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色と過ごしてみて

強くなりたかった
強く見られたかった


「強い」っていろんな意味があると思う

パワー系の強さ
メンタル系の強さ

シンプルに社会に対する戦闘力


自分の意見を押し通せる強さ
周りに流されない強さ
すぐ傷つかない強さ


そういうのを持ってそうだなって思われたかった
実際にそうかなんてのは実は関係なくて

強く見られたら、傷つくことが減るかも
理不尽な悪意を向けられることはないかも


髪の毛を染めたらそうなると思ってた


だってさ、なんか金髪ギャルって超かっこいいギャルマインド持ってるじゃん
髪の毛が虹色の人は周りの評価を気にしない自分の世界を生きてるじゃん

髪色だけじゃその人が本当はどんな悩みを持っているかなんて分かるわけがないけど、
「あの人髪色が派手だから強そう」
そんくらい軽く通りすがりに思われたかった


だから染めてみた
赤になった。
オレンジにもなった。
紫もピンクもベージュにもなって
金髪になった。




強くはならなかった



相変わらず理不尽は降りかかってくるし
眠れない夜も迎えたくない朝も全然来た
シャワーで歌えない日もいっぱいあった


なんだよ、洗い流す水に色がついただけじゃん

そう思いながら髪を乾かす



やっぱり、かわいいんだよなぁ
濡れたら少し濃くなる色
乾くと昼と同じ色に戻る


そういえば訳もわからず怒られた時も、
「でも私の髪の毛ピンクだしなぁ」って思ってたら嫌な言葉も右から左と上下に流れていってたかも

嫌な朝が来ても
アイロンを通して寝癖を直してたら、まぁ家を出る気になってたかも


それだけでよかったんだよなあ
少し毎日が楽しくなるだけでよかったんだよ
少しだけいつもより色付くだけでよかったんだよ


強いほうが自分を守れるかもしれない

でも、別に弱いのが悪いわけじゃないし
もしかしたら全然弱くないかもしれない


そんなの関係ないほど
毎日自分を愛せる理由が必要なのかも


私は、髪を染めてみてそれに気づきました

自分でかわいい色だな、って思う倍くらいに人から「いい髪色だね」って言われるとその色が特別に見えた


そう思えたし、夏が来てるから黒に戻した

黒に戻したからって、毎日がつまらなくなるわけではなかったし

むしろさらに楽しくなったかも




色と過ごした半年間は、楽しく生きるヒントを教えてくれました

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