2023ケンタッキーダービー予想

チャーチルダウンズ競馬場

12R ケンタッキーダービー(G1) 7日AM07:57

3歳 ダート10ハロン

◎17.デルマソトガケ 
○3.トゥーフィルズ
▲21.サイクロンミスチーフ
△14.エンジェルオブエンパイア
△22.マンダリンヒーロー
 

◎17.デルマソトガケ

 ◎デルマソトガケが優勝したUAEダービーの勝ちタイムは素晴らしかった。同日のドバイワールドカップにデルマソトガケのゴーストを走らせたら、残り1600m時点で先頭に立ち、そのままグングン突き放しているような想定になる。また、1600m通過タイムはゴドルフィンマイル(ワンターン)の6着ウインカーネリアンより速いという計算になる。これだけの競馬が本番で出来ればまず100%勝てる。問題はペースと、ゲートだ。ゲートに関してはここまで来たらほぼお祈りなので、ここではペースに関して深掘りしてみる。

 まず前提として、今年のケンタッキーダービー前哨戦で最もペースが速かったのは、アメリカのレースではなく、サウジダービーだったのではないかと個人的には見る。コースの形態や精度の問題もあり純粋な比較とはならないが、Commissioner Kingの1200m通過タイム1分11秒1(当日のリヤドダートスプリントの勝ちタイムは1分11秒0)、おまけに助走距離無しのテン4ハロンで45秒8、最後の2ハロンのラップは13.0-14.7と最後はバテバテもバテバテで、これを3番手グループ追走から最後の1ハロンで猛然と着差を詰め3着に食い込んだのがデルマソトガケということになる。
 また、全日本2歳優駿も忘れてはいけない。マルカラピッドによって異様なハイペース戦となったが、そのレースでも最後まで末脚を使って勝っている。このようにデルマソトガケはハイペース戦でもやれることを既に実証済みなのである。

 今年のメンバーをざっと見ても、ハイペースが得意な馬はあまり見当たらない。例えばサウジダービー優勝馬コミッショナーキングはそもそもポイント0で、そのコミッショナーキングとずっと竸っていたハヴンアメルトダウンはバファート厩舎で出走不可。アメリカで走っていた組もケイヴロック、ニューゲート、ハードトゥフィギュア等はバファート厩舎、フォートブラッグやデーモンズマウンドあたりはポイント争いで脱落してしまった。結局今回出走できたメンバーのうち、ハイペースで逃げようと思えば逃げられそうなのが3.トゥーフィルズ、そして17.デルマソトガケ(か、もしかしたらサイクロンミスチーフ)あたりに限られ、それ以外の馬が逃げる展開になればほぼ玉砕逃げの形になりそうだ。

 玉砕逃げする馬がおらず、ペースが若干遅くなった場合(UAEダービーくらいのペース)はデルマソトガケにとって大変ありがたく、逆に違う馬がぶっ飛ばしてハイペース戦になっても対応は可能。ということで今のところデルマソトガケにはあまり隙が見当たらない。後はスタートを決めることと、ルメールのペース感覚が極端に狂わないことを祈るばかりだ。頑張れ!!

○3.トゥーフィルズ

 ○3.トゥーフィルズは前走がジェフルビーステークス、つまりオールウェザーだったということで軽視されているきらいがあるが、この馬の一番強いパフォーマンスはダートのリズンスターS(G2)だろう。トゥーフィルズ以外が総崩れの競馬で先行し、4コーナーで早め先頭、その後エンジェルオブエンパイアとサンサンダーには差されたが3着に粘り込むという競馬だった。このレースにおいてトゥーフィルズ以外の入着馬は向正面時点で「1着馬:9番手、2着馬:11番手、4着馬:12番手、5着馬:10番手」と、どうしようも無いくらいの差し競馬の中、向正面3番手集団から1頭だけ進出しているのがこの馬な訳で、実際非常に強い競馬をしている。この競馬と比べるとジェフルビーステークスは圧勝だったとはいえ、全然力を発揮できていない。またトゥーフィルズはオールウェザーで調教した時に余り動けておらず、ダートでは一番時計を出しまくり(過去6回。直近2回はケンタッキーダービー当週と1週前)という点でも、明らかにダート向きだ。とにかく前走は一切無視。
 ハイペース戦でも心強い。2歳7月のダート戦でテン2ハロン21.8秒(助走距離が20mくらいあるのでその点は微妙)のレースを逃げて勝っているように、ハイペース勝負は持って来い。それほどスピードがあるのに折り合いもバッチリということでこの馬にも全然隙がなく、強いて言えばカリフォルニアからの輸送という点のみ。


▲21.サイクロンミスチーフ

 ▲21.大穴サイクロンミスチーフの▲評価については、これは完全に記者の受け売りだ。デイリーレーシングフォームの記者デイヴィッド・アルゴナ氏によると

もしもファウンテンオブユースS(FOY)デーのガルフストリームパーク競馬場の内ラチ沿いが不利だった(死んでいた)と思うなら(私はそう思った)Red Carpet Readyを検討する必要がある。

とのこと。確かに前々走ファウンテンオブユースS(G2)当日のガルフストリームパーク競馬場で行われたダートのレースは、その全レースで内ラチ沿いを走っていた馬がバッテバテになっていた。その中でも何とか3着に残ったのが3歳牝馬G2ダヴォナデイルSのレッドカーペットレディと、ファウンテンオブユースSを走ったサイクロンミスチーフで、そのレッドカーペットレディは昨日のエイトベルズS(G2)で、3歳ベイヤー指数圧倒的1位のマニーズゴールドを撃破し勝利。つまり、本当に内ラチは死んでいたのだ。そう考えると、ファウンテンオブユースSでタピットトライスと1馬身1/4差、メイジ相手には先着したのは相当強いという見方をしても良い。
 その次走、3着だったフロリダダービーも4番手で先行、早仕掛けした割にはかなり健闘している。ここも外からキックバック無く良いポジションで競馬出来そうだ。デルマソトガケが出遅れて、この馬がスタートで出していくようだと、外枠勢が掃除される可能性もある。戦法には注目したいところだ。

△14.エンジェルオブエンパイア

 △14.エンジェルオブエンパイアはアーカンソーダービーやリズンスターSのまくりがいずれも強烈だった。特にアーカンソーダービーでは4コーナーまでに全頭をまくり切ってグングン突き放しており、目に見えて有力候補の1頭だろう。
 昨日のケンタッキーオークスでプリティミスチヴィアスが見せたようなまくりが炸裂する可能性も。

△22.マンダリンヒーロー

 △22.マンダリンヒーローはサンタアニタダービー組で唯一の出走。器用な競馬ができるので内枠が好ましかったが、補欠枠だったということを考えればまず出走できることに感謝したい。
 サンタアニタダービーでプラクティカルムーヴが記録した勝ちタイムは優秀で、ここ10年ではカリフォルニアクロームやテイバに次いで3番目に早い。そもそもプラクティカルムーヴが出ていたらまず優勝候補だったと思われるので、僅差に迫ったマンダリンヒーローも贔屓目無しでも印は必要だろう。17番枠は死に枠と言われているが、20番枠より全然マシ。馬場は外が伸びているし……頑張れ!!!!!

参考文献
Total Performance Data Powerd by Gmax

ゴドルフィンマイル

UAEダービー

サウジダービー


Equibase


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