人生の残り時間

私は映画が好きだ。
だが、人並み以上に観始めたのは高3からとだいぶ遅い。それまでは金曜ロードショーと、年2、3度の映画館である。

私は自分に収集癖があるとは思わない。
だが、いざ映画の円盤を集め始めたら、気づけば部屋には4000枚近いBlu-rayとDVDが揃っていた。

当初は定年までに――と考えていた、「自宅TSUTAYA化計画」がすでに達成されてしまった。

しかもそれらは「客観的な名作」揃いだ。
過去の評論家たちが高く評価してきた作品を集めに集め4000作品。

ここからセレクションに移行していく余地はあるものの、そう手放すことはなかろう。

そしてその中には当然未見のものが多くある。
特に私は洋画にはずいぶん疎い。

そこでふと、私は考える。

私の年間鑑賞数は仕事の合間を縫ってせいぜい200本。
しかもこれは新作・旧作を足した数字であるからして、自宅で観る数はおよそ100〜120本だろうか。

そこで単純に、所持数4000を鑑賞数100で割ったとき、40という数字が出てくる。

すなわち、手元の円盤を一度ずつ観ていくだけで、残りの人生がいわゆる健康寿命に迫ろうとしている。

私は今年、この愛すべき趣味を通して、人生の有限性と向き合い続ける、そんな人生のスタートを切ってしまった。

というわけで、その記念に記しておく。





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