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初めて特典会に参加して推しの存在を確認できた





当選メールを受け取ってから、すぐに職場で使ってるカレンダーに印を入れた。
着る服はすでに決まっていた。あとは、名札と話す内容を考えることぐらいだったので、1週間前までは気楽に過ごしていた。

名札を作るのは苦手だった。いや、作るのはいい。以前仕事で創作物を作っていたので、何となくの配色や著作権に引っかからないイラストサイトなど頭に入っていた。
問題は印刷だった。スマホで作った画像を名刺サイズに印刷する方法が難しい。何回やっても慣れない。

しかし、私には勝算があった。以前SNSで名札の作り方から印刷方法までをわかりやすく解説してくれてる動画を見つけたのだ。それをブックマークしており、特典会前になるといつもその動画に倣って名札を作っていた。
今回もその動画を参考に、大体1時間半ぐらいで作り終えるだろうと思っていた。特典会前はお盆前ということもあり仕事が立て込んでいて、直前(私の中では前々日想定)に作るのは難しいだろうと踏んで5日前から作り始めることにした。

いつものようにブックマークから作り方の動画を探す。しかし、いくら探しても動画は見つからない。あれ?ブックマークしたのこのアカウントじゃなかったっけ?と違うアカウントのブックマークも見てみる。だけど何回見ても見当たらない。その動画を作った主の何となくの情報は覚えていたので、検索してみる。(ストーカーみたいだよね、ごめんね)いくら関連ワードで検索してみてもアカウントすら出てこなかった。アカウントを消したか、非公開にしている……
嫌だ!嫌だ!わたしはあの動画がないと名札を作れない!あの丁寧すぎるぐらいに解説してくれてる動画をもう一度見たい!アカウント主、戻ってきて!!

名札を作らないという選択肢はなかった。以前名札を付けずに行った時に、推しから「お名前は?」と聞かれ、無駄なターンを発生させてしまった。なので名札は私の中では必須だった。
一瞬手書きで名札を作ることも考えたが、可愛い大夢に会いにいくのに可愛くない名札はつけたくなかった。


まあまだ時間あるし、その間に名札解説動画主が戻ってきてくれる可能性を信じて、一旦落ち着くことにした。(いや、名札作れよ)
仕事は忙しかったが、私は今週末は推しに会う女だからなぁ〜とご機嫌で仕事に取り組んだ。夏バテ気味だったが、今週末推しに会う女モードだったので仕事終わりジムにも行った。(いや、名札作れよ)

そろそろやばいなと感じ始めた時には前日だった。名札のデザインは通勤時間で完成させていた。あとは印刷だけ。だけどその印刷こそが1番の難関。
仕事終わり、カフェへ向かう。ここでサイズ調整をし帰りに印刷して帰りたい。しかし何度やってもうまく行かない。サイズが合わない、うまくサイズ調整できても保存ができない、バランスが崩れる…
本当に泣きそうだった。特典会前日に名札がうまく作れないとカフェで泣きそうになってる自分が惨めだった。ただでさえ仕事で疲れていたので疲労感が半端なかった。
もう帰ろう。スマホも爆発寸前の熱を持っている。印刷は明日の朝にしようと思いカフェを出た。
その後なんだか自分でもわからないが、電車の中でうまく名刺サイズに画像を調整することに成功した!なんかできた!完成した!あとは印刷だけだ!もう一度同じことをせよと言われても100%できないがもう完成したから何でもいい!次回の名札?そんなもん知らない。未来の自分がきっとなんとかしてくれる!




特典会当日。
お昼に京ちゃんのセンイルカフェに行った。
キムチやチヂミやキンパなど、他店との差別化に苦労しそうなお店しかない商店街を抜け、灼熱の中カフェまで15分ほど歩く。帰りもこの来た道を歩いて帰らなければならないと考えただけで足取りが重かった。
カフェでは友達と、特典会で推しと何を話すか相談会が開催された。
私は今回初めて大夢と話す。もうお分かりの通り、わたしは怠惰で他力本願で目の前のことしか考えられない性格なので、過去の大夢の特典会レポを調べて事前に対策を立てるなんて発想はなかった。だから大夢がどういう対応をするのかわからなかった。

てかもう一周回って数十秒の時間で推しと話したいことなんてない。てかもう近くで顔見れるだけで満足。大夢がちゃんと存在してる人間か確認できたらそれでいい。
てか30分間なら話したいことは無限にある。転職するか否か、引越しするか否か、宝くじはいくら買うべきか、その際単番か連番かまたその割合、クソみたいな歌詞しか書かないが世間から支持されているバンドについてどう思うか、通っているジム付近にある焼肉屋の誘惑に勝つ方法など。
大夢じゃなくて友達と話せよな話題だらけだが、私は大夢の思考回路が知りたい。正解が知りたいんじゃない。大夢の答えが知りたい!

とまあ暑さのせいもあり自分でもよくわからない考えが頭の中をぐるぐるしていた。
気が付けば会場に着き、オタクに囲まれながら友達と何話そうか相談会Part2を開催していた。
レポを参考になんとか話したいことをまとめ入場し、友達と別れ1人で髙塚大夢レーンへ並ぶ。
ほぼみんな1人で並んでいた気がする。そしてピクミン率が高かった。みんな、名札やカバンやスマホなど至る所にピクミンを装着していた。ピクミンつけてたら大夢喜んでくれそうだよね〜あ!この人はハム太郎付けてる!わかります!大夢っぽいですよね〜と心の中で色んな人に喋りかけてたら、前のマダムに話しかけられた。一瞬私の心の声が聞こえたのかと思い焦った。今から大夢と対面しないといけないのに、超能力者と対面している場合ではない。この先あのカバンを置く台までの間、超能力者マダムと会話をしなければいけないのかと不安に思っていたが、会話はすぐに終わった。ごめんマダム、強がったけど本当はもう2.3ターンぐらい会話がしたかった。大夢の前で上手く喋れる気がしないからマダムと会話の練習がしたかった!

そうこうしている間にもう順番は迫っていた。
可愛いく喋りたいが、普段から可愛さ皆無の喋り方しかできないので諦める。大夢に伝わる言葉と声量を出せるように、話したいことを何度も何度も頭の中で反芻させる。


「次の人どうぞ」と言われた記憶はない。小走りで入ったのか、歩いて行ったのかすら覚えてない。気が付けば目の前に大夢がいて会話をしていた。「動いてる!」それが至近距離で見た大夢の第一印象だった。
とてもとてもとてもとても可愛かったしかっこよかった。何よりずっと画面越しでしか見てこなかった大夢が目の前にいることが信じられなかった。本当に一瞬だった。だけどあの数十秒間、ファンとして大夢の目の前に立てたことが嬉しかった。
いつもは画面越しにしか応援できないし、直接気持ちを届けることはできない。だけど特典会という場面では大夢の目の前に立つことだけで、あなたのファンですということを伝えることができる。それが本人たちにとってどれだけの活力になるかわからないけど、応援してる人がたくさんいることを改めて心に留めてくれたら嬉しいなと思う。

この先何回特典会に参加できるかわからないけど、できるだけ参加して大夢にファンだということを伝えていきたい。まだまだ大夢に言いたいこと、伝えたいことがたくさんある。
大夢がどういうタイプかわからないけど私に関しては、もうちょっとスムーズに対応できたらよかったのにな…とか考えて落ち込まないでほしい。(いや、そんな変なこと言ったりする予定もつもりもないんだけど)あ!この人俺のファンなんだ〜ぐらいの気持ちでいてほしい。寝る時に今日のイベント楽しかったなぁ〜と思いながら眠りについてほしい。(なんのお願い?)



最後に大夢に言いたかったけど言えなかったことをここに書いて終わりにする。


大夢の歌声、本当に本当に最上級で最大級に超絶大好きだよーーー!!!

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