2022ゴドルフィンマイル(G2)有力馬紹介
ゴドルフィンマイル(G2)
メイダン競馬場 ダート1600m
(※日本国内の馬券発売はありません)
日本調教馬
13枠14番 ソリストサンダー
Soliste Thunder
レーティング114(出走馬中2位)
ブックメーカー(Bet365)オッズ:10.00倍(3番人気)
騎手:クリスチャン・デムーロ 調教師:高柳大輔
主な戦績
2021 武蔵野S(G3) 1着
2021 かしわ記念(Jpn1) 2着
2021 南部杯(Jpn1) 3着
前走:2022フェブラリーS(G1) 4着
前走は重馬場のフェブラリーS(G1)で5~6番手から競馬を進め、前残りな展開の中を上がり3位タイの4着に健闘。高速馬場への適性を見せた。
条件戦時代は19戦中16戦が右回りでの出走だったが、重賞では一転して8戦中7戦においてメイダンと同じ左回りのレースで出走している。左回りの重賞成績は[1-2-1-3]と相性が良く、この舞台と同じくワンターンのマイル戦である東京や盛岡でも良績を残している。
レーティングも昨年のかしわ記念(Jpn1)で記録した114があり、このメンバーでは2位と上位。海外勢が非常に強力だが、好走も非常に現実的だ。
11枠7番 フルフラット
Full Flat
レーティング107(出走馬中13位タイ)※暫定
ブックメーカー(Bet365)オッズ:17.00倍(10番人気)
騎手:吉原寛人 調教師:森秀行
主な戦績
2020 サウジダービー 1着
前走:2020ジャパンダートダービー(Jpn1) 12着
一昨年のサウジダービーで大金星を挙げた当馬だが、その年のジャパンダートダービーから休養。1年8ヶ月半ぶりの出走がこのゴドルフィンマイルということになる。森調教師が「ブランクは長いが調整は順調」と語るように調教は抜群で、状態はすこぶる良いようだ。であれば久々の分、息が切れないかは非常に重要な焦点となるだろう。
サウジのダートは一部界隈で「謎ダート」と称されるようにダートの質が特殊なで(ルメールによるとウッドチップが混ざっているようだ)、サウジで好走したこととドバイ適性は必ずしもリンクしない。とはいえサウジダービーで破った2,3着馬はミシュリフ(2021年サウジカップ制覇、後にG1を計3勝、2021年ワールドサラブレッドランキング芝部門第1位タイ)にファイナルソング(2021年G1アルクォーツスプリント2着)と凄まじい面子だった。
様々な障壁はあるが、もしサウジダービーのパフォーマンスを取り戻せば再びの大金星が見られるかもしれない。先日急逝した大野オーナーの出走馬の1頭ということもあり、期待したい。
1枠4番 バスラットレオン
Bathrat Leon
レーティング108(出走馬中9位タイ)
ブックメーカー(Bet365)オッズ:34.00倍(14番人気)
騎手:坂井瑠星 調教師:矢作芳人
主な戦績
2021年ニュージーランドトロフィー(G2) 優勝
2021年シンザン記念(G3) 3着
2020年札幌2歳S(G3) 3着
前走:2022京都金杯(G3) 9着
一昨年の札幌デビューから2・3歳の重賞戦線で好走を続け、昨年4月中山ニュージーランドトロフィー(G2)ではついに重賞初制覇を果たした。しかしながらスタート直後落馬競走中止となったNHKマイルカップからは絶不調で、15着→15着→12着→13着→9着と大敗が続いている。なお、この間にダートの武蔵野S(G3)にも挑戦しているが、9着に終わっている。
インタビューによると、最初はドバイターフに向かう予定がゴドルフィンマイルの招待状が届き、それに対して矢作師が「メイダンのダートはバスラットレオンに合っている」という見解を示したことで、ゴドルフィンマイルに出走することにした、とのこと。前進を期待したいところだ。
海外調教馬上位人気3頭
2枠1番 アルネフッド
Al Nefud
レーティング111(出走馬中5位タイ)
ブックメーカー(Bet365)オッズ 3.00倍(1番人気)
騎手:タイグ・オシェア 調教師:ブファット・シーマー(UAE)
主な戦績
アルマクトゥームチャレンジラウンド2(G2) 2着
コインミュージアムS 1着
前走:アルマクトゥームチャレンジラウンド2(G2) 2着
前走のアルマクトゥームチャレンジラウンド2(G2)では、スタートから最後の直線半ばまでドバイWC有力馬のホットロッドチャーリーとの先頭争いを演じた。最終的にはホットロッドチャーリーから5馬身差2着と敗れたが、アメリカのトップホース相手に正攻法の競馬で肉薄したという価値は極めて高く、ブックメーカーでは1番人気に支持されている。
また上述のマクトゥームチャレンジR2だけでなく3走前圧勝、前々走も後にG3を勝つデザートウィズダムに完勝する鮮烈なパフォーマンスを見せており、ドバイ3走は全てのレースで存在感をアピールしている。
日本調教馬制覇に向けて強力なライバルとなるだろう。
3枠12番 シークレットアンビション
Secret Ambition
レーティング112(3位タイ)
ブックメーカー(Bet365)オッズ:7.00倍(2番人気)
騎手:アントニオ・フレス 調教師:ブファット・シーマー
主な戦績
2021ゴドルフィンマイル(G2) 1着
2021ファイヤーブレークS(G3) 1着
2021ジェベルアリマイル(G3) 1着
2022アルマクトゥームチャレンジラウンド1(G2) 2着
前走:サウジカップ(G1) 7着
ドバイでは2016年から走っている古豪だが、ドバイワールドカップデー諸競走の初優勝はまさに昨年のゴドルフィンマイル(G2)だった。
前走サウジカップ(G1・1800m)では7着と敗れたが、元々1800m以上ではリステッド未満のレースを含め、複勝圏にすら入ったことが無い馬。マンダルーン(ケンタッキーダービー優勝馬)・テーオーケインズ(チャンピオンズカップ優勝馬)らを競り落として7着、マルシュロレーヌ(BCディスタフ)にも3/4馬身差まで迫ったと考えれば、むしろこの敗戦は充実している証拠と捉えることも可能だ。9歳で高齢ともいえるディフェンディングチャンピオンだが、シーマー調教師は「状態良し、健康面良し、準備万端。」とコメントしており、不安は全く無いようだ。
昨年よりもメンバーのレベルは上がるが、適性バッチリの舞台で連覇を狙う。
7枠15番 ストームダメージ
Storm Damage
レーティング115(出走馬中1位)
ブックメーカー(Bet365)オッズ:10.00倍(3番人気)
騎手:クリストフ・スミヨン 調教師:サイード・ビン・スルール(UAE)
主な戦績
ビジネスベイチャレンジ(リステッド) 1着
ラスアルコールS 1着
母は日本産馬ながら英米で重賞2勝・英1000ギニー(G1)も2着に入賞したことで話題になったサンドロップで、母父はサンデーサイレンス。
デビュー戦がオールウェザーだった以外は全て芝を使われており、ダートのレースはこのゴドルフィンマイルが初めてとなる。
今シーズンはG2アルファヒディフォート4着の後、リステッド競走で優勝し、続くラスアルコールS(今年のスーパーサタデーに新設されたレース。非格付けながら賞金は当日のG2競走よりも高く設定されている重要プレップ)でも優勝。ラスアルコールSのパフォーマンスでレーティング115を獲得しており、これは出走馬中1位である。やはり焦点はダートへの対応だろう。
穴党の筆者予想(ここから主観盛り盛りなのであくまで参考程度に...)
◎9グレイトスコット
ブックメーカーのオッズは10番人気と低評価だが、本命に値する注目馬と見て良いだろう。
昨年のサウジカップでアメリカ年度代表馬ニックスゴー(4着)を競り落として3着に入っていることは勿論、今年のキングファイサルカップ(サウジローカルG1)ではエンブレムロード(次走サウジカップ優勝)から僅か1馬身差の2着と好走。これは単純に強いとしか言いようが無い。
不安点は初出走になるドバイの適性くらいだ。
ここでグレイトスコットが勝つようだと、エンブレムロードへの評価も「大金星ではなく単純にサウジ勢が強かった」ということになりそう。G2ながら、競馬史における今後数十年の評価が決まる一戦だ。
○1アルネフッド
対抗は一番人気アルネフッド。前走時に張り合ったホットロッドチャーリーはドバイワールドカップでライフイズグッド(アメリカ最強馬)を破ってもおかしくなく、そんな馬を相手に
・外枠から先頭争いで道中互角
・4角では一時脚色で上回る
・最後の直線で残り200m付近まで食らいついた
という文面は、アメリカG1レベルでも十分通用しそうなほど強烈だ。少なくとも例年のゴドルフィンマイルでは確勝級だろう。◎グレイトスコットのドバイ適性が無かった場合はこちらに軍配が上がりそうで、いずれにせよレベルの高い名レースが期待出来そう。こちらも注目。
▲12ソリストサンダー
ダートマイルという条件であれば日本調教馬でも上位クラスの馬で、◎○上位2頭が力を発揮出来なければ通用しても全く不思議では無い。あとはドバイ適性だが高速決着問題無し、左回りも得意と、悪い条件には感じない。
△14シークレットアンビション
昨年制覇時よりメンバーレベルはグンと上がった印象だが、適性が抜群だと分かっているのは心強い。有力馬が凡走した際は浮上もありえるだろう。