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馬花 156 仲間 2年15組



「美愛お兄ちゃん、行こう」
「レディニルツ、さっきの男どう思った?」
「うん?普通の人でしょ。違うの?」
「うん、邪心がの」
邪心?
「病んでおるかもしれんの」


・・・・




「ストックの花、食いてーな」
「ストック?」
「なんだそれはストループ」




縞馬ストループの話に耳を傾ける犀のアンクナット

「愛の花だ。その昔、浮気がちなマーという雌馬がいた。恋馬の雄馬、パーは殆ホトホト手を焼いていたんだ。だがな、パーはストックの花に秘められた力を感じていた。その花に目を遣ると邪心が取り払われる心になったそうな」
「ふむ。それで」
「パーはマーをそのストックの花咲く場所へ連れて行った。それから共にストックの花を食べたそうな」
「ほう。それで」
「マーの縞々シマシマなここ、、間違えた。邪ヨコシマな心は完全に取り払われ、2頭の愛絆は永遠になったんだ」
「へえ。作り話だろ」
「まあ、伝説だ。今はこの山にはストックの花が咲いている場所はない筈だ」
「探したのか」
「まあ、な」
「へえ、意外とロマンチストなんだな。ストループ」
「まあな」

「シクシク」


「ネックロス、泣いてる!」
「えっ!泣くとこあったか、今!」
「感動なぎパイ」


・・・・



おい!


なあ、お前たち
ちょっと寄っていかないか
ウチ


お兄ちゃん

うむ、、、よし


「ああ。悪いな。呼び止めて」
「どうしました」
「いや、ちょっとな」
「大丈夫ですか」
ナオトとレディニルツが会話する
注意深く様子を窺うミアイ

「ああ、何かコーヒーでも飲むか」
「あっじゃあお茶を」
「お茶、お茶。ああ、すまん。お茶がなくて。酒ならあるんだが」
「お水でいいです」
「そうか、水なら。少し待っててくれ」


裏手にある川に水を汲みに行くナオト
「水だ」
「ありがとうございます」
一口飲るミアイとLADYNIRⅡ

「おいしい!おいしいお水ですね」
「ああ、100%天然水だから」
「1人で住んでるんですか?」
「いや、もう1人いる」
「今は出かけてるんですか」
「うん。たぶん」
「たぶん?」
「友達がな。アイツが俺を捨てる訳ないんだ。ああ、そうだろ!だってずっと一緒に住んでたんだ!!みんな俺を、俺をさ!」

不安定な男に、
驚くレディニルツ
ミアイがレディニルツの肩を叩く

「行こう。レディニルツ」
「で、でも・・」
「だめだ、行くぞれ!」
バタン!
強引にレディニルツを連れ出す美愛

「お兄ちゃん。可哀想だよ。あの人」
「イカン。邪気が漂っている。関わってはならん」


でも、なんかかわいそう





おい、おまえたちまで



・・・・



はあはあ


おい、お前クマ


大丈夫か

うう、だ、だいじょうぶ

死にそうだな
助けてやる
歩けるか

あ、ああ
歩ける



行こう



注意深く


下を向いて歩く


ほら、



影は、

お前は、


前向き、じゃないか




着いたぞ




キサマ、キサマ様

ん?ワエハか?



弱ってる熊を連れてきました

ほう



同類かと思いまして、
助けました

ほう、ある意味
同類じゃな


名は?

花美留

ほっほ

仲間じゃ















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