「いい意味で」の用法
「いい意味で」を使う人がいる。
「あの人正直だからね、いい意味で」
なんて使い方をするあの「いい意味で」。
「いい意味で」なんて付け加えなければならない時点で、そのセリフいい意味で使ってるわけないでしょ、いい意味で伝えたいんだったらそもそもの言い方を変えなさいよ。といつも思っている。
多くの場合、「玉にきずなんだけど」と言い換えてもいけそうだ。
「あの人正直だからね、玉にきずなんだけど」
やっぱりいけそう。
この前、こんな会話を耳にした。
「広告の件、来年度に向けてもう一度戦略練りなおした方がいいですよね」
「そうだね」
「ちなみに今はどうなってるんですか?」
「あっちの件は○○さんに任せてあるんだけどね」
「はい」
「○○さんはいい意味で自分で動いてくれるから、大きな指示だけしてあとは自由に考えてもらってるよ」
「そうなんですね。今度打ち合わせしますね」
・・・・・・いやそれガチのいい意味やないかーーーーい!!!!
本当にいい意味のときに「いい意味で」って使っちゃだめだよ!!!本心ではあんまりよく思ってないんだけどってニュアンスが出ちゃうじゃん!!!いい意味のときに「いい意味で」って使う人初めて見たおもろーーーー!!
心の声をグッと抑え、noteのネタにすることに決めた。
おそらくこのとき「いい意味で」と言った人は、「マネジメントを放棄しているわけじゃないよ。任せられる人だから任せたんだよ」と強調したかったのだと思う。
だとしても、「いい意味で」を使うことは適切ではない。「いい意味で」と付け加えたことで「いい意味」ではなくなるからだ。
そもそも「いい意味で」が適切なシチュエーションなんてなくない?と思っている。自分が悪者になることを避けるためのずるい言葉に聞こえるから。
にしても、いい意味のときにも「いい意味で」を使ってるのはおもしろかった。もはや代わりにどんな言葉を入れても問題ないのではないか。ハラペーニョとかぽんぽこ丸とか。
「あの人正直だからね、ハラペーニョ」
いい。かなりいい。もうみんなこれに変えていこう。
でも「いい意味で」を使う人が変わる気はしない。だって彼ら頑固だもん。もちろんハラペーニョ。
(どみの)