🧵: 洋服の憑依
私はお洋服が好きだ。
洋服を着ると、
皆の愛と勇気を背負った
〖魔法少女〗
にだってなれるし、
酒と煙草しか信用しない
〖ロックンローラー〗
にだってなれる。
今にも消えてしまいそうな
〖儚い女の子〗
にだってなれるし、
闇社会に取り憑かれた
〖ヤクザ〗
にだってなれる。
それになんと言っても
「【お】洋服」
と敬意を表してしまうくらいだし、私にとっての変身アイテムでもある「【お】洋服」は、ポッキーのチョコ部分くらいなくてはならない存在なのだ。
今ならリカちゃん人形もメルちゃんの気持ちもよくわかる。だって何者にもなれるんだもの。何にだってなれるんだもの。
私はお洋服を着ると
憑依する
正確には、お洋服に〖憑依される〗の方が正しいのかもしれない。
お洋服を着ただけでその系統の【女の子】(時には男の子)になりきる。
どんな生き様でどんな生活をしてどんな音楽を聴くのか。
例えば、フワフワのフリルやレースアップが施されたガーリーなお洋服を着た時、私は
「私がいちばん可愛いマインド」
で生きる。
大森靖子ちゃんの音楽を大音量で流して
ディスった奴の家にバラの花束を毎日送るの
なんて事はさすがにしないけれど、きゅるきゅるな気持ちでいっぱいになって生活をする。
ある時は、ドクロが大きくプリントされたロンTにタータンチェックのスカートを履く。
あっという間に私の中での「ロックンロール」の幕開けだ。
ちっぽけな悩みなんてくだらねえ
こんなクソみたいな人生上等だ
をモットーに少し歩幅を大きく歩く。
こんな日はアイラインだって大いに はね上げる。
夕日の綺麗なある日は、どこか寂しさを感じたので爽やかな色のワンピースにつばの拡がった帽子をかぶる。
夕日に照らされ、まるでPVかのように音楽を聴きながら歩く自分に酔いしれる。
こんな日は、思わず「マリーゴールド」や「空の青さを知る人よ」など あいみょん ばかり繰り返し聴いてしまう。
だが、このスタイルは夏休み最終日のような寂しさを感じてしまうのであまり高頻度には行わないようにしている。あまりオススメもしない。
私は昔から何事にも熱しやすく冷めやすい。
だからこそこの憑依が生まれたのかもしれない。
1つの系統に絞るなんて出来ない。
私は毎日変身する。
今日もクローゼットとにらめっこしながら考える。