維新と公明の今後は?
重要:結論から申し上げます‼️
⭐️日本維新の会は、6月25日の記者会見でこれまで公明党に譲ってきた大阪兵庫の6つの選挙区で初めて候補者を擁立すると発表しました。
ですから、これより下に書いてあることは「そういう経緯があったんだな」と思って読んでいただけるといいかなと思います。
今回も"はむちゃんのnote"をご覧頂き誠にありがとうございます。
これまでの経緯について
※追記
①日本維新の会は6月25日の記者会見で該当の6つの選挙区に独自候補擁立と発表した。
②兵庫維新の会は兵庫2区、8区には維新の候補者を擁立すべきとの意見をまとめ、日本維新の会の馬場代表に伝えた。
③公明党は大阪16区に、世代交代として現職の北側副代表から山本参院議員(比例)に差し替えると発表した。
※経緯の解説が長いですので、不要な方は目次から「それぞれの選挙区について」を押せばすぐにお読みいただけます。
日本維新の会が公明党に譲ってきた衆議院の選挙区がある。これには大阪都構想が大きく関係してくる。
2015年5月17日
2015年5月17日に橋下徹大阪市長、松井一郎大阪府知事の下、大阪都構想の住民投票が行われたが僅差で否決された。大阪都構想に反対だった自民党が住民投票実施時、対案として掲げた「大阪戦略調整会議(大阪会議)」。これは政令指定都市である大阪市と堺市の2つ、そして大阪府が話し合うことで二重行政が解消できるとしたものだ。
しかし、議事進行の方法などをめぐって何度も紛糾。橋下徹市長は「ポンコツ会議だ」と批判した。また、2回目の会議には自民が維新側のやり方に反発して欠席。こうしたことが引き金になり、2度目の大阪都構想住民投票に進む形となった。
2015年大阪ダブル選挙
その後12月に行われた大阪ダブル選挙では橋下徹氏の後任に吉村洋文氏が大阪市長。松井一郎氏は大阪府知事2期目に当選した。そして任期満了を持って橋下徹氏は都構想否決の責任を取る形で宣言通り政界を去った。
維新は2018年秋に2度目の住民投票を行うつもりだった。実は公明党と「今任期中(〜2019)までに住民投票をする」と密約を交わしていた。しかし、統一地方選挙を重視する公明党は2度目の住民投票実施を先延ばしにしようとしていたため維新の松井氏が痺れを切らした。
松井氏は公明党と維新が交わしたその密約を世間にばらした。当然公明党も激怒。その後2019年大阪ダブル選挙で大阪都構想の住民投票実現を公約にして、前大阪市長の吉村洋文牛が大阪府知事に。前大阪府知事の松井一郎氏が大阪市長に当選した。
一方で大阪府議会では維新が過半数を獲得するも、大阪市議会ではわずかに過半数を下回った。大阪都構想は賛成が議会の過半数を取らないと全く進まない。維新以外の政党は大阪において都構想に反対だ。つまり今回も公明党の協力が必要不可欠となったのである。
これまでも橋下徹氏が「公明党の選挙区に擁立するぞ」などと牽制し、大阪市議会や堺市議会で協力をしてきた。結局公明党に譲ってきた大阪の選挙区に維新が候補者を立てることはなかったが、大阪3区に当時大阪市長の橋下徹氏が兼務で立候補するとの話まで出たくらいだ。
話を戻すが、2019年の大阪ダブル選挙で知事市長のポストを維新が獲得したことを受けて公明党は「住民サービスが低下しないようにする」などのいくつかの条件を付けて大阪都構想賛成に転じた。
2度目の都構想挑戦へ
そして維新と公明が協力して議会の手続きを経たことで無事、2020年秋に2度目の住民投票が実施された。しかし今回も前回と同様僅差で否決となった。
敗北後の記者会見で松井氏は任期満了をもって政界を引退すると表明し大阪維新の会の代表の辞任も発表した。吉村氏は「僕が代表でいる間は3度目は無い」と語った。今年春(2023年)には「維新として都構想の看板を下ろしたわけでは無い」、3度目をするなら民主的なプロセスが必要だとも語り、もし、3度目の都構想に挑戦するなら次の知事市長選挙、議員選挙で都構想を公約にして当選してからであるということだろう。
時を戻して2021年秋の衆院選。維新は40名以上まで議席を大きく増やし全国に大きな存在感を示した。大阪でも公明党に譲った選挙区以外のすべてで小選挙区を獲得した。大躍進であったが、衆院選後のテレビ出演で日本維新の会の松井代表は「与党の過半数を阻止できなかった」「議席を大きく増やして頂いたが擁立した半分は当選できなっかった」「我々の負けだ」と謙虚な姿勢を崩さなかった。
今回野党共闘した立憲民主党や日本共産党は議席を減らしたが、負けを認めないような姿勢であった。謙虚な維新の松井代表とは対照的でこの姿勢は普段維新を支持していない人にとっても非常に高い評価をされている。個人的に「さすが松井さんや、、」と思った。この動画は公式のYouTubeチャンネルに残ってるので是非ご覧いただきたい。また話がそれてしまった(笑)戻します。
今度こそ大阪市議会過半数へ
そして、時間がたって2023年春、都構想無き大阪ダブル選挙が行われた。市長には大阪維新幹事長で大阪府議を務めた横山英幸氏が、知事には吉村洋文氏が2期目に当選した。同日に行われた大阪府議選では前回より議席数を伸ばして過半数獲得。なんと、政令市として異例の大阪市議会でも過半数を獲得したのだ。これは、「公明の協力なしでも議会を円滑に運営できる」ということを示している。
ついに動き出した。衆議院の6つの選挙区を公明党に譲っていたのは大阪市議会や大阪府議会で協力してもらうためである。しかし過半数を獲得したためその必要は無くなった。都構想もない。公明党に譲る必要性が無くなったのだ。
馬場信幸日本維新の会代表は、「公明党との協力入ったん白紙」と述べ、すべての選挙区で維新が候補者を擁立すると強気な宣言までした。そこで、多くの維新支持者及び有権者は「維新は誰を擁立するのか」と注目されている。
維新が公明党に譲っていたその6つの選挙区は「大阪3区」「大阪5区」「大阪6区」「大阪16区」「兵庫2区」「兵庫16区」であるが、公明党が獲得した小選挙区の議席は9議席でそのうち6議席が譲ってもらった選挙区である。少なくとも大阪の4つの選挙区で維新が候補者を擁立すれば公明党は小選挙区では負けると考えられるのが自然だろう。これが事の経緯である。
それぞれの選挙区について
※政令市の議員は期数で表記、以外の一般市の議員は得票順で記載しています。
※一部表記が異なる場合があります。
⭐️大阪3区
有権者365,973人(2022年9月)
(大阪市大正区・住之江区・住吉区・西成区)
現職:佐藤茂樹(公明)
「維新が候補者を立てるなら?」
◎市議(区別・期数順)
出雲輝英(大正区)4期
片山一歩(住之江区)4期
佐々木りえ(住之江区)3期
上田智隆(住吉区)3期
伊藤亜美(住吉区)2期
くぼた亮(住吉区)1期
辻淳子(西成区)6期
藤岡寛和(西成区)3期
◉府議(区別・期数順)
金城克典(大正区及び西成区)4期
永井公大(住之江区)3期
河崎大樹(住吉区)3期
⭐️大阪5区
有権者432,729人(2022年9月)
(大阪市此花区・西淀川区・淀川区・東淀川区)
現職:國重徹(公明)
「維新が候補者を立てるなら?」
◎市議(区別・期数順)
たけち博幸(此花区)1期
山田はじめ(西淀川区)2期
山田かな(西淀川区)1期
坂井はじめ(淀川区)2期
今村直人(淀川区)1期
佐竹りほ(淀川区)1期
橋本まさと(東淀川区)2期
岩池きよ(東淀川区)1期
ますもとさおり(東淀川区)1期
◉府議(区別・期数順)
橋本ゆうと(福島区及び此花区)1期
中川誠太(西淀川区)2期
山下昌彦(淀川区)1期
笹川理(東淀川区)4期
⭐️大阪6区
有権者390,026人(2022年9月)
(大阪市旭区・鶴見区・守口市・門真市)
現職:伊佐進一(公明)
「維新が候補者を立てるなら?」
◎市議(区別・期数順)
宮脇希(旭区)3期
大橋一隆(鶴見区)4期
黒田まりこ(鶴見区)2期
梅村まさあき(守口市)
山口まゆみ(守口市)
坂もと正幸(守口市)
山口たくや(守口市)
山本もちかた(守口市)
武田けんいち(守口市)
しまだ英史(守口市) ※落選
坂本たくや(門真市)
滝井としゆき(門真市)
片平きょうこ(門真市)
五味せいじ(門真市)
大倉もとふみ(門真市)
吉水ゆきはる(門真市)
今田てつや(門真市)
◉府議(区別・期数順)
くすのき好美(旭区)1期
徳村さとる(鶴見区)4期
西田かおる(守口市)5期
泰江まさき(門真市)3期
⭐️大阪16区
有権者326,876人(2022年9月)
(堺市堺区・東区・北区)
現職:北側一雄(公明)
「維新が候補者を立てるなら?」
◎市議(区別・期数順)
上村太一(堺区)4期
井関貴史(堺区)4期
山﨑光(堺区)1期
蓮田潤(堺区) ※落選
黒田征樹(東区)4期
藤井載子(東区)2期
西川知己(北区)3期
中野貴文(北区)2期
坂本千代子(北区)1期
◉府議(区別・期数順)
中川あきひと(堺区)1期
中野稔子(東区及び美原区)4期
いちはら勉(北区)3期
⭐️兵庫2区
有権者385,407人(2022年9月)
(神戸市兵庫区・北区・長田区・西宮市旧塩瀬村、山口村域)
現職:赤羽一嘉(公明)
「維新が候補者を立てるなら?」
◎市議
岩谷栄成(兵庫区)1期
松田伸介(兵庫区) ※落選
山本憲和(北区)3期
川上雅子(北区) ※落選
村本真一(北区) ※落選
長澤淳一(長田区)2期
浜口ひとし(西宮市)
多田ひろし(西宮市)
ありめこうへい(西宮市)
渡辺けんじろう(西宮市)
今泉ゆうた(西宮市)
森けんと(西宮市)
江良けんたろう(西宮市)
前島のぶなが(西宮市)
前田しゅうじ(西宮市)
大利こうじ(西宮市) ※落選
◉県議(区別・期数順)
長崎寛親(兵庫区)1期
中村大輔(北区)1期
中井隆晃(長田区)1期
増山誠(西宮市)2期
脇田周和(西宮市)1期
⭐️兵庫8区
有権者386,380人(2022年9月)
(尼崎市)
現職:中野洋昌(公明)
「維新が候補者を立てるなら?」
◎市議
池田りな(尼崎市)
長崎くみ(尼崎市)
てらい大地(尼崎市)
別府けんいち(尼崎市)
辻伸行(尼崎市)
安浪順一(尼崎市)
松岡ようじ(尼崎市)
西田けんじ(尼崎市)
高谷ひろし(尼崎市) ※落選
◉県議(区別・期数順)
徳安淳子(尼崎市)5期
大原隼人(尼崎市)1期
※2012年は公明候補に自民維新が推薦していた
個人的な予想
※年齢等は2023年5月時点
※勝手な妄想なのでご理解ください。
※「〇〇が出て欲しい」等のコメントはぜひ
大阪3区
候補①「東徹 参院議員(56歳)」
2003〜2013大阪府議(住之江区)
2013〜現職(参議院・大阪選挙区)
候補②「佐々木りえ 大阪市議(40歳)」
2015〜現職(大阪市議・住之江区)
12年に東京で国政選挙への立候補経験あり。
大阪5区
候補①「守島正 衆院議員(41歳)」
2011〜2021大阪市議(東淀川区)
2021〜現職(衆議院・大阪2区)
候補②「梅村みずほ 参院議員(44歳)
2019〜現職(参議院・大阪選挙区)
地元事務所は淀川区。
大阪6区
候補①「黒田まりこ 大阪市議(41歳)」
2019〜現職(大阪市議・鶴見区)
子育てカウンセラー。
大阪16区
候補①「中野たかふみ 堺市議(37歳)」
2019〜現職(堺市議・北区)
2023年統一地方選挙で2期目に当選。
兵庫2区
候補①「清水たかゆき 参院議員(48歳)
2013〜現職(参議院・兵庫選挙区)
地元事務所は西宮市。
兵庫8区
候補①「大原隼人 兵庫県議(55歳)
2023〜現職
2022年に尼崎市長選挙で落選
公明に維新が勝てばどうなる?
公明党はこれまで自民党と選挙区を棲み分けて相互推薦という形でお互いに当選者を出し、国会で自民公明の与党として国会を運営してきた。 公明党は現在衆議院に32人の議員がいます。うち9名が小選挙区当選。公明党は比例への重複立候補をしない方針の政党のため、もしこの大阪兵庫の6選挙区で維新が勢いに乗って全員当選すれば、公明党の衆院議員は26名まで減り、小選挙区当選は9名から6名減って3名となるので大きなダメージになる。
しかし! 5月11日大きなニュースが飛び込んできた。上に書いたように、維新の勢い次第では維新が6名増やして公明が6名減るはずが、その可能性を危惧し、選挙区と比例代表の重複立候補を解禁することを検討するというのだ。つまり、もし維新に負けても比例復活する可能性もあるということだ。比例重複するという考えをすでに自民側にも伝えているとのこと。
ここまではあくまで理論上の話。いくら、維新の本拠地大阪、維新が勢いを急激に伸ばす兵庫だからといって簡単に当選できるわけはない。これまで公明党に譲ってきたわけだから、空白地帯である。その分他の地域以上に活動をしないといけない。候補者を早期に選定していく必要があると考える。
また、公明と維新の勝負で維新に軍配が上がると、憲法改正を目指す自民党は、公明ではなく維新に近づいてくる可能性が高い。公明は憲法改正に消極的で維新は積極的だからだ。今後の国会の構図にも注目が集まる。
本日も長文を読んでいただきありがとうございます。「この人に出てほしい!」や、文字が間違ってる等のご意見もぜひコメント欄で教えてください。