『うちゅうじんがでたぞ』
『うちゅうじんがでたぞ』作 すがの公
<あらすじ>
平成の終わりに世界を襲った「ムダビト感染症」。無駄なことを一切排除しようとする近未来の日本。ムダな人間は地下のシェルターに隔離され、監視員たちに見張られながら延々とハコを作らされる。この世界では詩人、音楽家、役者、漫画家、イラストレーターなど、いわゆる「芸術家」はこの世界では無駄な人間なのである。「漫画家」はあるルートから武器を入手し、地下からの脱走を計画、そして決行する。最後に生き残ったのは、なんと「負けおじさん」というのんだくれだった。
<開場中>
みな、普通の着たい衣装を着てるんだけど、どこかがすでに未来的である。
Androidや、ロボットがまじってたり、機械のペットを胸ポッケにいれていたり(動いている)。あたまに脳みそ矯正具をつけていたり、軽くバイザーをかけていたり。やたら皮膚が白いやつがいたり、メイクがネジや継ぎ目だったり、銀のテープがTシャツについていたり、被り物が非常に未来的であったり、フィットしすぎる素材をみにつけていたり。
屋台がある。紅白の竹棒やのれんやちょうちん。
「もうすぐ始まりますので、次の休憩まで注文できなくなります。お早めにお申し付けください」
というアナウンスとテロップ
00■始まり
口もとが空いたお面をつけたタキシード風の責任者が登場
責任者:びゃーくしょん!はくしょん!っしょいー
客席と屋台の間に箱をひとつを置く。
責任者、それにのる。
責任者:びゃーくしょん!はくしょん!っしょいー
風邪らしい。
責任者:ぐずず
責任者、太く不格好なろうそくに火をつける。
なかなかつかない。ついた。マッチの棒、どこに捨てようか。
お客さんにわたそうか。もらってくれるだろうか。
音楽が消えて行く、観客は彼の所作を目で追う。
責任者:はくしょん!はくしょん!
万事整い。プロンプター登場。
責任者:OK、照明係、いってみようか。
大袈裟に手をあげ、間をとり
責任者:(指ぱっちん)
暗くなる。ろうそくの灯りのみになる。
責任者:れでぃす、えーんどじぇんとるめんん!!!私、私。
責任者、台詞をプロンプターに頼る。役は毎公演変わる。
責任者:この一座の座長、ベルナルド・ジェセッファニー、ふぁ、ふぁはくしょん!しつれい。紳士淑女のみなみなさま。本日は我々の興行に来ていただき、まことにありがとうございます。今宵はみなさまのために少しばかりの出し物と酒とはっくしょん!
全暗。
責任者:、、、
暗がりから団員たちの声
団員:なんだなんだ。ていでん?ていでん?なに?ていでん?
暗の中、なっかひっくりかえる生音。
責任者:あ、すいません
団員:なんだなんだ。なんかあったな。なんかなんか。
責任者:すいません、あの、すいませんー。いっかいとめてもらっていいですか。
団員1:またあいつか。
団員2:そういう無駄なことばっかやってっと、シェルター行きだぞあいつ。
団員3:な。
責任者:あのーぉ。あのーお
先生:電気!
電気がつくと、みるからに責任者落ち込んでいる
先生、ブレザーかなにかを羽織っている。
責任者:かぜひいいてて
先生:かぜひいてて
責任者:くしゃみとまんなくて
先生:くしゃみとまんなくて
責任者:ろうそくに、かかってぇ、くしゃみ
先生:言い訳はききたくないです。
責任者:先生
先生:なに
責任者:巨乳ですね。
先生:あ?
責任者:パプアニューギニアのパプアって
先生:え?
責任者:「ちぢれ毛」って意味ですね
先生:なに無駄なこと言ってんの
責任者:タモリとみのもんたは同じ誕生日ですね。
先生:え、そうなの?
責任者:浜崎あゆみは最初、浜崎くるみ
先生:ほんと?あ、無駄な情報だよ!ムダ!大丈夫?
責任者:ぐ、ぐあ!あが、あががが!
先生:どうしたの?
責任者、突然もんどりうち苦しみだす
責任者:ぐぎぎぐぎぎぎぎ
先生:裸足のゲンみたいに突然どうしたの!
責任者:ぼ、ぼくの中のなにか無駄なものが、お、大きくなっていくんです先生!
先生:大きく?何がおおきく?(おろおろする)
責任者:ぐぎぎぎぎぐぐぐぎ!!
先生:(服を脱いでみる)わたし役に立てる?たつ?うなじハイ
責任者:先生!あがが!ぐぎぎぎ!どばすばだ!
先生:(抱きついてみる)先生この年まで処女なんだけどぜひ(しがみつく)
野次馬たちによる人垣が出来る
責任者:ぐあああ!!NO!ハレンチ!!(蹴っ飛ばす)
先生:あびょん!!
先生、4メートルほど余計に飛んでいく
野次馬:どよどよどよ
責任者:ああ!絵が描きたい!音楽をかなでたい!酒をのみたい!タバコをすいたい!俳句をひねりたい!小説を書きたい!ぐぎぎぎ!
先生:このなかにお医者さまはいらっしゃいませんかあ!!
屋台嫁:あんた!ほらあんた!(押す)
屋台主:ちっ、しかたねえ。
先生:お医者さまですか?
屋台嫁:あんた!ほらあんた!(押す)
屋台主:今じゃ落ちぶれちまったが昔はこれでも
屋台嫁:(大きなもので殴る)いいからあんた!(診察させる)
責任者:ぐぎぎぎぎぎ!
先生:突然苦しみだして!
屋台主:まちがいない。例の病気だ。
3人:例の病気?
屋台主:下がった方がいい。この病はうつります。
4人、ずざあああっと下がる
4人:(ぼうよみ)最近のは、風邪からくるようだからな!
責任者:ぎぎぎぎぎ!!ちがう!ちがうぞ!あががが!
野次馬たち、足を踏み鳴らしはじめる。
どん、、、どん、、どん、どん、どん、どん、どん、どん
責任者:おれは無駄じゃないぞ!おれは、無駄な人間なんかじゃ、ないぞ!!
野次馬:ムダビトだ(どん)ムダビトだ(どん)ムダビトだ(どん)
責任者:ちがう!
野次馬:ムダビトだ(どん)ムダビトだ(どん)ムダビトだ(どん)
責任者:ちがう!
団員4:また、うちゅうじんが、出たぞ
鐘の音、カランカランカランカランカラン!!
子供心君、登場。
子供心君、大きなハコをかぶっている。顔だけ出てる。
子供心君:大当たりーーーーー!!!!!ハイぼっちゃんからおじいちゃん、おじょうちゃんからおばあちゃんまで、さぁさぁ寄ってらっしゃいみてらっしゃい。世界の不思議、医学の謎ー、ツタンカーメンかドラキュラか奥深い闇にひっそりと眠っていたこの男、なんとなんと平成の終わりに世界を襲った恐怖の流行り病「ムダビト感染症」のキャリア~むっっふふふん
笛の音。ピリリリリリリリリリリィ!
マスクをした保護係たちが来る。腕章に「保護係」
保護係たち:どいてどいてどいてー
責任者:おれは保菌者じゃない!
保護係1:フェイザー
保護係2:レベル(フェイザーという機械を調節<麻痺-加熱-破壊>)
保護係1:「麻痺」
責任者:ただ何か無償に何かを作りたいだけだああああ!
SE(未来的な音)プキャキャキョン
責任者:ギャっ!
保護係2にフェイザーで打たれ、気を失う
*パーソナル・フェイザーは宇宙艦隊が開発した護身用ビーム兵器である
保護係2:確保!(責任者をかつぐ)
保護係3:消毒!!
あたりの人、がんがんファブリーズされる
野次馬:消毒?いいにおい。ふぁぶりーずじゃない?ちがう?
保護係3:ご協力、感謝します。
野次馬:(拍手拍手)
保護係と責任者、屋台の裏へ退場する。
子供心君:ムダな人間は、地中深くのシェルター行き♪
子供心君、客席にかたりかける
まばらになっていく野次馬。
団員8:出し物の練習はどうなるんだ
責任者が用意した箱の上に、責任者用の衣装と帽子
子供心:大丈夫、すぐに代わりがくる♪
プロンプター:はやく、こっちこっち
プロンプターが新しい責任者を連れてくる。
そこにある衣装と帽子をつけさせる。
新責任者、箱にのぼる。ろうそくに火をつける
プロンプター、プロンプ開始
新責任者:、、えーっと、紳士淑女のみなみな、、
子供心君:飛ばして飛ばしてっ
プロンプター:、、、けいたいけいたい
新責任者:えっと携帯電話をOFFに。この後の転換の時間のあいだにでも鳴らないようにしといてください。
プロンプター:きゅうけいきゅうけい
新責任者:途中、休憩が入ります。食べたり飲んだりしてください。
プロンプター:じゃ、行きましょう
新責任者:OK、それじゃ、照明、行ってみようかー
指パッチン、ろうそくの明かりのみ
新責任者:このろうそくが消えると物語が始まります。いきますよ。
静けさ
新責任者:、、、3、、、、2、、、
子供心君がろうそくの前に
子供心:やりたいやりたいやりたい
新責任者:君だれ?
子供心:子供心君
新責任者:は?
子供心:ふーー
全暗。
新責任者:あ。
音楽
01■場転と着替え
じわじわと舞台の全貌が見えてくる。
舞台奥のキャットウォークから、
ランダムに単管がアミダくじ的なデザインで下がっている。
あれに届けばここから出られる
音楽のきっかけで、
紅白の竹棒やのれんやちょうちんが上がっていく
屋台をバラす。パネルは蝶番でつながっている
屋台がばらされるとパネルは壁に寄せられる。
特別な作業服が舞台後ろに整然と並べられている。
演者は全員、その特別な作業着に着替えはじめる。
早めに着替えた役者2人、
ある布を持ってきて。箱の上にのり、
スクリーンを作る。
役者の一人、プロジェクター操作。
プロジェクター映像が、その布スクリーンに投影される。
「キャストロール」
箱ダンス
02■迷った人
監視員の懐中電灯の明かり。見回っている。
監視員:異常なーし。俺の人生、問題なーし。俺のかあちゃんろくでなーし
刑事:あれ?
監視員:ん?
刑事:あれえ?おやあ?
刑事、逆サイドに登場。
監視員:こまるなぁあ。
刑事:あ、警察?さん?
監視員:監視員です。
刑事:ああ、監視員
監視員:こまるよ、勝手にそんなとこ上がられると。
刑事:まよっちゃって
監視員:は?
刑事:あの、そこ、どやっておりればいんですかね
監視員:え?地下?
刑事:はい
監視員:あ、おまえうちゅうじん?
刑事:え?あー、どうでしょう
監視員:どうやって上ったんだよそんなとこ!
刑事:今日、きたばっかで
監視員:ああ、だからスーツか。
刑事:はー
監視員:焦った脱走したかと思った!なんだなんだ焦った焦った。まだ降りてない、そういうことね。
刑事:できるんですか?脱走。
監視員:できない!この10年、地下隔離シェルターから脱出したものは一人もいない。
刑事:へー。
監視員:われわれの目をかいくぐっても、ここまで上るなんて人間には無理だ。
刑事:そうですねぇ。
監視員:おい、はやくこい。撃つぞ。
刑事:でもあのーまよっちゃってー
監視員:ったく。そっち回れ。
監視員ぶつくさ退場しかける
刑事:どうもすみませんー。あ、あのう。
監視員:なんだ?
刑事:明日、おハコさまが視察にいらっしゃいますよね?
監視員:そうだ。ありがたいことだ。
刑事:なにか物騒な噂とか聞きませんか
監視員:なにをだ。
刑事:暗殺とか。
監視員:きかないな
刑事:そうすか
監視員:うん
まわりを見回す。
刑事:文字通り、鉄壁の守りか。
下をのぞく。
刑事:わー、落ちたら死ぬな。
監視員(声:はやくしろ!撃つって言ってんじゃん!
刑事:はーい。監視員は、バカ。
03■地下の様子
定番クラシックが聞こえる(ドナウとか)
めくり「地下」
監視員×2
箱をつくってるやつ×7
エスパー小僧たち×7
頭のおかしな人×5
漫画家と指揮者と詩人と団長計画を練っている。
頭になんか矯正器具のようなものをしている
テレパシーで話し合いながらわりと真剣にまずは体操をしている。
負けおじさんひとり、ちょろちょろしている。
監視員が、コンカリの上を2人いる。
(衣装はパパ日記のスタートレック)
うちゅうじん1:まいにちまいにちはこづくり
うちゅうじん2:いっそ徴兵でもくらってよ
うちゅうじん3:しんじまった方がましかもな。
うちゅうじん4:おれたち、なんのために生きてんだろう
うちゅうじん5:おハコさまに聞けよ
うちゅうじん6:あの方は言うさ
うちゅうじん7:おそれることなどないんですってな
負けおじさん:なにしてんすか?仲良くやりましょう
うちゅうじん組:、、(身体をひるがえし)
負けおじさん:、、、。
無視され、エスパー組へ
負けおじさん:なにしてんすか?仲良くやりましょう
エスパー組:(おびえてすみっこへ)
負けおじさん:、、、、
エスパー小僧1、漫画家にちかづく
漫画家:うーん
エスパーリーダー:ちょんちょん
漫画家:ん?
指揮者:なんだエスパー小僧。
エスパー小僧1、手紙をわたす
詩人:あ、どうも。
漫画家:またかよ。
団長:なにそれ
詩人:エスパー小僧たちの手紙♪
漫画家:なんて?
詩人:えーと、今日は、じゃーん♪
めちゃくちゃっぽい絵。組体操をしている宇宙人の落書き
漫画家:なんだこりゃ。
詩人:上手だねぇ
指揮者:***かな
漫画家:人間が重なっとるのかな。
詩人:エスパー小僧は言葉を使えないから
団長:なんでエスパー小僧なの?
指揮者:エスパーなんだよ、あいつら。
団長:すごい!
指揮者:いや、机から落ちた消しゴムを5センチ引き寄せる程度だから。
団長:あ、無駄だなぁ
指揮者:軍事利用目的で育成されたけど結局使えなかったんだ。
漫画家:あたまおかしい無駄人間どものことはほっとけ。
団長:はいはい
負けおじさん:なにしてんすか?仲良くやりましょう。
アルコールの匂い
漫画家:ん?
指揮者:くせーなおっさん。
詩人:またやったなこれは
団長:酒、医務室から盗んだのか?
負けおじさん:いえいえ、のんでませんのんでません
漫画家:変な薬品飲んでるとなしまいに鼻もげるぞ?
負けおじさん:飲んでません飲んでません
漫画家、キレそうになり、えりくびをつかみ、壁際までつれていく
指揮者:おいおいおいおいおい
漫画家:、、、
手をはなす。相変わらず流れるクラシック
漫画家:人生負けおやじっ、消えてなくなれっ
詩人:あたりが強い
漫画家:はやく徴兵されちまえ
指揮者:まぁまぁ
団長:で。
漫画家:決行は4月1日。つまり、明日。武器は明日届く
3人:うむ
監視員:休憩終了ー!休憩終了ー!ハコつくりーハコつくりー
音楽が消える
うちゅうじん2:いちにのさんっはい!
「作業員たちの歌」
♪くる日もくる日も箱まみれえ
切ったり貼ったり磨いたりー
くるみハルニレとちのきベニヤ
ランバーファイバーコアボード
人間さまのー頼みとあらば、好き好きホルムアルデヒドー
一心同体少女隊、死ぬときゃ一緒に共倒れー♪
歌のあいだに、コンカリのドアに「D-413」という明かり
近未来銃フェイザーライフルを持った鉄仮面威嚇射撃
キャットウォークから拡声器で吠える。
鉄仮面:ううらあああ!威嚇射撃いくぞ踊れえええ
チュドドドチュドドドッドドッーン、ちゅどーん
みんなジタバタおどるように避ける。
鉄仮面:うちゅうじんども!!お前らに歌う権利などない!
漫画家:アイドントライクヒム
詩人:私は彼が嫌いです
鉄仮面:パードン?!!
漫画家:ワット?
指揮者:漫画家てめえ!!
鉄仮面:れっつだーんす!!!
チュドドドチュドドドッドドチュドドドチュドドドッドドッーン
皆、おどりまくる。(ここで監視員2人退場)
指揮者:ふざけんなふざけんなふざんけんな!
漫画家:ごめんなごめんなごめんなソーリー!
鉄仮面:来たる明日!!4月1日バカの日!人様の役にも立てないおまえたちシェルター落ちのムダビトどもにはピッタシの明日!ありがたくも!偉大なるおハコさまがここ、ムダビト隔離地下シェルターD413を視察にいらっしゃる!拍手!
全員拍手
鉄仮面:はいやめ!この奇跡的幸運を祝して、D413地区における地上地下合同発表会が開催されることは、皆、知ってのとおりだ!おハコさまに向かって、黙祷!
全員ざっと、ななめ45度下手方向へ両手でハコマークをつくる。
鉄仮面:おい漫画家!真面目にやれ!
漫画家:なんで俺だけ
詩人:なんかやったの
漫画家:やってねえし。
指揮者:おまえに気がある
漫画家:やめて
団長:へっへっへっへ
鉄仮面:おい班長!
団長:はひぃい!
鉄仮面:出し物の準備はいいんだろうな?
団長:おハコさまお気に入りの寓話「嘘をつく子供」で目下稽古中にございます!
鉄仮面:なんだその岩波文庫的なタイトルは
団長:別名、オオカミ少年、羊飼いとオオカミなどと呼ばれる有名な話です。
鉄仮面:ああ、貴様、ここに来るまえはけちなアマチュア劇団の団長だったのな?以前のようなくだらんムダな劇を作れば、市中引き回しの上打ち首獄門わかっっておろうな!
団長:ははあ!!!
監視員1・2、キャットウォークに登場
監視員1:失礼します!
赤紙を持ってくる。
監視員1:おめでとうございます!4月2日づけで出陣要請です!
鉄仮面:何名だ?
監視員1:10名です!
全員、どよめく
鉄仮面:多いな。(にやり)
監視員1:東アジア戦線への増強!
鉄仮面:番号!
監視員2:12253番以降の10名!
全員:!!!
鉄仮面:前へええええ!!!ふたーっつ!!
ざっ、ざっ。と9名前に出る。団長も入ってる。
団長:、、、、
詩人:、、あ
漫画家:まじか
指揮者:うえー
鉄仮面:数えろ。
監視員1:一人たりません!
鉄仮面:番号!下一桁!3から!
12253:3!
12254:4!
12255:5!
12256:6!
間があく
鉄仮面:、、だれだ?
監視員1:(なにか資料に目を通し)アル中です。
鉄仮面:ちっ、「負けおじさん」か。
監視員2:また医務室のアルコール飲んでぶったおれてます。
鉄仮面:あんなやつ戦争に送ったらニッポンの恥だ。
監視員1:繰り上げ!
監視員2:12264!
12264:まじかよ~
負けおやじ:(イビキ)ごっごっごごごご
12264:負けおやじ、
負けおじさん:(寝言)*******
12264:生きて帰ったら殺してやる
鉄仮面:心配するな。おまえらうちゅうじん歩兵部隊の帰還率は1割りに満たん。拾え。
監視員1、10枚、赤紙を地下に投げ入れる。
漫画家:ブスが
鉄仮面:なにか言ったか?漫画家。
漫画家:いえ、べつに。鉄仮面の優しさに、われわれ漏らさんばかりであります!
全員、いちお、尿意を押さえる動き。
全員:(くにゃっ)
鉄仮面:きょうつけえ!!!
全員気を付け。
鉄仮面:団長、出兵は明後日だ。悔いの残らないように稽古にはげめ。
団長:、、はい
監視員1:(笛)ぴぃいいいいいいいいいい!!!!
鉄仮面:稽古開始。
監視員2:稽古開始だ!
監視員1:稽古開始だあああ!!
笛のおとのなか、
04■劇中劇「羊飼いのうそ」
屋台パネルがいなくなると舞台には頑丈な箱がたくさんある。
高さ40センチのさまざまな大きさ。
みな、稽古の準備をする。みなでハコで丘を作る。
羊飼い役の男、
なんだかおとぎ話のように格好良く丘に登る。ラッパを吹く。
羊飼い:ぱぱらぱっぱぱあ~
羊の群れが出てきてしまって、やたら鳴く。
羊の群れ:めぇめぇめぇめえーめぇめぇめぇー
みな、羊のぬいぐるみを、かぶっている。
羊飼い:草をくえー、草をくえー、おおいにくえー
羊の群れ:むしゃむしゃむしゃむしゃむしゃ
羊飼い:食ったら出せー、子供をつくれー、そして生めー
羊の群れ:めぇめぇ、めえめえめえめえ
みな、そのようにする。
羊飼い:よおしねむれー。
羊の群れ:めええめえめええんめえっめええ
羊飼い:ねむれー。早くねむれー。うるせえーぞーう
羊の群れ:めめえめめめえめめめめえめえうめえ
携帯電話:ちりりんちりりん
羊:!!
羊たち、身構える。
羊飼い:はい、ショップ羊の肉ー
羊たちは思う「この中の一人が、肉になる、、」
羊飼い:はい、一頭ね。固いのやわいの。あ、固いのね。はいー。
携帯電話:ちん
羊たち、自分が柔らかいことを主張する。
羊飼い:おまえだろ。
固い羊:マトーーーーーーーーーン!!
固い羊、時計回りに逃げ出す。
羊飼い:つかまえろお!!!
音楽がなる。
羊たち:めぇめえ!めえめえめえええっめえんめええ!!
仲間を追い回す羊たち。
全員、舞台を回る。
映像が流れる。
「札幌ハムプロジェクト」
羊飼い、丘の上でマイクを取り、立派に台詞を言う
羊飼い:おまえたちはまだいいよ!この果てしない毎日が今日だれかの手によって終わらされるかもしれない恐怖を味わい!生き残ったその喜びをかみしめて眠りにつき!朝日を浴び、草をはみ!その限られた時間の中でつがいを探し、交尾をし、子供を生む!この毎日!この毎日の果てしなさに気づく知能もなく命を使うことができるんだから!追え追え追え!逃げろ逃げろ逃げろ!この瞬間!この瞬間に間違いなく、おまえは生きているんだからー!
固い羊、とうとう捕まる。
なにか大きな刃物。
固い羊:たたた、助けてーー!
羊飼い:ジンギスカンになるんだよ!目的のある死!すばらしいじゃないか!
羊、殺される。血が出る。赤い布を仕込んで、びゅんっとぬいてください。
映像「初の全体興行」
群唱:こうして毎日ただ羊の世話をするばかりで歳を取り、いずれ死ぬのかと思うと、羊飼いの少年はゆううつでした。みんなが働いているから、テレビが言うから。「ぼくはなんのために生きているんだろう」医者はろくな薬をくれません。
子供が羊の群れからでてくる。
子供:ある日、少年は素敵なウソを思いつきました。
群唱:「おおかみがでたぞ!」大人たちは騙されて武器を持ち、真っ赤な顔で走って来ます。そして散々探しまわった挙げ句に疲れ果てて帰ります。「おおかみがでたぞ!おおかみがでたぞ!」面白がって少年は繰り返しウソをつきます。
おじさんが羊の群れからでてくる。
おじさん:ところでこれは街の大人にとっても、素敵なアイデアでした。
群唱:街の大人は、オオカミ狩りの帰りに盛り場に寄り、みんなでビールを飲むのです。運動した後の冷たいビールは最高です。中年で独身の羊飼いの大将は偶然オオカミ狩りで知り会った女性といい思いをしたそうです。
じいさんが羊の群れからでてくる。
じいさん:少年は同じウソに飽きてきました。
群唱:なのに、大人はいつまでも少年のウソを見破ろうとしません。大将なんて「つぎのオオカミはいつでるんだ」と聞いてくる始末です。少年はだんだん腹が立ってきました。そこで少年は、絶対にだれも騙されないような、すぐにばれるようなウソを考えました。
青年が羊の群れからでてくる。
青年:うちゅうじんが、、、でたぞ
群唱というよりは、咆哮
群唱:うちゅうじんが、でたぞおおおおおおおおおおお!!!
わりと楽しいダンスのような動き。
プロジェクター操作。
映像「初の全体興行」「タイトル決定!」「うちゅうじんがでたぞ」
映像挨拶「みなさんこんにちは、ハムプロです。またヘンテコな劇が始まりました。でも安心してください、大事なのは3点、☆一点目、舞台は無駄な人間が集められたシェルター☆二点目、地下にはとくに無駄な人間が隔離されております。☆三点目、無駄な人たちは無駄な劇を作ります。以上3点『地下シェルター』『無駄な人間』『無駄な劇』それだけおさえておけばもう大丈夫。あとは酒やおつまみとともにごゆっくりいおたのしみください。注文は休憩時間にできます」
「<今後のスケジュール>
★前半35分
★休憩15分
★後半40分
★お見送り20分」
05■四代目おハコさまの降臨
キャットウォーク中央に教祖おハコさま登場する。
頭に立方体をかぶっている。
おハコさま、手を降っている。
子供:(マイク)よーい!お経!
全員、ハコ経を有り難そうにもしゃもしゃとなえる。
全員:「うんこだって役には立つさ微生物たちにとってはごちそうだもの花や木虫だって鳥だって哺乳類のギリギリまで地球の一員として価値があるに違いないだがこの人類人類というのはまったくけしからんそういう私ね�在価値といえばその人類の価値のなさを世間に知らしめることにある」かの方はこう思っている。
じょじょに手をあげ、ハコにのぼり、高々とハコマークを頭上に作る。
音楽があがり、ストップモーション
06■戦争が続いている件と、おハコさまの教え
SE戦場音ずだだあ!どごんどごおおおんどんどおおおおん
照明変わる。
全員ハコを持って弾けとび。
ハコ:(子供心君に耳打ち)
子供心君:(マイク)第3次世界大戦が起こり、ニッポンが参戦してもう12年にもなります!この果てなき戦いは一体全体いつまで続くのでしょうか!
兵士たち、口々に戦場音、手にハコを持ち両サイドから、一面づつゆっくり転がして進んでいく。ぶつかると対決し、どちらかを乗り越える。なんだか大陸を攻め取っていく様子。
対決にはカラクリヌードライトが使用される。先にレインボウ出した方が勝ち。
兵士:ずがががが、どばばばば、ずがががが
常にハコは子供心に耳打ちする。
子供心君(マイク):心の箱をあけましょう。せまい宇宙のハコの中、生き死にすらも恐れることはありません。星のカケラから産まれた我々は皆この宇宙の兄弟です。肉体が滅びて土に帰り、星の一部に戻っても魂はこの宇宙を漂います。魂はこの宇宙のハコの中、この世界のハコの中、この心のハコの中。死を恐れることはありません。次なるハコにめぐり逢うまで、ただひとときを過ごすのです。はい、撃ってー!!!
兵士たち:ずがががががが!ばばっばばばば!!
子供心(マイク):生への無駄な欲望を捨て、死の恐怖から逃れるためには、そのハコを、ただそのハコを、ただそのそのハコを作るのです!たたかえーー!!
兵士たち:ずががっがががが!だだだだだ!どどどどどどど!!
子供心君(マイク):がんばれー!どっちも負けるなー!
奥の壁に、戦ってないやつらがねっころがったりすわったりしてりる。指揮者、漫画家、詩人、団長
団長:あーあ、とうとう、赤紙かぁ、、アジア戦線、大変らしいな
漫画家:関係ない。俺たちは戦争へなんか行かないんだから
3人:え?
漫画家:は?
3人:え?
漫画家:おい!「えっ」てなんだよ。おい団長、台本、書き換えてんだろうな?
団長:あ、あれ、本気か?
詩人:ほんとにやる気?
指揮者:おれ冗談だとおもってたー♪
漫画家:おまえらばか!?おれ明日のためにどんだけ準備したと思ってんのよ?!
団長:なんだ、冗談じゃなかったのか?
漫画家:おまえ戦争なんかで死ぬ気か?
団長:うーんと、やだ。
漫画家:ならすぐ書き直せ!明日だぞ?!
指揮者:だって明日エイプリルフールだもの
詩人:嘘かと思った。
漫画家:おれはいつでも本気ですよ。
漫画家、立ち上がる、上をみる、そのちょうど真上におハコさまがいる。
漫画家:首洗ってまっとけーー!!
団長:おいさわぐな、また鉄仮面にやられるぞ
子供心君:なんか視線を感じるなぁ。
漫画家:なにがおハコさまだバカやろううーー!!
指揮者:しーしー!
子供心君:(おハコさまに)聞こえる?聞こえない?
おハコさま:、、?
子供心君:うわ、おまえ酒くせえ!
詩人:まぁまぁ落ち着いて
漫画家:おふくろは、あいつのせいで死んだんだ。アル中の分際で他の女と蒸発しやがった。
団長:あいつって、
詩人:おハコさまのこと?
漫画家:何度も話したろう!!
指揮者:ごめん、あたま、おかしいんだと思ってた。
漫画家:聞け!ばか!
3人:うん
漫画家:武器は今日届く手はずになってる。
詩人:どっから
漫画家:地上からだ。
指揮者:へー。
漫画家:おれは、ここから抜け出して、描くんだ。
団長:少女漫画。
漫画家:そう、少女漫画。
指揮者:(指揮棒をふってる風)かっちょええー♪
漫画家:フラワードリームコミックス連載、読者人気ランキング5年連続第1位売れっ子少女まんが家、小石川清をなめるなよ?
団長:わ。
詩人:へー
指揮者:それ、、
3人:ほんと?
漫画家:おれを、そのへんの凡人と一緒にするな。
兵士たち、この頃には完全にサボっている。
子供心君:あ、さぼるな!はい、たたかえー!!!!
兵士たち:ずばばばばっ!!だがががあががががが!!!!
曲あがり、ブリッジ明かり
07■この時代の日常
ブリッジ明かりの中、次の準備
めくり「地上」
奥様たちが買い物の途中で噂をしている
ロボットがあるいているアンドロイドがあるいている
アイボをつれている。携帯がしゃべっている。
ひとしきり、そういう日常。(衣装は普段着)
奥様1:宇宙からの電波がたまに途切れることがあるらしくって
奥様2:大切なのは値段、質なんて関係なしですの。
奥様3:うちの携帯も最近買い換えどきかしらって
奥様4:旦那が戦地に単身赴任してもう10年。生きてるかしら
奥様5:ともあえ健康は大事ね。太陽から悪い光が出てるから。
皆、むらさきのサングラスをかける。
別の場所にカラフルなランドセルの子供たち
子供1:えーと今日の宿題は親の失敗をまとめ歴史を繰り返さない
子供2:ずっといじくってんだけどさ使い方がいまだにわからないのよね
子供3:やべ、おれ立ってきちゃったよ。せんせい。せんせいのとこいかなきゃ。
子供4:携帯から悪いものが出てるから、いったんそれママに渡せって
皆、薄紫の色メガネをかける
SF作家登場
SF作家:未来だなああ!!うううううん!!みらい!いいなああああ!!みらい!これもみらい!あれもみらい!質問!消費税は?
ロボ:45パー
SF作家:うううん!みらい!AKB48なんてもう96だ!増えたねー!十年まえにこれだけの未来さえ想像出来ておればだ!わたしのSF小説だって売れに売れ!シェルターなんぞにこずに今ごろ座銀赤坂ポンポンギで印税生活も夢じゃなかったのにだ。
子供と奥さまがSF作家に石を投げつける
SF作家:なんだ!石!石はだめだ!やめろ!子供と母親!
奥さま1:のりなさい!
こどもたち:はい!
子供たち、そりにのる。
SF作家:おお!本州の人は絶対驚く!「ソリニ・コドモ・ノセテ・ハコブ」だ!
奥さまたち:ソリニ・コドモ・ノセテ・ハコブ
SF作家:おおお!
奥さまたち:ソリニ・コドモ・ノセテ・ハコブ
SF作家:興奮しちゃうなああ!
奥さま2:やりなさい!
こどもたち:うちゅうじんめ!
再び石をなげつける
SF作家:だめだめ!石は最後!最終兵器!そうとうなことじゃないとダメ!
こども1:目にあまるんだよ!!
SF作家:はい?
こども1:SF作家の星新次だろおまえ?
SF作家:え、あ、うんうん知ってる?ぼく有名?
おくさま3:やりなさい!
こどもたち:うちゅうじんめ!
石をなげられる。たくさん。
SF作家:あああ!むりむり!ああ!!これ!これは無理!大きい!かなり!大きい!
こども2:意味のねえSF書くな!紙の無駄だろ!おまえのせいで今日もジャングルから木が消えていっているんだよ!!毎日毎日原稿用紙まるめやがってこのくず!
SF作家:パソコン派です。
こども3:おまえなんかがWordを使うな!
SF作家:いや、メモ帳ってやつです
こども4:電気を使うなお願いします!おまえらSF作家さえいなければこの国の原子力発電所は一基減るんだよ!夜中まで電気つかってこのバカ!どうせ才能ねえんだから、今さっぱりやめちまえ!
SF作家:しどい
おくさま4:やりなさい!
全員:うちゅうじんめ!
SF作家、今日一番の集中攻撃をくらう
おくさま1:のりなさい!
全員:ソリニ、コドモ、ノセテ、ハコブ、ソリニ、コドモ、ノセテ、ノセテ
SF作家:いたい、、ほんとにいたい。
全員そりにのり散る。
08■腹違いの妹はイラストレーター
死体のように転がっているSF作家
明らかに旅行から帰って来た風のイラストレーター(子供心君)。
武器の入っている旅行鞄を持ってる
イラスト:大丈夫ですか?
SF作家:ほんとに痛いです。
イラスト:4、5年離れた間に、この国はどうなっちまったんですか?
SF作家:今のニッポンではこう考えられているんです。役にもたたぬものなど作り出す、芸術家こそ、無駄であると。
イラスト:なんて世の中だ。かの岡本太郎先生は言っておられます!芸術はいきることそのものだと。
SF作家:しー!しずかに!よく目をこらして見てごらん。
照明暗くなる。両そでのあたりから、
小さな赤い光がうろちょろみえる
SF作家:やつらはいつでも監視しているんだ。あまり下手なことをいうと私のようにマークされる。そうして石を大量に投げつけられる。
イラスト:お気の毒に。
SF作家:これは、うちゅうじん差別です。
イラスト:うちゅうじん?
SF作家:何を考えているかわからん人間のことです。今世紀初頭の言葉ですが。ここ数年でまた浸透しました。
イラスト:なんでまた
SF作家:おハコさまです。
イラスト:あいつ
SF作家:いまや国民の6割がおハコ教です。今や政治家もハコ信者ですよ。おたくは?
イラスト:だれがあんな男の言うことなんか。いっときますけど、あの箱の中身、父ですから。
SF作家:は?
イラスト:父です。お父さんです。おやじです。しかもアル中の。
SF作家:本気で言ってますか
イラスト:あの酒のみの女たらしはね、とんでもないアダルトチルドレンでね。あちこちに子種巻いちゃー、しまいに全部宇宙のせいにして蒸発したんです。「鰯の頭の信心から」ってやつです。箱に頭つっこんで嘘ついてるうちに、とうとう教祖様になったってわけです。
SF作家:あなたのような頭がおかしい人もシェルター行きですよ。
イラスト:これ、母と結婚していったころの写真。
写真みる
SF作家:はっはっはっは、四角くないじゃないですか。
イラスト:(いつもいわれてる)四角かったらばけもんです。
SE雑踏、たくさんの日常。夕方になっていく。
たくさんのロボットやアンドロイドや主婦やコドモや、
家路を急ぐひとたち。(衣装は普段着)
SF作家:人混みに紛れていると、どこかで戦争があることなんて、夢のようですな。
イラスト:でも
SF作家:こうしている間にもたくさんのうちゅうじんたちが、地下シェルターに補充され、じゅんぐり戦争に連れていかれているのです。わたしこそ行くべきではないかと罪悪感にかられます。しかし、銃を構えて人殺しなんて、恐ろしくて。
イラスト:どうすれば地下に行けますか。
SF作家:簡単ですよ。ひとこと叫べばうちゅうじん保護係が飛んできますよ。
イラスト:なんて?
SF作家:(耳打ち)
イラスト:、、まるでオオカミ少年だ。
音楽
09■非常事態宣言についてのニュース
アナウンサー1、2
アナ1:次のニュースです。
アナ2:先程の発表についてお伝えしています。
アナ1:ニッポン内閣総理大臣エヌオーディーエー、NODAが非常事態宣言を発令いたしました。
アナ2:先程のNODAです!
のだ登場、曲あがり消え
NODA:うぃっす野田っすー!
報道陣:ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃしゃ!!
NODA:ハイあしたはー?
報道陣:あした?あしたは、
NODA:SO!4月1日いえーい!
報道陣:あ、い、いえーいいえーい
NODA:明日から、ドンパチ宣言!うちゅーじん大量投入!エイプリルフールはあ♪あ、バカの日!
報道陣:ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃしゃ!!
野田退場
アナ1:ということなんですが筑紫さん。
筑紫:おじいちゃんもニュースキャスター筑紫哲男です。
アナ2:一言でいうと、どうですか。
筑紫:とにかく、がんばって欲しい
アナ3、中継。
アナ3:中継です!NODAがバカで政策の内容がつかみにくいのである人物を待っております!
報道1:きたぞお!!!
報道陣:ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ!!
報道:防衛庁長官・権藤道真(みちざね)長官に突撃しました!
権藤:なんだばかやろう!
報道2:突撃!
報道陣、突撃
報道陣:わああああああああああ
権藤:散れ!散れ!散れ!ふっ、まさか本当に突撃してくるたあ、(見栄切り)ア、おしゃかさまでもぉ、わかるめ
報道3:突撃!
報道陣、突撃
報道陣:わああああああああああ
権藤:ちくしょう!このやろう!多いんだよ!多いんだよ今回は人が!むやみに助走してかかってくるんじゃねええ!
報道4:もう一度お名前をお願いします
権藤:(見栄切り)ア、おれの名前をききぃてええ
報道3:突撃!
報道陣、突撃
報道陣:わああああああああああ
権藤:どけどけどけおらあ!
権藤、前回り受け身。
報道陣:おおおおおおおおお
権藤:明日、4月1日より非常事態体制をレベル5でしくことになりました。目的は東アジア戦線での軍備強化です。
報道5:国民はどう受け止めればよいんでしょうか
権藤:善良な国民のみなさんは、ちーっとも心配する必要はありません。
報道6:というと
権藤:徴兵は今までどおり無駄な人間から行います。
報道7:つまり
権藤:地下シェルターに保護されたうちゅうじんの皆様からです。
報道8:では、なにが強化されるんですか?
権藤:うちゅうじんの捕獲です。
曲ふたたび
権藤:うちゅうじんを発見した方は、すぐにあの言葉をおねがいします。皆さんの密告が、明日からのニッポンをささえるのです。
報道:ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ!
アナ1:以上中継でした!
アナ2:ということなんですが筑紫さん
筑紫:ぼくは最近、自分なりの挨拶をつくっているんです。
アナ1:それではまた来週
筑紫:ぱらっぽうー(さよならの意味)
アナ2:エンディングの途中ですが中継です!
アナ1:アメリカ共和国大統領より声明です!
大統領登場
曲あがり、消える
大統領:*******(なんかいう)
曲ふたたび
報道:PASHA,PASHA,PASHA
10■ハムプロ裁判
木槌の音。カーーーーーン!
コンカリの上に裁判官がいる。
自前の作業灯をつける。
裁判長:静粛に!静粛に!
ハムプロの団員が一人、だれかにひったてられ、台の上にのぼらされているのが、屋台の隙間からみえる。
裁判長:それでは裁判を始めます。
原告側:*****君は、人類にとって必要がなく無価値であり、つまり無駄であります。
弁護士:意義あり!かわいそうだ!良いやつです!
裁判長:却下します。続けて。
原告側:*****君は、普段から無駄なところがあります。
たとえば、怒られると悟った時の「ごめんなさい」が異様に早くてかえって反感をかったり、話を聞いてないだろうという相手にたいし「え、きいてますよ?なになにがなになにってことですよねぇ」などとただ相手の発言を繰り返し神経を逆撫でしたり、「もう一生二度としません」と一生に何度も誓っては破ったり、「やめようかと思うんだ」と特に女の子に相談するうちに甘え、触ろうとします。
*****君:異議あり!!
裁判長:却下します!それでは、判決をくだします。原告側の*****君は「不必要」であり「無価値」は言い過ぎとします。
*****君:ほっ
裁判長:しかし、「ムダビト感染症」の恐れありという社会的見地から*****君に地下シェルターへの隔離を命じます。
*****君:シェルター?!!
保護係2、3人が羽交い締めにして、つれていく。
*****君:なんで!なんでだよ!おれは役者になりたいだけだあああ!!!
11■エスカレート・時間の許す限り、コント。
カランカランカランカラン!
子供心君、ベルをならしながら再び。
子供心君:以来、ニッポンは混乱しまして。みな、徴兵されたくないばっかりに、あらゆる場面で相手に無駄ビト症候群の疑いをかけ、お互いを陥れる戦いが始まりました。
●疑心
さっき家路を急いでいただけの町のひとたち、
今度はお互いに疑いながら生活している
たくさんのロボットやアンドロイドや主婦やコドモ
●授業
めくり「授業」
先生:無駄、とは、役にたたないこと、かいがないこと。をさします。皆さんも無駄という烙印を押されないように、この言葉を正しく理解することから始めましょう。
生徒:先生、学校の授業にも無駄なものがあるとおもいます。
教師:はい、ということで、国語、算数、理科、社会、体育、音楽、美術などのうち、不必要な教科を投票してもらいました。
生徒:不必要な教師はシェルター行きですか?
教師:不必要な教科に選ばれた上位3名の先生、どうぞ。
音楽:音楽の河合です
美術:美術の森脇です
道徳:書道の柏木です
教師:じゃ、せーの、
生徒たち:うちゅうじんが、でたぞーーーー!
保護係:つかまえろおおおお!!
音楽
みな、そっちの方を好奇の目で見る。
ストップモーション
●合唱団
めくり「合唱団」
リーダー:こんなんじゃ合唱輪唱コンクール予選すら通らない。足ひっぱる人は、レギュラーからはずすから。
1、2、3、4、5:はい
ダメ:はい!
こいつ、だめなんだろうなぁって奴がいる。
♪静かな湖畔の森の影からもう起きちゃいっかがとカッコウが鳴くーカコーうーカコーウカコっカコっカコーう
だめなやつ、音はずす
リーダー:必要ないわ。無価値!音ずれたらもう歌ちがうからね?やるきないならどっかいってくれ!休憩!
リーダー、退場。
1:おまえもう地下シェルター行きだわ
2、3、4、5:はははは
1:おいパン買ってこいよ
2:あたしも
3:あたしもー
4:牛乳つきね
5:はやくいけ、オンチ。
だめ:うちゅうじんがでたぞ
5人:え?
保護係:つかまえろー!
大勢:わあああああああああ
●わらっちゃう。
めくり「わらっちゃう」
係長:会社ひまだから遊ぼうか。
OL:なにすんですか
係長:途中で笑っちゃう遊びしよう。
OL:なんですか?
係長:これ面白いんだよ。なにか言ってる途中で笑ってみるんだ。
OL:なに言ってるんですか係長。
係長:ちょっと君。前やったよな?
バイト君:はい
係長:やってみせる。
OL:はぁ
係長:うまく行ったら時給アップな
バイト君:やった。
係長:じゃはじめ。あーやれやれ。そろそろあがるかー。
バイト君:わかりました。かたづけますね。
係長:あ、すまん。ついでにちょっと、このごみすててきてくれなああっはっはっへへはっはっはっは
バイト:このゴミ、捨ててくるればいんですかっはっはははっはっは
係長:そうだそうだ、彼女にたのんだらばっはっはは、おねがいしまっははっふっふ
バイト:じゃ、ちょっとこれお願いしますっふっふっふ
OL:そんな突然ふられてもできませんてっばっはっはははっは
係長:できてるっできてるよっほっほほう
バイト:うまいうまいですねっあなたっはっっはっは
OL:ありがとございまっはっはっはっは
係長:やー、こんな無駄なこと見られたら、シェルターいきだなっはっは
走りぬける課長
課長:うちゅうじんがでたぞ(退場)
3人:(追う)おああああああああああ
保護係:つかまえろお
大勢:おおおおおおおおお
●目薬をさす
めくり「目薬」
男、目薬をさす。キャップを机におく。
男:(さす)
男、目薬がこぼれないように、キャップを探している。
ともだち、キャップを違うものにとりかえる
男:(まちがえる)
ともだち:(音もなく爆笑)
男:(ともだちをなぐる)
ともだち:(泣く)
男:無駄なことすんなよ。
声:うちゅうじんがでたぞー!!
保護係:つかまえろお
大勢:おおおおおおおおお
ともだち:わああああ
ともだち逃げるが捕まる
●劇団
めくり「劇団」
劇団員たちが稽古場にいる。
ハイミー、のどぼとけ、宿屋、演出、ブス
3人:あかんぼあまいなありるれろ
演出:はいおっけい、じゃー、エチュードいこっかー。記録よろしっくう♪
ブス:ふぁい♪
ハイミー:チッ(舌打ち)
のどぼとけ:やめろ
ハイミー:ブスっ
のどぼとけ:やめろ
ハイミー:ブスと演出はできてる
のどぼとけ:やめろって!
演出:じゃ、人物とシチュエーションはそのままで。えーと、ここは?
ブス:難民キャンプです。
演出:ハイミーが
ハイミー:豆腐屋です
演出:のどぼとけは?
のどぼとけ:20世紀から来た少年です
演出:宿屋が?
宿屋:ホテルマン
ブス:はーい。シチュエーションは******です。
演出:よーい、ずっこーん。
エチュードが2、3分行われる
演出:はい。終了
ブス:うちゅうじんがでたぞ(なにかの理由で指さす)
指された奴:えええええええ
保護係:つかまえろお
大勢:おおおおおおおおお
●アメリカンジョーク
めくり「アメリカンジョーク」
男:これ、アメリカンジョーク
女:読めばいいんですか?
男:うん。
女:アメリカンジョーク、
旦那が鏡の前に立ち、こう言った。
「あと5センチあれば文句ないのに」
女房が言った。「私も毎晩そう思うわ」
男:、、、、
女:、、、、
男:、、、
女:うちゅうじんがでたぞ
男:あ
保護係:つかまえろお
大勢:おおおおおおおおお
●結婚してよ
めくり「けっこん」
女:コドモできたから結婚してよ
男:やだ、ほんとに俺の子か
女:ちがうかも
二人:うちゅうじんがでたぞ
大勢:おおおおおおおおおおおおお
●ファン
めくり「ファン」
ここはマクドナルド。
監視員1、2、マックシェイクを飲んでる所を
ファンにからまれている
ファン:だーせ!だーせ!こっこからだーせ!
監視員1:はい?
小石川ファン、出版されている少女漫画(はなとゆめ風)を出す。
ファン:フラワードリームコミックス出版「大丈夫、だから一人で行ってくれ」最新巻第10巻!未完のままシェルター入りされたという少女漫画家の小石川清先生を解放しろ!だーせ!だーせ!こっこからだーせ!え、読んだことねーのか?!死ね!いっぺん死ね!
監視員1:もういいやー
監視員2:うちゅうじんがでたぞ
保護係:つかまえろ
大勢:おおおおおおおおおおおおおおお
ファン:あああああああ
監視員1、2なにごとも無かったかのようにマックシェイクを飲む
■審査会
負けおじさんの夢
負けおじさん:、、、レイ子?
負けおじさんの娘、娘は「無駄撲滅委員会」審査会の人たちにぐるりと取り囲まれている。
審査2:あなたのお父親の話をきいているんですよ
娘:あまり関わりがなかったもので
審査3:高校生の頃に離婚されてます
審査4:お気の毒。
娘:いえ
審査5:それまでは一緒に暮らしていたでしょう
娘:あまり家にいないようでしたので。
審査6:酒はどうかね
娘:飲んでいたようです。
一同、大きなタメイキ
審査8:禁煙ブームも過去の話だ。
審査9:今じゃタバコなんて買う馬鹿はいない
審査10:どうかしていたとか言えん。
審査11:わざわざ無駄なものを生産し消費させ中毒にし需要を生むんだ。
審査12:どこかの金儲けに国民のほとんどがのせられたのだ。
審査13:よりによって身体を蝕むものをどうして服用するのかね。
審査14:禁酒ブームだって下火になっているんだよ。
審査15:なぜか。
審査16:ほとんどの国民はもう酒を必要としていないからだ。
審査17:太古の昔は、つらい労働から精神的に解放されるためだった
審査18:多くのことをためした。
審査19:無駄なことだ。
審査20:そう。
審査21:無駄で無価値で非生産的で粗悪だった。
審査22:あれからずいぶん経った。
審査23:ニッポンは変わっている。
審査24:われわれは学んだのだ。
審査1:無駄なく生きるという意味を。
審査3:必要なものは健全な魂、それだけだ。
審査4:で。
審査1:どうかね。
審査2:どうかね?
審査3:答えたまえ。君の父親の話だ。
審査1:あれは、この社会に必要かな?
娘:、、、いえ。
審査2:記録してくれ。
審査1:もう一度
娘:いえ。
審査1:そうか。
娘:少なくとも、私には。
審査1:必要がない
娘:、、、
審査2:それでいいかね。
娘:、、、はい。
審査1:これにて、審問会をおわる。
負けおじさん:レイ子!レイ子ー!
●劇団2
めくり「劇団その2」
さっきのエチュードの終わりころ
指された一人、減ってる
演出:はい。終了。はい感想。
役者:結構、よかったかなーって。
演出:ふっざけんでねこのぁ!!そったらもんで演劇っちゅえんべやあ!なんたらこつしちくりてんだりさ!おみゃーらむっぎゃあ、あかんちゅる、けすくせ?しとんばかりんばばりみだばや?!ほおいほおい、おまんちゃたろごえ、かもかもな?れいっちゅめいかあ、ばーばりーだんて!てば!てば!てば!
他の団員123が走り込んでくる。演出をとりかこむ
演出:え、無駄じゃないって!なまってるだけじゃん!なまってんだもんおれ!ほんとは!
ブス:ほんと?
演出:うそ
ブス:もう
団員1:まずいっす!もう無理っす
演出:なんだ裏切るのかおまえら
団員2:!もう劇団やってるだけで、だめだって!
演出:は?なにいってんだよ!
団員4、走ってくる。
団員4:来た!逃げて!
演出:灯り消せ!
団員3:全暗!
暗カットイン。懐中電灯の明かり
演出:逃げろおおおおおおお!!
大勢:おおおおおおおおおおお
たくさんの保護係が突入してきた。
笛の音鳴り響きぴぃいぃぃぃ!ぴりりりりりぃ!!!!
12■新参者たち集結
クラシック音楽。
コンカリの後ろのドアが開く。外からの照明が漏れる
イラスト、
門番:はいってろ!無駄人間!
イラストレーター、門番に蹴りいれられる。
すでに、作業着を来ている。いちおあらがう。
イラスト:岡本太郎大先生いわく!芸術はちょうど毎日の食べ物と同じように人間の生命にとって欠くことのできない、絶対的な必要物、むしろ、生きることそのものである!すべての人が現在、瞬間瞬間の生き甲斐、自信を持たなければいけない、そのよろこびが芸術であり、それらが表現されたものを芸術作品と呼んでいるだけだ!うぉおおおおお!!!!うおおおおおお!!!
皆さん:おおおおおおお(拍手)
みな作業着の芸術家たちがさきにいる。
わかりやすく、芸術用具を持っている。
バンド:また増えた。(ギター。ZO3)
写真家:ほんとだ。(カメラ)
刑事:どうも(普段着)
役者:ちわっす!(ジャージ女)
ニート:うるさいよ君(DS)
役者:さーせん!
ニート:ニートです。
ファン:(漫画の10巻を持って先生の横にいる)ファンです。
漫画家:いやあ。
指揮者:ほんとだったんだ
団長&詩人:な。
バンド:バンドマンです。ギターをちょっと。
写真家:あたし写真。
役者:役者っす!
指揮者:最近は、アート系は根こそぎだな。
詩人:芸術家は戦争中には真っ先に必要なくなるって。
指揮者:うん。
詩人:よく言うじゃん。
団長:よくいうの?
漫画家、たちあがり、新人の輪に行く。
漫画家:あー、ごほん。ま、新入り諸君、楽にしてくだされ。あ、ときに。
新入り:?
漫画家-�まりたてのところ、まことに申し訳ないのだが。
新入り:、、はい
漫画家:最近新しくめちゃくちゃな挨拶を考えたものがいたら、ぜひ、私にあいさつしてくれたまえよ。
全員(イラスト以外):は?
漫画家:そゆことで。
漫画家、もどってくる。すわる。
イラスト:、、、、、
団長:なにいってんの漫画家
指揮者:あたまおかしくなりましたか♪
詩人:新しいあいさつ?
漫画家:るさい。(ごろん)
団長:おい、武器いつ届くんだよ。もうすぐ就寝時間だぞ。
漫画家:まってろって。
指揮者:逃げ出すんじゃねーのかよ。
漫画家:顔わかんねーんだよ。
団長:だれの?
漫画家:妹。
団長:は?
漫画家:腹違いの。
3人:は?
組体操をしているエスパー小僧たち
漫画家:なー。
詩人:ん?
漫画家:あいつらなにしてんだ
詩人:組体操
漫画家:組体操?
詩人:たぶん。
指揮者:なんか必死だよね、ここんとこ。
団長:聞いてみたら?
指揮者:しゃべんないじゃん。
漫画家:こいつら同士だけテレパシーあるんて。
団長:つかえん(笑)
負けおじさん、さらによっぱらって。
負けおじさん:なにしてんすか?仲良くやりましょう
漫画家:死ね!!!!
詩人:だから、あたりが強いってば。
漫画家:むかつくんだよ。
指揮者:ほら、りらっくすりらーっくす。
漫画家:、、、おい、詩人。俺たちの脱獄のための詞はかけたか?
詩人:うん(ルーズリーフ)タラーン
3人のぞきこむ。読んでから。
団長:おお、、ちょっと感動した、、。
詩人:ふふふふふ
漫画家:いいですねぇ
指揮者:おれ音楽つけてもいい?
詩人:いいよう
団長:やっぱいいよな!ゲージツはさ!不必要なんて、だれが言ったんだか。おい、君たちも見なさい!!ほら!(と新人たちにまわす)あとはこの指揮者であらせらっしゃる河合カラヤン豊先生が曲にするそうだ!いよ!カラヤン!
イラストレーター、寄ってくる。漫画家の肩をちょんちょん
イラスト:やんぼじゃ。(こんにちは)
漫画家:?
イラスト:やんぼじゃ。(こんにちは)
漫画家:、、、やんぼじゃ(こんにちわ、、)
イラスト:やんぼじゃまがるるんばぼるんばぼるんばぼるんそぺぺいるうぷら。(とかなんとか)
まわり:は?
漫画家:やんぼじゃまがるるんばぼるんばぼるんばぼるんそぺぺいるうぷら。(とかなんとか)
まわり:へ?!
二人:やんぼじゃまがるるんばぼるんばぼるんばぼるんそぺぺいるうぷら。(とかなんとか)
ふたり、がっちり握手
指揮者:なにこれ!?
ニート:え?はやってんのあれ?はやってる?
漫画家&イラスト:合言葉です
全員:おおおお!!
漫画家:紹介する。腹違いの妹、
イラスト:世界にはばたくイラストレーター・小石川パコです。
役者:あの!高校在学中に落書きをブログにアップして!
ファン:有名プロデューサーの目に止まり一世を風靡したというあの!
ニート:波の子供で「はこ」をあえて「パ」と読ませてパコの!
漫画家:フラワードリームコミックス連載、読者人気ランキング5年連続第1位売れっ子少女まんが家、小石川清とその妹をなめるなよ?
ファン:
写真:一枚お願いします!
写真をみんなで撮る。ぱしゃあ!
漫画家、イラストレーターをひっぱっていき
漫画家:で、武器は?
イラストレーターりょこうかばんを開ける。
イラスト:意外とずさんでびっくりした。
漫画家:よし。
イラスト:作戦は、こうだ。
背後に刑事
刑事:ここの公務員は、バカばっかりだなぁ。
あわてて、鞄を閉めるイラストレーター
漫画家:あんたは?
刑事:なんの取り柄もない、凡人ですよ。
音楽、ブリッジ明かり
13■休憩10分
音楽とブリッジ明かりの間にセッティング開始。
休憩になると、また酒や食べ物が売られる。
14■幼稚園の先生だった鉄仮面
落語のめくりに、「地上、6年前」
紙芝居「オオカミ少年」を持っている幼稚園の先生。
先生:そして、嘘つきのオオカミ少年を信じる人はいなくなりました。村の人は何を言っても無視します。さ、さみしすぎる。羊たちに話かけてもメェとしか答えません。少年は羊毛にまみれ、孤独死しました。はい、おしまい。
メガトンポンチョの園児が5、6人かけこんでくる
園児たち:うわああああああああい!!
佳子:どういう意味?今の?
由美:ピーナツバター先生今のどういう意味?
先生:つまり、うそをついてはけませんよーって。はい、お話は終わり。窓を開けて、今日もシェルターの太陽恵みに感謝しましょーう。
忠太:あ、資源回収車だ。
資源回収員(声:(拡声器)こちらは資源回収車です。
先生:日常日常、平和な日常。
5人:日常日常、平和な日常!
資源回収車
資源回収員:ご不要になりましたスピーカー・アンプ・ギター・テレビ・ムダな人、ございましたら、こちらまで合図願います。
屋台嫁:うちの人。感染しちゃったみたい。
資源回収:つかまえろお!!
保護係たちありったけ:おおおおおお!!
と退場する。
屋台嫁:あんたーーーー!!
保護係:しゅっ(ファブリーズ)
屋台嫁、退場。
先生:日常日常、平和な日常。
5人:日常日常、平和な日常!
忠太:ぼくのちんこはまだちんこいよ
正義:今日パンティなにいろ
あき:黒
正義:うぉおおおおおお
佳子:ピーナツバター先生あいつまたエロいこと聞いてくるー!
正義:なんでエロいことばっかり考えちゃうんだ俺
忠太:でもエロいこと考えてると幸せだよな
正義:いえす!
佳子:ジェッセファニー先生エロいこと考えておとされた?
園児たち:えろえろえーろ♪ピーナツバターぬってなめて(’-’*)♪えろえろえーろ
先生:聞いて皆(おハコ様敬愛のポーズ。手でハコをつくる)。
全員、スッと立ち膝、手でハコ。よく調教されている
先生:確かにジェッセファニー先生は毎日、わたしの裸を想像しました。けどそれは、男性が私を目のまえにすれば、しかたのないことなの。
由美:ほんとに?
先生:確かにジェッセファニー先生は地下シェルターに堕ちました。けどそれは、エロいこととは関係ないの。
あき:ほんとに?
先生:その証拠に先生はエロい。先生は処女だからなおさら。24時間というもの、エロいことしか考えていないわ。
正義:どんなこと?
先生:例えば(耳打ち)
正義:(しあわせ気絶)
佳子:あ、気絶!しあわせそう!
忠太:おれもおれもおれも!!
先生:(耳打ち)
忠太:?、、それって(耳打ち)?
先生:(恥じらいうなづき)
忠太:(しあわせ気絶)
あき:恥じらいうなづき!しあわせ気絶!
学生服にベレー帽の漫画家がやってくる。
3人:男子えろーーい!
先生:まいっちんぐ
漫画家:おや?
由美:ジェッセファニー先生帰ってくる?
先生:病気が治って、また清い心に戻れば帰ってこられるでしょう。
佳子:いつ帰ってくる?
先生:いのりましょう。おハコさまに。
先生と園児、気絶者も含め、ハコ祈り。
漫画家:ちょっと。
先生:きゃあ!(胸を隠す)ちょっと!人が祈りを捧げているところに突然。出てって!出てってよ!
漫画家:あのー
先生:言っておきます。処女です!
漫画家:なんだなんだなんだなんだ。
先生:男ときたら!すぐ裸を想像する!もう!
漫画家:ぬれぎぬだし。
園児と先生退場、とちゅうふりかえり
先生:あたしたち、最悪の出逢いね!
漫画家:それはまるで雷のように突然の夕立のように、夕立の中の落雷。恋は落雷。ラブイズサンダー。ラブラブボンバー。この胸のときめきは、この心のメラメラは、きっと恋ってやつなんだ!僕はその一瞬で気づいたのさ。この恋は終わらないって。ずっときっと永遠に続く一生に一度の恋なんだって!小石清!じゃっかん18歳!このとき!!恋のコの字を知りました!姿勢ただしてえ!
先生:いただきます!!
漫画家:え?わああああああ
クラシック音楽の中、
漫画家、先生に脱がされる。
出演者たち、箱で幻想てきなダンス。
彼と彼女をつつむ。
そして出来上がるベッド。
かけぶとんはプロジェクターの布
肩をだす二人。先生に腕枕の漫画家。
先生:(タバコ)ふー。よかったよ。
漫画家:すやすやすやすや
先生、起こさないように腕を抜き、退場、ベッドの裏へ。
漫画家:カレンさん。カレンさん?
先生(声:いるよーう
漫画家:ああ、居たのか。よかった。
先生(声:おきた?きよぴん
漫画家:ねえカレンさん。
先生(声:なにー?
漫画家:ずっと一緒にくらそうよ。
先生(声:、、、
漫画家:あれ?カレンさん?
先生(声:、、、
漫画家:ずっと、一緒に暮らそうよ。
鉄仮面(声:(拡声器)っていったのに。
漫画家:あれ?
鉄仮面:(拡声器)ずっと一緒に暮らそうよ
生音、バン!!!
漫画家:!!?
びしっと、ベッドに亀裂が走り。
鉄仮面:っていっただろおおおおお!!!!!
SEずだだばばばばどびゃがががっがががっががあああ
粉々に弾けとんでいくベッド、その向こうに、鉄仮面。
漫画家:カレンさん。
かっこいいうちゅうじんポンチョの大勢
幻影たち:ずっと 一緒にくらそうよ。そう言った!!!
漫画家:うわああああああああああああああああああああ!!
暗
15■4月1日
漫画家:うわわわああ!
ファン:大丈夫ですか?
明、みんな、至近距離でのぞいている。
漫画家:うわ近い!近い!近い!
ファン:大丈夫ですか?
イラスト:うなされてたみたいですけど。
漫画家:え?ほんと?
役者:人うなされてんのリアルにみたの初かも。ちょっと興奮
詩人:なんの夢?
漫画家:わすれた
指揮者:わすれるんだよね。人間は。
キャットウォークに鉄仮面、監視員1、2
鉄仮面:はいぐっどもーにんぐれっつだーーんす!!!!
SEずだだだだだだだ
鉄仮面:おハコさまへ黙祷!
黙祷
鉄仮面:本日4月1日午後13時より、いよいよおハコさまがいらっしゃる!全員、気合いをいれて午前のカリキュラムをこなし、すみずみまで掃除をし、出し物の本番にのぞむように!おい団長、劇の準備はどうだ?
5人:!!
鉄仮面:、、、、期待しているぞ
鉄仮面、監視員1、2退場
団長:ばれてねえ?
イラスト:だれかに聞かれた?
指揮者:かもしれん
詩人:やめる?
漫画家:いや。予定通りだ。
4人:(うなづく)
*最初の羊の肉は、負けおじさんにしてください
16■作戦開始
指揮者:おじさん。ちょおどよかった。
負けおじさん:ん?
漫画家:今日は飲んでないんだな。
負けおじさん:あ、あのー、今日はほら、おはこさまくるから。うん
団長:なんだ負けおやじもいちお信者かよ。
負けおじさん:ほら、レイ子が。ほら、娘がほら薦めてくれてて。うん。いちお。ほら、これ、娘、そしてほら、手紙。最近、子供が生まれたんだって。ほら。
3人:あああああみえないみえないみえない
手、めちゃめちゃふるえてる。
負けおじさん:酒のまないと、ふるえるから。
漫画家:そうかそりゃ大変だ。おい
団長:じゃじゃじゃーん!
団長の手に酒瓶
負けおじさん:!!ああ!酒!ほんもの!どっから?(じゅるる)
指揮者:はい、のんで
負けおじさん:ほんと?ああ、これはこれはありがたい、、
飲もうとする、けどやめる
負けおじさん:いや!!だめ
団長:え?なんで?
負けおじさん:あの、テレビうつるかもしれないから、今日。おじさん。
指揮者:は?
漫画家:なにいってんだ
負けおじさん:みっともないから。孫もみてるし。テレビ。
指揮者:はあ?!
負けおじさん:せっかくだけど、うん。じゃね。
漫画家:ばかか?テレビなんておっさんうつるわけねえだろ?のめほら!好きなんだろ?酒。ないと生きてけねえんだろ?なにが「みっともねえ」だよ。その存在からじゅうぶんみっともねえんだから。のめほら!のめ!
負けおじさん:でもあの、、あのー
漫画家:おまえみたいな役立たずが今日、役にたつかもしれねんだからよ?
負けおじさん:だめ、おじさん、今日は、負けない。
漫画家:!!!
キレた。一発、腹をなぐる。
団長:あ、おい!目立つ!
漫画家:おい、指揮者
指揮者:いいの?
漫画家:隠せよ。
指揮者、キャットウォークの影になるところまでつれていき、ぼこぼこにする。おと、生音
クラシック音楽
17■自己紹介
パチパチパチパチパチパチパチパチ
1:さあ、今日も変わらず新しい仲間が増えましたから自己紹介します。では私から。こんにちわバジリコです。
ニート:バジリコ?
2:パエリアです
3:にぼしです
4:田舎みそです
5:とんこつです
6:おちゃっぱです
10:ぽんずです
11:ピーナツバターです
12:ターメリックです。
ニート:あの、ちょっとすいません
1:なんですか
ニート:あの、ちょっと
1:早かったですかすみません。
ニート:ええと
1:バジリコ
2:パエリア
3:にぼし
4:田舎みそ
5:とんこつ
6:おちゃっぱ
10:ぽんず
11:シーチキン
12:ターメリック
14:キャノーラ油
ニート:すいません
1:なんですか
ニート:あの、名前って、
1:いやいや一度に全部覚えろとは、いいませんって。
全員:はっはっはっはっは
15:なめ茸です
16:プリングルスです
17:みそぱんです
7:柿ピーです
13:チェダーチーズです。
ニート:ちょっとのみこめないんだけど。
1:ここでは本名なんていらないんだよ
ニート:え?
またデタラメな名前がつづく
18■負けおじさん。
負けおじさん、ボロボロになりつつも復活。
酒を呑んでいる。
負けおじさん:がんばーれ、がんっーばーれ、さっけのーむなぁー、いまはーがまんだ、わがまっま
詩人:負けおじさん。
イラスト:あ、この人?
負けおじさん:これ、あんたの詩ね。いいですね。仲良くやりましょう。
詩人:ごめんね。
負けおじさん:はい?
二人:おーい
キャットウォークに監視員1
監視員1:ん?
イラスト:酒、のんでるぞー
負けおじさん:でれんぼーう
監視員1:そこうごくなあ!!
ぴりっりいりりいりいりりーーー!!
と監視員2が飛んできて、一発なぐり、連れていく。
19■わらいかた
1:それでは、ホログラムプログラムによる今日のリクリエーションです。
SE(転送)ぼやーーん
子供心君登場、拡声器
子供心君:では、口周りの筋肉が柔らかくなるように発声練習。なるべく大きな声で「ハ、ハ」「ヒ、ヒ」と2回づつ。
全員やらされる
子供心君:では、スマイルをつくってみる。スマイルをつくったら、口角を両手の人差し指で固定。口元の筋肉は戻ろうとするので、しっかりとおさえる。
全員、変な顔
子供心君:次に口角を人差し指で固定したまま口を思いきりすぼめる。これを小中大のスマイルで。まずは小さなスマイル。
全員:にい、うう
子供心君:中くらいのスマイル
全員:にいい、ううう
子供心君:そして大きなスマイル
全員:にいいいいい、ううううう
子供心君:最後に自分の好きな笑顔をつくってみる。はい、好きな笑顔。
みな満面の笑顔、でもない。
漫画家、イラスト、指揮者、団長、詩人
奥のキャットウォーク下にいる。
漫画家:おい、ニート
ニート:なに?
指揮者:あの男がさ、
ニート:どの男。
団長:あいつあいつ。
下手にぽつんとカリキュラムの見学をしてる、刑事
指揮者:おまえのことバカにしてたよ。
ニート:なんて?
5人:ニートだって。
ニート:、、、、バカにしやがって。
5人:にやり
場転。クラシック音楽があがる。
20■刑事と携帯
刑事:あれ?携帯、、どこ行った?おい、携帯!おれの!おい、どこ行った携帯。
携帯電話、登場する。被り物。顔がスマホ。DOCOMO。体スーツ
刑事:どこいってんだよ勝手によ
DOCOMO:すみません。
刑事:最近の携帯はなんでもできるなぁってよ
DOCOMO:できます。
刑事:足とか手とか必要なのかおい
DOCOMO:必要っす。(マイム)
刑事:NOMORE映画泥棒みたいになってんぞ
いちおやる
刑事:やるならちゃんとやれ
DOCOMO:おれソニーっす
刑事:製造元のせいにすんじゃねえ。
DOCOMO:あ、
刑事:なんだ
DOCOMO:着信ありました。
刑事:(あせる)えええ!!はやくいえはやく!携帯だろ!?
DOCOMO:すません
刑事:だれから?
DOCOMO:奥さんです。
刑事:やっぱなぁ、、。留守電は?
DOCOMO:あります。映像だしますか。
刑事:、、、いちお。
DOCOMO:投影開始
刑事妻、つかつかやってきて、腕組み。
刑事:?
刑事妻:、、、、、、、、、、
刑事妻、完全にキレて、目が死んでいる。
DOCOMO:ぶつ、つー、つー、つー
刑事:終わりか?
DOCOMO:はい
刑事:なにも言わない留守電とか法律で禁止してくれねえかなぁ。恐怖映像でしかない
DOCOMO:メールが届いています。
刑事:誰から
DOCOMO:奥さんです。
刑事:何通?
DOCOMO:20、25。今また増えました。読みますか。
刑事:どうせ白紙だろ
DOCOMO:はい
刑事:呪いかちくしょう
DOCOMO:大変ですね
刑事:大変なんだよおれも
DOCOMO:そうですね
刑事:携帯に話しかけるようになっちゃ、もう終わりだな
DOCOMO:ですね。
刑事、おちこむ
刑事:こういう落ち込んだ気分のときはテレビ。どさんこワイドみちゃおう。かけたらー、まーん!(こぶしを高々)
DOCOMO:(いちお、こぶしを高々)受信できません
刑事:げげ。げげげ。
クラシック音楽
21■水拭きとニートの言い分
それではー、いちについてよーい。水拭き!
みんなで水拭きが始まる。
クラシックの中、優雅に大掃除。
しばらくして
団長:はじまった。
指揮者:まじー?
漫画家:おし
ニートと刑事、喧嘩してる。
ニート:いっとくけどな!ニートは哲学だ!
刑事:こんな強気のニート、初めてみたな。
ニート:あ、なにその優越感。
刑事:なにいってんだおまえ。
ニート:おれと同くらいの歳?結婚してる?わりとちゃんとしてきたでしょ。安心してる。システムのなかで。社会の部品の一部。
刑事:きみはどうしてニートなわけ?情けないとは思わんのか
ニート:どうして働いていることが誇らしいんですか?
刑事:はなしにならんな。
ニート:考えたことあります?どうしてはたらく?
刑事:金が必要だからだよ。
ニート:満員電車に揺られてストレスにまみれて家じゃ上司の悪口と仕事の愚痴をかみさんに言おうとしたら安月給に文句言われて子供がそれ見てはやばや人生やる気無くすとか。
団長:あれ、だれの話?
ニート:なんのために働いてなんのために生きてんすか?生きてるなって実感します?それほんとに必要なことですか?
刑事:あたまがおかしいんだな。
ニート:おかしいよそりゃ!あんたおかしくないとおもってんの?それが一番おかしいんだよ?普通とかまともとか、ちゃんとするとか。そんなのただの符号だから!そんなもん身体のあちこちに縫い付けたってね!心の底の不安はいつまで経ってもぬぐえないんですよ?ああ、安心してる!それは危険なことだよ?だからこの場所の異様さに、この世界のいびつさに気付いてないんだ!!
刑事:どうにかしてくれよこいつ!
ニート:また!人を下に見て優位にたって安心しようとする!
刑事:うるさいいいいいい!!!!!そもそも戦争になったんだから、おまえらのような無駄な人間たちこそ徴兵されてしかるべきだ!!街にはロボットやアンドロイドがひしめき、携帯電話と手を繋いで歩くこの時代に芸術などという前時代的な思考はこの世から抹消してもらいたい。まともな国民のほとんどはそう考えている!この話はもう終わりだ!!!きさまら不真面目な人間には理解できない!このなかで!!まともなのは、必要とされる人間は俺だけだ!!!!
漫画家:よしあおれ!
指揮者:ふっざけんじゃねーぞこのやろー!
信者:やんのかやんのかこのやろうー!
漫画家:なーにしやがーーーるうおおおおお
イラスト:やいのやいのやいのやいのやい!!
団長:これでもくらえええええ!!!
5人、手当たり次第に喧嘩をふっかける。
もう、おおさわぎ。
せっかくしまった石や、ぞうきん、いろんなものが飛び交う
22■おりてきた!
監視員1、監視員2、鉄仮面
鉄仮面:撃て!
SEずだだだだだだーーーん!!どどおっどおお!
鉄仮面:だめだ、おりろ!!
いったん引っ込み、
イラスト:おりてきた!
指揮者:きもちいい!おれの指揮棒びんびんだぁ!!
漫画家:たのむぞ団長
団長:一世一代の大芝居!!!
SEずだだだだだだーーーん!!どどおっどおお!
鉄仮面:ほらしずかにしろおお!!!!
SEずだだだだだだーーーん!!どどおっどおお!
やっと静まる
鉄仮面:、、今日はおハコさまがいらっしゃるというのに、、いったい、なんのさわぎだ。
団長:(泣き)おおおおいおいおいおい!おおおいおいおいおい!!
イラスト:うわ、泣いてる。
漫画家:泣いてるな。
指揮者:へたじゃね?
詩人:うん
鉄仮面:どうした、なにを嘆いている。
団長:ああ、鉄仮面さま管理官さま!絶望です!わたしは!このような足並みのそろわぬ状態の中、おハコさまにお見せするに値する演劇を行う自信がござらぬ!
漫画家:江戸時代だな。
詩人:ござらぬ
鉄仮面:そちの言い分もあいわかった。
5人:(小声)応えた!
団長:ありがたきありがたき光栄にございまする!(泣き)おおおおいおいおいおい!おおおいおいおいおい!!
イラスト:うわ、泣いてる。
漫画家:泣いてるな。
指揮者:あれいらなくね?
詩人:うん
鉄仮面:どうすればよい?
団長:つきましては!!本番の前に今一度、今一度稽古をさせていただきたくぞんじます!
監視員1:いかがなされます?
監視員2:との!
監視員1:との!
全員:ご決断を!
鉄仮面:ううううううううん、許可!
全員:わああああ
23■代役
団長:しかし、こまりました。
鉄仮面:どうした?
団長:せっかくの最後の稽古なのに一人、欠員が出てしまいまして
鉄仮面:だれだ
漫画家:負けおじさんです。
団長:このままでは最後の稽古に自信が持てません。
鉄仮面:たしかにそうだ。
団長:そこで、提案が、、、あります。
鉄仮面:、、、提案?
団長:おい、漫画家
緊張。
漫画家:鉄仮面さま、代役をお願いできませんでしょうか?
鉄仮面:だいやく?
漫画家:羊の役がひとつ足りないのです。
鉄仮面:うーーん、いいよ?
まんざらでもない
「羊飼いのうそ」はじまる
冒頭と同じくみんな、ハコで丘を作る。
漫画家、羊飼いになる、登り、ラッパを吹く。
羊飼い:ぱぱらぱっぱぱあ~
羊の群れが出てきてしまって、やたら鳴く。
羊の群れ:めぇめぇめぇめえーめぇめぇめぇー
鉄仮面:あ、めえめえめえめえめえ
みな、羊のぬいぐるみを、かぶっている。
羊飼い:草をくえー、草をくえー、おおいにくえー
羊飼い:食ったら出せー、子供をつくれー、そして生めー
携帯電話:ちりりんちりりん
羊:!!
羊たち、身構える。
羊飼い:はい、ショップ羊の肉ー
団長:はい、羊たちは思う。せーの
羊たち:「この中の一人が、肉になる、、」
鉄仮面:お、ここ、昨日と違うな?
団長:書き直しました
鉄仮面:いいじゃんいいじゃん
団長:この後、かなり大幅に書き換えております。
鉄仮面:楽しみ。
羊飼い:やれやれ、おまえらときたら、普段はなにも考えずに草をはんでいるというのに、いざ死ぬとなると命が惜しいのかい?
羊飼い:はい、一頭ね。固いのやわいの。あ、固いのね。はいー。
携帯電話:ちん
羊たち、自分が柔らかいことを主張する。
羊飼い:おまえだろ。
鉄仮面:え?あたし?
羊飼い:あと、あいつとあいつ。
監視員1・2:え?
羊飼い:おさえつけろおおお
鉄仮面監視員1・2:マトーーーーーーーーン!
仲間たち:やれえええ!!!
音楽
羊飼い:おまえたちはまだいいよ!この果てしない毎日が今日だれかの手によって終わらされるかもしれない恐怖を味わい!生き残ったその喜びをかみしめて眠りにつき!朝日を浴び、草をはみ!その限られた時間の中でつがいを探し、交尾をし、子供を生む!この毎日!この毎日の果てしなさに気づく知能もなく命を使うことができるんだから!追え追え追え!逃げろ逃げろ逃げろ!この瞬間!この瞬間に間違いなく、おまえは生きているんだからー!
3人とうとう捕まる。
羊飼い:おい刃物!
キャリーバッグの2重底にしこまれていた
なにか大きな刃物。
鉄仮面:たたた、助けてーー!
羊飼い:ジンギスカンになるんだよ!目的のある死!すばらしいじゃないか!
鉄仮面を、斬る。音楽、とまる。
鉄仮面:きよ、、、、ぴん。
漫画家:え?
24■
刑事:はいカットおおおおおおおおおおおお!!!
刑事、銃をかまえている。
5人:え
銃声(生音がこのましい)、バン。火薬のにおい
指揮者:え?
漫画家:おややあ?
漫画家、丘にたおれこみ、丘のハコをくずす。
団長:漫画家!
イラスト:おにいちゃん!!!!
ファン:小石川先生!!
羊飼いの衣装があり、それに血。
詩人:いやああああああああああ
刑事
刑事:えーと、漫画家小石川清、おまえをおハコさま殺害計画の首謀者と断定し、逮捕する。ま、もしも生きていたらだが。えーと、イラストレーター小石川パコを危険物持ち込み、および共犯うんたらの罪で逮捕。あとは?
みな、パッと監視員1、2、を離す。
刑事:はい、潜入捜査でした。金田悪太、刑事であります。まーまー芸術家の皆さんはそろいもそろって狂暴だ。ねぇ、おハコさま。
おハコさま、ロボットのように登場する。
手をふるおハコさま人形。
刑事:あなたの息子さんと、娘さんだそうですが、ねぇおハコさま。
おハコさま:、、、、
刑事:あれ?思考補助ホログラムは?
おハコさま:手をふる
刑事:、、、あーあ。また壊れたか。
銃声、バン!!
おハコさま:あーーーーー。
ハコと服を残して落ちる。ぼとん。
全員:ああ!
あたまに、エスパー小僧のような制御装置がついてる
全員:、、、
イラスト、ちかよって見る。
イラスト:、、、これ、お父さんじゃない。
漫画家:、、だれだそいつ。
みな、かけよってく。
指揮者:だれだこれ、、
うちゅうじん1:あ、こいつ、前ここにいた、うちゅうじんだ。
うちゅうじん2:ああ、たしか、役者だった。アル中の。
役者:役者?
刑事:お前らの親父な、もう10年も前にアルコールで頭おかしくなってビルから飛び降りて死んでんだわ。
漫画家イラスト:え
刑事:でも、国の政策上、ハコ教使わないと日本人の統制なんてちょっと厳しいからさ。はやってたから。でボディだけ適当なの�らんでさ、思考はほら思考補助ホログラム、子供心君ね。肉体というハコにデジタルの魂をのせてたと、そういうわけだ。おい、はやく、次の身体と、ホログラム探してこい。おい、担架。
監視員1、2:は、はい。
監視員、担架とりにいく
刑事:結局この視察も、どっちかっつーと危険分子をつぶす目的なわけよ。あ、だめ?ぜんぜんついてこれてない?ま、いいや。おい、携帯。DOCOMO。
DOCOMO:はい。
刑事:爆破。
DOCOMO:は?
刑事:爆破だよ爆破。このシェルターごと。うちの嫁にメールでいえ。おれね職場結婚でね、嫁より位が低いんだよね。
担架到着、のせる
監視員1:のせました!
刑事:あ、焼却ねそれ。完全に。
監視員2:はい
退場
刑事:おまえの言うとおり、もうストレスまみれでどうにか生きてますよ。なんのため?知らねえよ!そういうムダなこと考えるから!おまえらこんなとこいれられちゃうんだよーだ!
DOCOMO:奥さまからメールの返信です。
刑事:どうせ「了解しました」だろ
DOCOMO:いえ、「今日は一緒に帰りましょう」ですって。
刑事:え?
DOCOMO:ひゅうひゅー
刑事:まじで?
DOCOMO:まじです
刑事:ふっはっはっは!聞いたかニート!こういう日だってあるんだよ!3年に一回くらいな!!
監視員もどる。
監視員1:焼却しました。
刑事:大義であった。この事は国家機密だ!守れるか?
間
監視員1・2:はい!(合わない)
バン、バン!!
刑事:そこは間とっちゃだめだ。
DOCOMO:爆破許可でました。指紋認証。
刑事、指紋認証
DOCOMO:アイリス認証
刑事、網膜認証
DOCOMO:一致。コマンド入力
刑事:第123シェルター爆破
DOCOMO:カウントダウン開始。
うぃーーーんうぃーーーんうぃーーーん
刑事:よし。じゃ、携帯、じゃあな。
DOCOMO:え、わたしは?
刑事:だめだめ処分処分。通話履歴とかありすぎだからおまえ。
DOCOMO:えーー。
団長:ちょっとまった!おれたちは?
刑事:生き埋め。
全員:えええええええええええ
指揮者:なんだと?!
団長:いきうめ?
刑事:しかたないんだって
役者:この若さでしにたくない!
刑事:遅かれ早かれ徴兵されるだろーおまえらなんて。
ニート:えやーーーー!!!おれを、たおしてからいけ。
刑事:めんどくせえな時間ねんだよ
エスパー小僧もたちあがる。
刑事:なんか言えよおまえらは
漫画家、立ち上がる。
漫画家:ふざけんな。
刑事:お、丈夫だね。
漫画家:なめんな、おれは少女漫画、つづき、かくんだ。
ファン:小石川せんせい!!!
イラスト:あたしもあたしの絵をまってるファンがたくさんいるんだから。
漫画家:凡人と一緒にすんじゃねえ
刑事:きずついたなぁ、、いまの。
漫画家:なんだよ、公務員
刑事:じゃ、きずつけるよ?おれも。
イラスト:なに
刑事:おたくらの漫画やイラストが売れたのはハコ親父のコネだよ?
ハコ教の信者がいつも買い漁ってるから、年間1位なんだよ。おまえの漫画。
漫画家:え?、、、、
鉄仮面:うそじゃねえよ。な?
ファン:いや!あの!最初は、最初はそうだったけど!でも今は大好きです5巻くらいから特に!ほんとです!ねえ??
役者:ああたしかに、最初の3巻までは相当きびしかったけど、今はもう、普通。
刑事:おまえ信者?
ニート:いえ。
刑事:読んだことあんの?
ニート:いちお。
刑事:おもしろいかこいつの
ニート:ああ、えっと、、1巻の最初しか読んでない。
刑事:おまえなんて、そもそもしってるか?こいつの
写真:、、すいません。
刑事:おまえの漫画、面白くて売れたんじゃないってこと。(ファンに)かばんみせろほら
イラストレーターの画集がでてくる。
刑事:もう、おふだ代わりだな。おまえら以外には有名な話。おハコさま、自殺の直前におまえらの絵やマンガを買い漁るように指示がとんだんだよ。家庭を捨てた。罪滅ぼしかね。
イラストレーター、絵をふみつける。ふみつける。ふみつける
イラスト:、、、、うわあああ。もーー、あたし、だめだー。
ふみつける、ふみつける、ふみつける
刑事:ま、世の中なんてそんなもんだ。さいなら。
ニート:よいしょ!!(刺す)
刑事:あ、おまえニートのくせに
死ぬ。
ニート:勝った!国家公務員に、かった!かった!わー!あ、人殺しちゃった!わーー(落ち込む)
DOCOMO:みんな、あたまおかしんだな
漫画家:ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!!
役者:、、そりゃ、ショックだな。
指揮者:自分の才能じゃなく、憎んだ親父の力だったなんて。
ファン:ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい
団長:ま、戦場でしぬか、ここで死ぬかの差だな。
詩人:うん。
イラスト:なにが!P・A・C・O!パコだ!
充満する、虚無
負けおじさん
負けおじさん:ん?どうしました?みなさん、仲良くやりましょう
イラスト:それどこじゃねえよ!それ!どころじゃ!うわーーーん!!
負けおじさん:なんかグラグラする。
DOCOMO:自爆システム作動中です。
負けおじさん:じばく?
DOCOMO:はいみんなこのまま生き埋め
負けおじさん:あららら、だめだだめだそれは。ひっく
全員:?
負けおじさん:おれ、てれびうつんなきゃいけないから。孫うまれたから。いちお。どうしよう?あっち、いむしつにおおきなあなぼこできてたけど、あれなに?ねえ、お酒ありませんか?なにしてますか?ねえ、なかよくやりましょう。
DOCOMO:不思議だなぁ、このアルコール中毒患者が、いちばんまともにみえる。おおくの人間は、おろかで、よくぶかで、バカで、分別がなく、衝動的だ。
音楽
みな、しばらく考え込む
漫画家:逃げるぞ。
団長:え。
指揮者:でも、出口
漫画家:おいDOCOMO
DOCOMO:GPS機能搭載。
漫画家:全員で逃げるんだ。負けおじさん!
負けおじさん:え
漫画家:あなぼこ、つれってってくれ
負けおじさん:酒ですか?
漫画家:そうだ!おら団長!先頭いけ!DOCOMO!おまえも
DOCOMO:はいな
団長:いくぞ!まけおやじ!
負けおじさん:さけ?
漫画家:指揮者!これ!
指揮者:おれたちの応援歌!
詩人:いこう!
漫画家:すこしやすんでいくから。ほらニート
ニート:おっけいー!ほら詩人、いくぞ
監視員12:うう
漫画家:ほら、あいつらもつれてってやれよエスパー小僧
エスパー小僧たち:ふん
写真:いこう!
ファン:でもせんせい
漫画家:だいじょうぶ、だから、ひとりでいってくれ
ファン:うおおおおお(号泣)
役者:ほらこいや!!
漫画家と鉄仮面に照明
漫画家:、、、いててて
漫画家、鉄仮面を取ろうと手をのばす。
鉄仮面:漫画が売れてあなたはあたしを捨てた。
漫画家:わ�生きてたんだ。
鉄仮面:べりべりべりべりべり
鉄仮面、マスクを取る。漫画家、驚く様子でもなく
漫画家:カレンさん
鉄仮面:覚えてくれたのね。きよぴん
漫画家:ひさしぶり
鉄仮面:ひさしぶり
漫画家:ぼくのまんがは読んでくれてる
鉄仮面:もちろん毎号、欠かすことなく。
漫画家:ぼくのファンってことにしといてくれる
鉄仮面:もっとたくさん必要なんじゃないの
漫画家:一人いれば十分だって
鉄仮面:あの漫画、結局だれがたすかるの?
漫画家:だれだと思う?
ゴゴゴゴゴゴゴゴオゴオ
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たくさん台本を書いてきましたが、そろそろ色々と人生のあれこれに、それこれされていくのを感じています。サポートいただけると作家としての延命措置となる可能性もございます。 ご奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。