでダメ押し点を決める。おそらく今シーズンもスタメンとして活躍が期待される。

ノルマン・トイアーカウフ(36)守備的MF  背番号30
昨シーズンはボランチ、左サイドバックとして25試合に出場。ベテランの選手でユーティリティ性を生かして活躍。今シーズンは36歳となるがまだまだチームを助ける屋台骨となるであろう。

ジュリアン・ニーユス(23)守備的MF   背番号16
今夏ブンデス二部からフリーで加入したMF。開幕時は離脱している。がんばれ

ルカ・ケルバー(22)セントラルMF     背番号20
やばいやばい。今夏ブンデス3部からフリーで加入したドイツ人選手。なにがやばいってこの人ザールブリュッケンの選手です。昨シーズンポカール大躍進チームからきました。バイエルン戦では後半途中出場でしたがリーグでは34試合出場7ゴール4アシストしておりひょっとしたら今シーズンブレイクするかもしれません。

パウル・ヴァナー(18)攻撃的MF     背番号10★
大本命ですね。がんばれ!!
目指せ二桁二桁

アドリアン・ベック(27)右MF      背番号21★
開幕戦は右サイドのMFとしてスタメン。昨シーズンは23試合に出場し1ゴール1アシストである。ディンクチュの後として活躍が期待される。

デニス・トマラ(32)攻撃的MF       背番号11
昨シーズンは21試合に出場したドイツ人。

二クラス・ドルシュ(26)MF
アウクスブルクから移籍最終日にて加入したドイツ人MF。元バイエルンユース組であるドルシュ。ちなみにバイエルンではトップでの出場経験もありその後はハイデンハイムにフリーで移籍している。ハイデンハイムへは二度目の移籍ということになる。ハイデンハイムの快進撃のラストピースとなれるか。

FW


レオナルド・シエンツァ(25)左ウイング 背番号8 ★
開幕戦では左ウイングとしてスタメン出場しておりDFBポカールではアシスト、UECLでは1ゴールを挙げている。おそらくスタメン出場今夏ウルムから加入しておりべステの後継となれるか。

マティアス・ホンザク(27)左ウイング  背番号17
今夏加入組の一人で開幕戦ではコーナーキックからアシストを記録している。実はスタメン争いがあるのではないかと考えている。UECLではヴァナーのアシストで得点を決めており、オーストリア同士のコンビが爆発する可能性もある。

クリストファー・ネーゲル(19)左ウイング   背番号25
ユースから昇格した一人。てか読み方はあってなさそう。自信ないです。ドイツのUでもあるため出てきたら面白いですね。

サロンド・コンテ(28)右ウイング       背番号31
UECLの初戦では1ゴール1アシストを記録。今夏加入組の一人。日程が進んでいるとスタメンとなることもあるかもしれませんよ。意外と右ウイングの登録選手は少なく登録上唯一の選手だったりする。

マーヴィン・ピアリンガー(24)CF    背番号18★
昨シーズン31試合に出場したCF。個人的にはかなり器用な選手な印象でクラインディーストとツートップを組むときはバランスとったりしていた気がする。ヴァナーにアシストしてたり自身もカンファレンスリーグでは得点していたりと大エースの穴を埋めてほしい所。

ミカエル・カウフマン(23)CF      背番号29
今夏加入組の一人であり、ウニオンベルリンにて加入。日本版ウィキペディアがあって非常に助かります。ほんとに。デンマークのU世代では得点も決めておりデンマーク人の大型FW。みんなこういうのが好きなんでしょ、って感じのプロフしてて頑張ってほしいですね。

マクシマリアン・ブロイニング(24)CF    背番号14
フライブルクからフリーで加入。ポカールで3点決めてる。開幕でスタメンでもあったしかなり期待の一人かもしれない。ポカールの3点はすごかったですよ。ピアリンガーとスタメン争いはするだろうしスタメンでなくても必ず交代では使ってくる1枚だと思います。

ステファン・シンマ―(30)CF      背番号9
最後の一人です。今からバイトあるんで省略します。


締め

長くなりましたがこれにて終わりとしたいと思います。ヴァナーの武佐修行となるこの1年は私自身もハイデンハイムの試合もバイエルンの試合をみるかのような熱量で追っていきたいと考えています。その際知らない選手がいるのは癪だなと思い始めたものでしたがかなり長くなってしまいました。一人の原石の軌跡を暖かく見守っていきましょう。閲覧最後までありがとうございました。


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