発話できる、本当に使えるボキャブラリーの育て方
英語の「知っているのに出てこない」を「知っていて、使える」に変えるためのヒントをお届けします。
多くの英語学習者の頭の中に、途方もない量の「使えない英語」の知識が積みあがっています。
受験勉強のために詰め込まれたその不良資産を、一刻も早く「使える英語」に転換しましょう。
そうすれば、英語はあなたと世界をつなぐ扉になります!
ぼくは、オンライン英会話をこよなく愛し、日々話す力をコツコツと磨いている英語学習者です。40代ですが、毎日成長を感じています。
今日の記事は次のような方に読んで頂けると嬉しいです。
✔英会話の目標を見失っている
✔会話力が上がっているのか不安だ
✔オンライン英語が続かない
1.結論
英会話で「2回」使ったことのある単語・表現の数をとにかく増やす
あなたにとって意味のある単語・表現を厳選することが最も重要です。
一年続けると、あなたのボキャブラリーは、本当に使える「生きた」単語・表現に変わります!
では、具体的にみていきましょう。
2.英会話で「2回」使うことが重要
ぼくたちが受験やTOEIC試験のために暗記した3,000語の英単語。
その中で、会話でとっさに発話できる単語はどれほどあるでしょう。
10%あれば上出来。
1%も怪しいかもしれない。
これが現実ではないでしょうか。
残念ながら、ぼくたちが大事に隠し持っているボキャブラリーは、稼働率1~10%です。
どうしてこんなに稼働率が低くなるのか。
最初から使う気がないからです。
使う気がない単語は、資産家が隠し持っている金塊に似ています。
もしものときのために、銀行の金庫に預けている金塊の山。
金庫には厳重なロックがかかっていて、簡単に引き出せません。
引き出すつもりもありません。
持っているだけで豊かな気になる心の支え。
ところが、この金塊は、実生活においては何の役にも立ちません。
あなたが銀行の金庫に隠し持っている金塊を、一刻も早く使えるお金に換金して、本当に欲しいものを手に入れましょう!
では、「2回」使うことで金塊がお金に変わる仕組を見ていきましょう。
(1)2回使うと、脳が「この単語は自分にとって重要」と認識する
人生において、なにごとも1度は偶然で起こります。
2度遭遇することで、脳の認識が変わります。
「2度あることは3度ある」は普遍の真理です。
2回使ったことのある単語は、ぼくたちの生活、状況、人生にとって、繰り返し使う可能性のある意味のある単語として、脳にインプットされるのです。
「たった2回程度で本当に使えるようになるなんて、大げさじゃないか。」
確かに、3回、4回、何度もなんども繰り返し使うに越したことはありません。
しかし、実践英会話で使う回数、1回と2回では、雲泥の差があります。
その単語に対するぼくたちの脳の反応が違います。
ぜひ、身をもって感じてみてください。
今あなたにとってもっとも意味のある、重要な単語を1つ選び、会話で「2回」使ってみましょう!
1回目から1週間以内、できれば3日以内に2回使うことをお勧めします。
※この場合の2回は、「2日」のニュアンスです。一回のレッスンで何度か発話しても、それは一回とカウントし、できれば日を分けてください。
(2)まず「1回」なんとしても使う
当たり前ですが、2回使うには、その前に必ず「1回目」がありますね。
ところが、この1回の発話、それほど簡単ではありません。
暗記した時点で「使える」と思いこんでいたぼくたちは、いざ発話しようと口をひらいた瞬間、口が動かないことに初めて気づき愕然とします。
会話で使えるようになるには、口の筋肉を動かすトレーニングが必要なのです。
また、使いたい単語を発話するためには、その単語とセットでよく使われる表現も考えなければいけません。
このことに初めて思いがおよびます。
この実践感覚を身につけるため、とにかくまず「1回」実践で使ってみることです。
「今日の英会話では必ずこの単語を使う」と覚悟を決め、何がなんでも「1回」発話しましょう!
1回目の実践投入については、前のnote記事でもう少し詳しく紹介しています。
(3)本当に使えるようになりたい単語を厳選する
心を鬼にして単語を厳選することが重要です。
絞り込むことで、心が軽くなります。
なぜなら、会話は生身の人間とのコミュニケーションだからです。
相手があるだけで、ぼくたちは想像以上に色んなことを同時進行で考えなければなりません。脳のリソースを確保しましょう。
本当に今の自分にとって重要で、意味があって、心から「使えるようになりたい」と思える単語に集中するくらいで、ちょうど良いのです。それ以上に欲張っても得るものはないでしょう。
また、ボキャブラリーは、あなたの家の中にある服や雑貨と似ています。
「いつか使う可能性がありそうだから」「センスが良さそうだから」といって取っているモノは、だいたい使いません。
それどころか、持っているだけで心の負担になり、目に見えない疲労が蓄積します。
語学学習が続かない最大の原因は、自分に期待し過ぎた結果の「キャパオーバー」です。
本当に発話できるようになりたい単語を厳選しましょう!
3.習慣化の具体的な方法
2回使う。
そのために1回まずは使ってみる。
使いたいと思う単語は厳選する。
これを日々の英語学習に落とし込んでいきましょう!
ぼくが実践している具体的な方法の一例をご紹介します。
(1)使いたい単語を厳選して「マイ・リスト」を作る
本、映画、動画、テキストなどから、あなたが「いいな」「使いたいな」と心から思える単語をピックアップします。
最初は10語程度で十分です。これを「マイ・リスト」と呼びましょう。
この「マイ・リスト」が、あなたの会話力を支える土台となっていきます。
①マイ・リストを作る
②マイリストの中で、1回使った単語に、分かりやすい目印をつける
③1回使った単語の中から、さらに2回目使えた単語に別の目印をつける
このシンプルな3ステップのみです。
私の実例ですが、「Notion」というクラウド・サービスを利用して、ぼくの「マイ・リスト」を管理しています。(下図)
ちなみに、図のように、ぼくは単語ではなくもう少し長めの「表現」をマイ・リストにしていますが、原理は同じです。
[左列 使う!] 次の英会話で絶対に使う、と覚悟を決めた3つの表現です。
[中列 Silver List] 1回使うことができた表現が59個あります。
[右列 Gold List] 2回使うことができた表現が38個あります。
モチベーションを高めるため、1回使ったSilver Listのアイテムには三角フラッグの目印を、2回使ったGold Listのアイテムにはゴールフラッグの目印をつけています。
ぼくがNotionというサービスを使っているのは、アイテムを「クリック&ドラッグ」で簡単に移動することができ、感覚的に管理できるからです。
でも、使うツールはなんでも良いと思います。エクセルでも、手書きノートでも、紙カードでも、あなたが使いやすい方法でためしてみて下さい。
(2)2回使用「率」のアップを目指す
「率」に集中すると、モチベーションが持続しやすく、習慣化が進みます。
習慣化することで、英会話に臨む心理的ハードルを下げることが出来ます。
ぼくのマイリストを例に見ていきましょう。
マイリストのアイテム総数は100個です。
このうち2回使えたのは38個。
2回使用率=38個/100個=38%
これが、今のぼくの成果です。
究極の目標は、2回使用率を100%にすることです。
まだまだ足りないので、どんどんオンライン英会話に投入していきます!
ちなみに、「1回使用率」を100%にすることは重視しません。
なぜなら、1回使用は2回使用のための通過点に過ぎないからです。
もし、1回使用率が瞬間的に100%になったとしても、そこで満足してはいけません。
あくまで目標は2回使用率のアップです。
そして、率の良いところは、総数が小さくても100%にできることです。
あなたのリストが3個しかなくても、その3個とも2回使用できたら、100%といって良いのです。
量を求めなくても100%を達成できると思うと、モチベーションが続きます。
目的は、知識を知識で腐らせずに、実践に投入していくサイクルを作ることなのです!
モチベーションの維持は超重要です。あなどってはいけません
2回使用「率」を意識し、モチベーションを維持しましょう!
(3)2回使用した単語の総数を「ゆっくり」「着実に」増やす
「率」を重視し、モチベーションを保ち、英語学習を習慣化するのはなぜでしょう?
その先には、会話力のアップ、という本当の目標があるからです。
その目標は、最終的にはやはり「量」です。
会話力のアップには、発話できる表現の量を増やすことが不可欠です。
だから、2回使用率が100%に達したからといって、それだけで満足してはいけません。
本、映画、動画、テキストなどから、あなたが「いいな」「使いたいな」と心から思える単語を「ゆっくり」「着実に」仕入れ、あなたのマイ・リストに加えていきましょう。
2回使用した単語の「総数」を増やしていきましょう!
(4)おまけ 地味だけど大事なこと
次の英会話で使ってみたい!と思ってリストアップしたけど、いざ人に対して使おうと思うと、なぜかしっくりこない、使いにくい。そう思う単語が出てきたらどうするか。
迷わず削除しましょう!
使うイメージが湧かない単語は、今のあなたにとって必要でなかったんだ、と割り切ることが大事です。
使わない単語をリストに滞留させておくことは、あなたの頭と心にゴミをため込むことになります。百害あって一利なし、です。
会話力のアップに我慢やストレスは大敵です。ストレスを減らし、気持ちよく続けられるサイクルを作ることをためらわないでください。
4.最後に
ぼくたちの頭の中には、磨けば「使える英語」になる宝の山がまだま眠っています!
不良資産をどんどん生きた財産に換え、世界とつながっていきましょう🌈
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