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【FaB】パワー幻術士です(HNT期CC)

♪(イントロ)

パワー!(パワー) パワー!(パワー)
パワー幻術士です

♪(間奏)

攻撃は最大の防御
押せ押せ押せ 押しまくれ

疲れ切った体(Fatigue)でも
Chi合い一発で再点火

燃えるぜ まだまだ
焼き尽くすぜ アグロ

Miragai「暴れたらねえ 暴れたんねえよ!」

♪(間奏)

パワー!(パワー) パワー!(パワー)
パワー(パワー)パワー(パワー)パワー(パワー)パワー(パワー)
パワー幻術士です

※ヘッダー画像 出典:「テニスの王子様」第20巻 78ページ (作:許斐剛)


概要

 HNT期のRoad to Nationalsにて《Enigma, Ledger of Ancestry/祖先の記録者、エニグマ》を使用し、複数回の挑戦の末に権利獲得に成功しました。
本記事では使用デッキリストの最新形と、それに基づいた採用理由やプレイングについて述べます。
 リストの変遷やRtNシーズンの戦績については別途記事を作成予定です。

 Enigmaというヒーローの基本的な知識については割愛させていただきます。先達の記事等をご覧いただければと思います。

デッキリスト

 コンセプトというか念頭にあったのは「攻撃は最大の防御」という感覚です。Enigmaにしては青が少なめです。それでも27枚です。

防御リアクションが3種9枚入っているのはただの防御寄りデッキじゃないんすかね?
「こんなのEnigmaじゃないわ!青の増えたIllusionistよ!」「だったら(Phantasmで)殴ればいいだろ!」

構築・プレイングの前提

個別カード解説の前に、Enigmaというヒーローに対する自分の前提認識をまとめます。

①Enigmaが最も強いのはライフレース最終盤

 Ward/結界オーラ(以下、Wardオーラ)で攻撃を行うことの強みは、強い武器を有しているヒーローと全く同じです。即ち、手札の質に左右されず、毎ターン安定して優れた表現価値での攻撃を行えるということです。

オーラは名実共に武器なので時々謎の相互作用が発生する、皇威の兜とか

 しかし、Wardオーラはダメージを肩代わりして破壊されてしまうため、複数ターンにわたってWardオーラを維持するためには以下のどちらかまたは両方が必要です。
・相手のターンごとの攻撃総ダメージ数・回数が少ない
・自分が出せる防御点数・回数が多い
 後者は、デッキの構築を極端に防御に寄せることで向上することも可能です。しかし前者は相手のデッキに大きく左右され、特にアグロとされるデッキは、こちらがいくら防御に寄せても守りきれないほどのダメージ・攻撃回数を叩き出してくるが普通です。

 そんな中で、どのようなデッキ相手でも、前者の条件を達成しやすいタイミングが存在します。それはライフレース最終盤、お互いのライフが1桁になっているようなタイミングです。
 手札を防御に使わなくてはゲームに敗北することが確定する場合、アグロデッキですら、手札を一部防御に回し、残った手札で攻撃を行います。その時、前者の条件は達成され、相手の攻め手が弱くなり、Wardオーラは維持しやすくなり、表現価値を繰り返し稼ぎやすくなります。
 そのためにはEnigmaとしては、ライフを同等〜ちょっと有利な状態で、ライフレース最終盤に持ち込みたい、ということになります。したがってEnigmaにとって、その局面に持ち込むまでのカード、即ち攻撃で高い表現価値を出せる殴りカードは大事!です。

②オーラを強く使うにはオーラの採用枚数を減らすべき

 先述の通り、Wardオーラが(Wardオーラであるというだけで)明確に強いのは、特定の有利マッチを除き、基本的にライフレース最終盤のみです。なのでゲームの序盤中盤は、表現価値を度外視してまでWardオーラを使う必要がなく、他に高い表現価値が出る行動があるのであればそちらを優先すべきです。従って、表現価値が特別高くないオーラの採用枚数を増やす理由がありません。
 また、インスタントのオーラは防御値がありません。そのため、ライフレース最終盤で3枚防御、1枚気ピッチでEnigma効果起動して霊気の盾攻撃、といった動きをしたい時に、1コスト以上のインスタントオーラは防御に出しにくいです。自分が強い動きのできるゲーム展開になった時に弱くなってしまうカードは避けたいため、採用を減らします。

Three VisitsはGoldやSilverでピッチしまくってワンキルするデッキで最強だったので例外

③幻術士は攻撃に秀でている

 Enigmaの防御的な印象と裏腹に、Illusionist/幻術士というクラスは攻撃に秀でています。その肝が「Phantasm」というデメリットキーワードと、それを持つことにより許された高い表現価値です。
 特にHNT期においてはPhantasmの天敵であるBrute/野人クラスのヒーローが非常に少ないため、Phantasmを持つ高効率の攻撃アクションカードを非常に活用しやすい状況にあります。(Guardian/守護者クラスにもPhantasmは弱いですが、代わりにEnigmaのWardオーラに頼った攻撃スタイルがGuardianクラスに対して非常に有利です。)

Phantasmは簡単に破壊されてしまう恐ろしいデメリットなので表現価値+2点の上乗せをもらって相殺している ほんとに相殺してるって言っていいんですか?

高表現価値プレイパターン一覧

 カード単位の採用理由説明の前に、Enigmaが実現可能な高表現価値のプレイパターンについて述べます。
 表現価値についてはGoAgainMedia様の記事が明快ですのでご参照ください。

「FaBは表現価値の高いプレイを積み重ねて勝つゲームである」という前提は、あまりに明快かつ重要です。しかし実際に「表現価値の高いプレイ」とはなんなのかは、意識的に考える必要があります。
 特に、1枚で成立するカード(《Snatch》など)の表現価値はわかりやすいですが、複数枚組み合わせて使うカードや、Wardのような攻防の両方で表現価値を考慮する必要のあるカードは、漫然とプレイしているだけでは強さがわかりません。
 あらかじめ表現価値を計算するなどして、どのプレイが強いのかを検討しておくことで、プレイ中の選択の質を向上することができます。

 以下には、Enigmaにおける、カード1枚あたり4点以上の表現価値のプレイを列挙します。
 Wardオーラについては、破壊されずに自分のターンを複数回迎えた場合、表現価値が無限大に発散しますが、ここでは攻撃に使った返しの相手のターンでそのままダメージ軽減に用いて破壊されるものとします。
「4↓点」という表記は、最大4点分の表現価値、を意味します。Wardは1点以上のダメージを受ける際にそれを軽減し破壊されるため、例えばWard 4のオーラは、軽減に関して4点の表現価値を発揮できない場合があります。

①Miragai(強)

モンスターではない……Auraだ!!

必要カード:《Manifestation of Miragai》,《Inner Chi》, 任意のカード
プレイ:《Inner Chi》をピッチして《Miragai》をプレイ、+1カウンターが4つ乗った状態で場に出る。任意のカードをピッチして《Miragai》で攻撃。

表現価値
攻撃:8点続行
軽減:4↓点軽減
平均値:(8+4)点/3枚=4.0点/枚(+1AP)
※攻撃リソースをTunicから確保したり、青ピッチで余ったリソースを別の攻撃に活用したりした場合、それをカード1枚の代わりに《Miragai》の表現価値から1リソース=1点分引くという形で表現すると、以下のようになる。
(8+4-1)点/2枚=5.5点/枚

②Coalescenceコンボ(1)

天の原 ふりさけ見れば 春日なる
それにつけても +1カウンターの欲しさよ

必要カード:《Spectral Manifestations》赤, 《Restless Coalescence》, 青のカード
プレイ:青をピッチして2リソースで《Spectral Manifestations》赤をプレイ。+1カウンターが3つ乗った霊気の盾トークンで攻撃、4点続行。その後《Restless Coalescence》をプレイし、全ての+1カウンターを《Coalescence》に移動。残った1リソースを使い《Coalescence》で攻撃、5点続行。
攻撃後ターン終了前、および相手のターンにそれぞれ、《Coalescence》のInstant起動効果を起動。+1カウンターを取り除き、霊気の盾トークンを生成する。

表現価値
攻撃:4点続行, 5点続行=9点
軽減:1点+2↓点+1点+1点=5点
平均値:(9+5)点/3枚=4.67点/枚(+1AP)

③Coalescenceコンボ(2)

この度は 幣もとりあへず 手向山
それにつけても +1カウンターの欲しさよ

必要カード:《Astral Etchings》赤, 《Restless Coalescence》, 青のカード, 腕装備《Calming Gesture》
プレイ:青をピッチして1リソースで《Calming Gesture》を起動して霊気の盾を生成。《Astral Etchings》赤をインスタントとしてプレイし、生成した霊気の盾に+1カウンターを3つ乗せる。その霊気の盾トークンで攻撃、4点続行。その後《Restless Coalescence》をプレイし、全ての+1カウンターを《Coalescence》に移動。以降はコンボ(1)と同じ。

表現価値
攻撃:4点続行, 5点続行=9点
軽減:1点+2↓点+1点+1点=5点
平均値:(9+5)点/3枚=4.67点/枚(+1AP)
※装備品を1枚表現価値2点と見做す場合、装備品の損耗により合計表現価値を2点減算すると以下の通り。
(9+5-2)点/3枚=4.0点/枚(+1AP)

④Phantasmaclasm

Phantasmは思想だ

必要カード:《Phantasmaclasm》、青のカード

表現価値
攻撃:9点
平均値:9点/2枚=4.5点/枚

⑤Miraging Metamorph + Tunic

母の形見のTunicのカウンターをはずす理由をお知りになりたい?

必要カード:《Miraging Metamorph》, カウンターが3つ乗った《Fyendal's Spring Tunic》
プレイ:《Fyendal's Spring Tunic》を起動し1リソースを獲得。Miraging Metamorphをプレイ。

表現価値
攻撃:7点
平均値:7.0点/枚
※《Tunic》から確保したリソース分を、表現価値から1リソース=1点分引くという形で表現すると、以下のようになる。
平均値:(7-1)点/1枚=6.0点/枚

⑥Spear×2 + Metamorph

Phantasmはいつでもやってくる

必要カード:《Spear of Surreality》2枚, 《Miraging Metamorph》, 青のカード

表現価値
攻撃:5点続行, 5点続行, 7点
平均値:17/4=4.25点/枚
※《Miraging Metamorph》の代わりに《Levels of Enlightenment》をプレイして、モードに「+2点」を選ぶと、少し下がって以下の表現価値となる。
攻撃:5点続行, 5点続行, 5点
平均値:15/4=3.75点/枚

⑦Miragai(最強)

真祖・ミラガイ!!

必要カード:《Manifestation of Miragai》,《Inner Chi》, 《Astral Etchings》赤, 青のカード, 腕装備《Calming Gesture》
プレイ:《Inner Chi》をピッチして《Manifestation of Miragai》をプレイ、+1カウンターが4つ乗った状態で場に出る。青のカードをピッチして《Miragai》で攻撃。ダメージ前に、残った2リソースを使い、まず《Calming Gesture》で霊気の盾を生成、それによりインスタントタイミングでプレイ可能になった《Astral Etchings》赤をプレイ、《Manifestation of Miragai》を対象に取って+1カウンターを3つ乗せる(Ward 7, 攻撃力14)。ダメージ後、霊気の盾で攻撃。

表現価値
攻撃:14点続行, 1点
軽減:7↓点軽減
平均値:(15+7)点/4枚=5.5点/枚
※実際はもう少し価値は低い。まず装備品を1枚表現価値2点と見做す。そして、Ward 7の《Manifestation of Miaragai》が7点軽減してくれることはほぼ無く、アグロの一発である4点の軽減に消費されると考える。その場合以下の通り。
(15+4-2)点/4枚=4.25点/枚(+1AP)

 以上を見ていただくと、結構な表現価値を出せるパターンがいくらかあるというのがわかります。
 手札要求が厳しい⑥の《Spear》連打より④の単品《Phantasmaclasm》の方がダメージ効率は良いなど、興味深い結果です。最も後者は残りの手札を1枚3点で2枚分防御していることが多く、手札4枚の表現価値合計を考えると⑥の方が流石に強いです。
 そこへ来て②のCoalescenceコンボ(1)は、4枚目を防御3点と考えても4枚要求の⑥に並ぶ表現価値であり、積極的に狙う価値がある優れた行動であることがわかります。
 ここに挙げたような動きができそうな際には、防御にカードを回さずに、攻撃に使えるように取っておくということも重要となります。

構築思想

 以上の長々とした前提をお読みいただきありがとうございます。
 こうした背景から、今回紹介するデッキリスト(再掲)は、次のような意図で作成されています。

・アグロにダメージレースで劣らないようにしたい=扱いやすく強いPhantasmの攻撃を3種採用。IraやZen, Vynnset程度のPopper(パワー6以上の攻撃アクションカード)採用枚数の相手には場合によってはサイドアウトせず、慎重を期しますがプレイします。サイドアウトを検討する場合、デッキに残す優先度は《Phantasmaclasm》が最も高く、《Spears of Surreality》と《Miraging Metamorph》は相手により優先度が上下します。
・同上の理由で、《Restless Coalescence》が絡むコンボの成立パターンを増やすよう注力。《Spectral Manifestations》赤と《Astral Etchings》赤を3枚ずつ採用し、後者を腕《Calming Gesture》でサポートします。
・DRは9枚体制。APを使わず容易に表現価値1枚4点を達成できる優れたカード群です。DRが腐る相手は大概Wardオーラで複数殴れる有利マッチなのでそこも問題なし。(対Rangerを除く)
・青を減らす。赤い攻撃、あるいは先述の強い動きをプレイするのに、青は毎ターン1枚あれば良いので、青を切り詰めました。その分超越しにくくなるため、超越カードは格納するなどしてターンを跨がせるプレイも必要になります。残している青には、赤並みの表現価値を出せるカードもあるため、青が複数枚手札に来た場合も困りません。

個別カード解説

アリーナカード

トップス!ボトムス!シューズ!ヘアアクセ!

《Cosmo, Scroll of Ancestral Tapestry》
 MiragaiやCoalescenceコンボなど、どのヒーローに対しても強い動きを実現しやすい武器。とは言っても他の武器(《Iris of Reality》等)をそこまで深く研究できているわけではない。

《Calming Gesture》
 Coalescenceコンボの起点になるため、高表現価値に寄与するということで最優先で装備、付け替えは無し。最悪Cindraなどの1点を細かく飛ばしてくるヒーロー相手に咄嗟の1点軽減として使うこともできる。
 秘術防御3を要するWizard相手(Kano, Verdance)には、他の全ての部位を秘術防御1にした上でこの腕も装備し、秘術防御4にする。4点止めることでWardオーラを守りやすくもなるし、Coalescenceコンボに腕を使用しても3点の秘術防御を使うこともできる。

《Traverse the Universe》
 あまりにも強い装備品。ビジュも美しい。これによりサーチした《Inner Chi》を《Manifestation of Miragai》と合わせて使いたいため、ゲーム中1回は超越できるようにする。
 秘術防御3以上を要する対面でのみ《Crown of Reflection》に付け替える。

《Fyendal's Spring Tunic》
 ロングレンジでとても強い装備品。しかし貯まるたびに使って何回もリソースを貯め直したほうが強いかというとそうではない。Enigmaは1リソースでWardオーラによる攻撃を起動できることから、あと1リソースあれば強い動きができるのに、という局面は少なくない。よってこのリソースは強いと確信できる動き以外には消費しない、またはこの装備品自体をそろそろ防御に出そうと思っている頃合いであれば消費する、などと消費タイミングを見計らうべき。
 一例を挙げると、プレイパターン②③のCoalescenceコンボは成立後、1APと、まだ攻撃していない霊気の盾1個が残る。この霊気の盾で攻撃するために《Tunic》のリソースを使用すべきか?私の感覚では基本的には「No」である。温存し、より高い価値を出せる機会に使用した方が良い。
 付け替えとしては、まず秘術防御3を要する対面では《Calming Cloak》に付け替える。また、《Tunic》の優先度は、自分の強い動きによりはっきりと関わる《Calming Gesture》に劣り、後述する《Quickdodge Flexors》とは一長一短である。そのため、秘術防御1を要する対面の中で、《Flexors》の重要度が大きい相手には、《Tunic》を《Calming Cloak》に付け替え、《Flexors》を残す。具体的にはAurora。

《Quickdodge Flexors》
 守護者が持つ全ての足装備より強いと噂の汎用足装備。守護者がこれを履いて敏捷に跳ね回るのは解釈違いとの声もある。
 《Tunic》を残しこちらを秘術防御1の《Silent Stilettos》に入れ替えるのは、Aurora以外のルーン剣士との対面。Florian, Vynnset, またLLに行ったがViseraiも該当する。もちろん、秘術防御3を要求される対面でも履き替える。
 例外として、Mechanologist対面では、《T-Bone》に対し他の装備品を守るため、防御値0である代わりに防御しても破壊されない《Silent Stilettos》に履き替える。

《Crown of Reflection》
《Calming Cloak》
《Silent Stilettos》

 秘術防御1の装備品たち。使用タイミングは先述。秘術防御1以外の効果を使うことは基本的にない。
 一度も実戦でやったことはないが、《Calming Cloak》の効果を使うと、青1枚ピッチだけで《Manifestation of Miragai》をプレイし攻撃することができる。ただしその場合、その青がピッチされるのは《Calming Cloak》の起動のタイミングであるため、その青が《Inner Chi》でもMiragai(強)にはならないので注意。

デッキカード(幻術士)

Miragaiのようなレイス最高の神秘を手に入れたというのに、まさか、勿体無い形で消耗させるなんてことは致しません。

3x 《Astral Etchings》 (red)
 全対面で採用。CoalescenceコンボやMiragai(最強)のために使用するが、これを格納すると使用しにくいため、コンボ相手が同時に手札に来ていない場合は防御に使用する。
《Spectral Manifestations》と共に引いた場合、青ピッチで両方を使い切れるので、そう使用することもある。《Rage Specter》に使用することもなくはない。ただしコンボで使わない場合、このカード自体は結局防御に使っても攻撃に使っても表現価値3点なので、リソースがちょうど使い切れるとかオーラの続行が欲しいとかでない限り、防御に回してしまっていい。腕を使った後は当然基本防御に回す。

3x 《Dissolve Reality》 (yellow)
 サイドカード。
 In: Kano, Florian, Verdance, Rangerクラス等
 必殺技を格納するKano, Wardオーラ対策カードである《Summer‘s Fall》などを格納しがちなEarthヒーローの2人には積極的に採用する。これらのヒーローはPonderトークンでハズレを引く場合があるというのも良い。
 Rangerクラスには、格納庫を空けることで逆に《Death Dealer》が起動できるようになったりするし、いまいち効いているのかいないのかわからないが、まあこれのPonderとその後の《Codex of Frailty/Inertia》のPonderがかぶってしまったな……になるケースもあるのでまあ入れて良いでしょう。《New Horizon》で複数カードがある時は両方吹き飛ばせるのも良い。 

2x 《Enigma Chimera》 (blue)
 青右下3の自由枠のうち、最悪2コス6点になる便利カード。元々3枚積んでいたが、青減量の煽りを受けて2枚になった。《This Round’s on Me》 という弱いことの方が多いカードがIraとかに微妙に効くので2枚にしてあり、それとの兼ね合いである。カード名の割にEnigma専用技ではないらしい。
《Path Well Traveled》で続行付与&超越が可能だが、Popされる可能性も普通にあるので注意。まあ青なので基本はピッチに回す。

3x 《Manifestation of Miragai》 (blue)
 Enigmaに対する全てのヘイトを負って立つ、ブルーアイズブルードラゴン。このレシピ内では唯一のMystic Illusionistカードか。
 ミラガイ(強)が複数ターン残った場合、1コス8点続行が殴り続けることになるので、その強さは疑いようが無いだろう。しかしその真価が発揮されるのは、このカードを守りやすいライフレース最終盤であり、序盤中盤で運良くMiragai(強)が成立しても、プレイパターンに書いたような形で1ターンの輝きで終わることが多い。
 強く使うためには、《Tunic》のリソースで攻撃するか、他の2コス6点と合わせて青ピッチの余ったリソースを使い切るか、といった効率的な動きと組み合わせたい。
 序盤で《Inner Chi》がない場合、超越のトリガーとなる青をプレイしたい場合など、ミラガイ(弱)として《Inner Chi》無しで普通にプレイすることもある。2コス6点と組み合わせれば、4枚4点+6点+軽減2点で12点、3点/枚とまあ標準ラインではある。青で標準ラインが出せるだけありがたく思おう。
《Restless Coalescence》でカウンターを全て奪われた《Manifestation of Miragai》はWard 0となり、1点でもダメージが通った際には何も軽減せず必ず割れることになる。ただし《Astral Etchings》で後から元気を注入するケースもたまにある。

3x 《Miraging Metamorph》 (red)
 1コス7点で、《Tunic》や、青ピッチ《Spectral Manifestations》プレイ後などの、空いたAPと浮いた1リソを、莫大な点数の攻撃に変換できる。
 Popされた時のケアとしてわざわざオーラを用意する必要は基本的にない。

3x 《Phantasmaclasm》 (red)
 最強。情報アドを得て、Popを回避し、2枚9点を叩き込める。入れ替える際には、次のターン相手が行動しにくいように入れ替えよう。これ1枚で1本書けるかも。
 このカードをプレイできた枚数によって勝率が大きく変わるマッチアップは確実に存在する。例えばCindra相手。下手に防御に回すより、青と一緒にプレイして表現価値を+3点することを狙いたい。
 しかし一方でミラーマッチにてお互いに撃ち合い、手札入れ替え後に引いたPopperで止まる、をお互いにやったこともある。過度な信用は禁物だが、それはこれをプレイしない理由にはならない。最終局面などの、万一にでもPopされるより確実に6点で殴りたい、とかなら汎用2コス6点をプレイする方を優先することもある。

3x 《Rage Specter》 (blue)
 いぶし銀のカード。これを含む青2枚で赤の表現価値である7点(6点攻撃+1点軽減)、超越カードと絡めば3枚10点に超越達成までできる。
青だけで赤と同等の表現価値ができるということは、青を増やしても事故りにくい、ゲーム終盤のピッチしたカードが一周するタイミングでも強いという多大なメリットが存在する。
 隠れた美点として、自分のターンの攻撃打点にしか寄与しないと思われがちなWard 6は、こちらのターンにダメージを飛ばしてくるWizard相手では額面通り6点軽減として機能する場合がある。

3x 《Restless Coalescence》 (yellow)
 ビジュも効果も最高のカード。カード名の日本語訳には解釈違いを起こしているので頑なにCoalescenceと呼ぶが、時々魔が刺して合体と呼ぶ。
プレイパターンの欄に載せたように複数の局面で強いカード。単にインスタントタイミングの2点軽減として使うこともできるが、格納庫の余裕があれば(というか余裕を設けて)しまっておき、他のカードとのコンボで極力使うようにはしたい。
 プレイパターンの欄には書いていないが、+1カウンターを持つ全てのオーラとシナジーがある。単にEnigmaの効果で生成した霊気の盾からカウンターを奪うだけでも1コス3点続行&3点軽減になるし、終盤の詰めでMiragai(強)の攻撃後に全ての+1カウンターを奪って6点続行にしたりしてもいいし、《Astral Etchings》のインスタント化条件を達成するために+1カウンターを霊気の盾に変換しても良い。
 また、毎ターン1個ずつ出せる霊気の盾は、Auroraの4点攻撃をカードの防御と合わせてちょうど止めたり、ルーン剣士の1点だけのルーン陣をピッチを使わずに軽減したり、CindraやArakni, Marionetteのダガーを軽減したりと、活躍の場が広い。Enigmaの攻防の要であるが、故に単体でこのカードをプレイするのではなくシナジーのあるカードを待ってプレイできるか、プレイスキルが要求される。

3x 《Spears of Surreality》 (red)
 単に強い。手札を使い切るような連続行動が苦手なEnigmaにとって、Popperを持たないアグロ相手のこのカードは絶大な歯茎見せ効果がある。プレイパターンのところに滅多に成立しない《Spear》2枚+1コスト攻撃とかいうのがなんで書いてあるかというと、実戦でそういう4枚手札を引いてすげーラッキーオラオラターンをやったことがあるからです。
 Popperの可能性が少しでもある相手に、青ピッチこれ、その後2コス6点、というプランを練るのはやや軽率ではある。そうなるくらいならこれを防御に出して、返しに2コス6点だけで攻撃でもいい。

3x 《Spectral Manifestations》 (red)
 愛憎入り混じる複雑な気持ちを抱いていたが、最近愛している寄りのカード。
 Enigma使い始め時期は、右下2かよ、他のオーラあると弱いのかよ、と不採用だったが、前提②に自覚的になってからは、右下2でも防御に使えるのは超偉い、と思うようになった。でも今でも2枚まとめて来るとイラっとはする。
《Restless Coalescence》とのコンボを成立させたいし、単体でも使用できるため、引いたら格納庫に取っておいてよい。まだ超越をできていないゲーム中に、超越札を余らせて格納するのとこのカードを格納するのとどちらがいいかは定かではないが、今のデッキ構成だと青が余ることが少なめなので、このカードを格納することの方が多そう。
 デッキ内に《Restless Coalescence》が少ないor無い場合には単品で使うのも良い。2枚5点続行ではある。
 ミラーマッチだと、このカードをプレイした際に相手の手札に《Ripple Away》が無いことを祈る必要がある。《Ripple Away》ケアで防御に回すなど使わない手もあるが、そもそもミラーマッチでは貴重な連続攻撃札なので、大体は祈りながらプレイすることになる。

デッキカード(汎用)

It doesn’t matter what they are. What matters is my plan.

3x 《Command and Conquer》 (red)
3x 《Erase Face》 (red)
3x 《The Weakest Link》 (red)
 2コス6点3人衆。相手のデッキに合わせて概ね2種類を採用する。
・コンカー:無難。特にDRを使用する相手、格納庫を使う相手。
・顔面消去:Cindra, Fang, Earthヒーロー。Auroraはコンカーと悩む。
・最も脆い所:Aurora, Bruteヒーロー、Kano, Verdance, Zen。一応手札を観れると嬉しい相手に入れても良い。Dorintheaなど。 
 Enigma, Prism相手にはPopperとして全て採用して良い。また、後者2種がどちらも刺さらない場合、顔面消去防御値3点の最も脆い所を入れる場合と、代わりに《Enlightened Strike》を入れる場合とがある。好みによる。

3x 《Fate Foreseen》 (red)
3x 《Shelter from the Storm》 (red)
3x 《Sink Below》 (red)
 防御リアクション3人衆。
 Shelterの起動効果を使う可能性が少しでもあれば《Shelter》の優先度を上げる。Cindra, Ira, Assassinヒーロー、Runebladeヒーローなど。
 それ以外の場合は他2枚、特に《Sink Below》を優先する。
 防御リアクションの合計採用枚数は相手による。例えばミラーマッチでは全て抜く。

3x 《Arcane Polarity》 (red)
 サイドボードが空いているので採用中の枠。対Vynnset専用と言ってもいい。対Kanoにも入れていいと思うがまだ実戦で試せていない。

3x 《Enlightened Strike》 (red)
 防御寄りのヒーロー相手に、手札を使い切りやすくするために入れる。
 ミラーマッチでは、すぐには使わず格納しておき、割らなくてはいけないWardオーラが相手の場にある時に、続行のモードで使用し、1ターンの総打点を上げるために使う。

3x 《Ripple Away》 (blue)
 青右下3の自由枠。
 ミラーの《Spectral Manifestations》, Vynnset, 各種《Codex》など、1枚を捨てるに値するタイミングはそれなりにある。最悪4点で攻撃してもいい。効果で減らせるのはアクションカードによるトークン生成のみであることに注意。

2x 《This Round's on Me》 (blue)
 青右下3の自由枠。
 能動的に超越のきっかけを作ることができるのと、Iraの小太刀小太刀が辛いのでいまだに2枚採用しているが、基本的にはプレイしたくない。自分のドロー1枚と相手のドロー1枚の価値が違いすぎるからだ。
 先手1ターン目にプレイできる可能性のある青という意味では《Truce》と迷ったが、《Truce》は先手1ターン目以外で本当に損なカードなのでやめた。
 少し前まで採用していた《Cut Down to Size》と組み合わせて使うと相手が比較的渋い顔をする。

3x 《Warmonger's Diplomacy》 (blue)
 青右下3の自由枠。
 特定のマッチアップにて絶大な効果を発揮する。Azalea相手はこのカードを複数回プレイできなければ負け確定のレベル。
 自分は大抵Warを選ぶことになるが、その場合《Astral Etchings》,《Dissolve Reality》,《Spectral Manifestations》,《Rage Specter》といった攻撃でないアクションが使用不能になるという不利を自分にもたらすこともある。要注意。

デッキカード(神秘)

「青いいよね」「いい…」

3x 《Levels of Enlightenment》 (blue)
 MST投獄派が揃って槍玉に挙げる問題児。1モードでも確かに1コス5点は赤のスペックでやりすぎ感はある。でもまあ青を多めにするというMysticのコンセプト的には、これくらいの潤滑油があってくれないとデッキ回んないっすよ。
 青ピッチこれプレイ、解決前に超越札プレイして超越、気をピッチしてEnigma起動、これを解決で+2点と続行を選択、という定番の流れは、最後に2リソースと1APが余るので、ここに他の2コス6点が綺麗に引けていると嬉しい。逆に言うと、その2リソース1APを使い切れる他のカードがないとただの2枚5点続行ですからね。何?Zenはその2コスカードをヒーロー効果でサーチできる?うんうん、それはZen, Tamer of Purposeくんが悪いね。じゃ、採用いれるね……

1x 《A Drop in the Ocean》 (blue)
1x 《Homage to Ancestors》 (blue)
1x 《Pass Over》 (blue)
1x 《Path Well Traveled》 (blue)
1x 《Preserve Tradition》 (blue)
1x 《Rising Sun, Setting Moon》 (blue)
1x 《Stir the Pot》 (blue)
1x 《The Grain that Tips the Scale》 (blue)
 超越両面カードの皆さん。コモン8種全採用。一時期は《The Drop in the Ocean》を不採用としていたが、青を減らしたことで超越するチャンスが減ったと判断し、少しでも超越できる可能性を上げるべく採用に至った。《Sacred Art》の不採用理由は後述。

不採用カード解説

アリーナカード

《Uphold Tradition》
《Waves of Aqua Marine》

リバース・カードオープン!!するのは普通に楽しかった

 MST期、およびROS期の序盤は、これらの腕装備品の奇襲性が高く評価されていました。特に、《Waves of Aqua Marine》を使用することで、《Command and Conquer》等のヒット時効果を通すことができ、また相手もその可能性を考慮してオーバーブロックする場合があるなど、駆け引きは興味深く、また採用は実のあるものでした。
 しかし、《Calming Gesture》の登場により、《Astral Etchings》の使用感が格段に上昇し、また《Spectral Manfestation》と合わせて実質的に同じ役割のカードが6枚の体制と、Coalescenceコンボの成立ハードルが格段に下がりました。このような状況においては、腕装備品の選択は、デッキ自体のカード選定とセットで考える必要が生じます。これは言い換えると、デッキのカードを入れ替えることなく、腕の装備品だけを入れ替えるような運用を行う場合、却ってデッキのパワーを不安定にするというデメリットが生じる、ということです。
《Uphold Tradition》の役割は主に2つあります。本来続行がないオーラへの続行付与と、特に《Manifestation of Miragai》に使用した場合の2点というダメージ上昇です。このうち前者は、先に述べた前提②から採用オーラ枚数を減らしている私にとって、魅力としては小さくなっていました。また後者は、《Manifestation of Miragai》が定着しているシーンでは過剰であり、逆に定着が保証されないシーンでは単なる2点強化にすぎませんでした。起動に1リソースを要求することもまた、そのハードルを上げていました。
《Waves of Aqua Marine》は言うまでもなく、限定的な局面での奇襲性にのみ価値がありました。《Command and Conquer》のヒットに価値がない空の格納庫を前にした時、あるいは《Erase Face》への防御に手札を差し出した以上、それがヒットしてもしなくても次のターンの動きの強さが変わらない相手に相対した時、《Waves of Aqua Marine》は《Goliath Gauntlet》に劣ることすらありました。
 これら2つの装備品を、デッキの構築へのマイナス影響を考慮してまで採用するよりは、どのヒーロー相手でも安定した表現価値と有用性を誇る《Restless Coalescence》コンボに目的を一本化することが、総合的に勝率を高めると判断しました。
 以上の理由から、《Uphold Tradition》と《Waves of Aqua Marine》は不採用となります。

《Meridian Pathway》

初見で経路の道ってそんな頭痛が痛いみたいなって思った人挙手

 ROS期まで、Enigmaの足装備品と言えば、《Meridian Pathway》が基本であり、《Phantasmal Footsteps》は、CYB Enigmaが《Count Your Blessings》を使用して余った1リソースを無駄なく消費するために装備するカードでした。
《Quickdodge Flexors》の登場は、Flesh and Bloodにとって革命的であり、その強さは非難すら巻き起こしました。Enigmaにとっては、使用可能なタイミングが限られる代わりにリソース消費なしで3点の軽減ができる《Meridian Pathway》と、あらゆるカードやリソースをもとに使用できる代わりに、表現価値を最大化するには相手の連続攻撃を必要とする《Quickdodge Flexors》の間で揺れることになりました。
 最終的には、使い勝手として《Quickdodge Flexors》の方が良いと判断した私は、交換先として《Meridian Pathway》をサイドボードに残すことも検討しましたが、インスタントとしてプレイしたい攻撃でないアクションカードに特に心当たりのない構成をしていた私のデッキにとり、《Meridian Pathway》はサイドボードを一枠埋める割に新たな価値をデッキに提供しないカードとなりました。
よって、《Meridian Pathway》は不採用となります。

《Mage Master Boots》

10,000年と2ターン前からプレイしてる

 このカードの採用要否を判断するには、このカードの最もエキセントリックな相棒に目を向けないわけにはいかないでしょう。《10,000 Year Reunion》です。
10,000年に相応しい、Ward 10という、大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎる数値の書かれたこのカードは、第2の《Manifestation of Miragai》とも言えるポテンシャルを持っています。一度プレイに成功すれば鈍重な大ダメージを相手に押し付け、再び攻撃のチャンスが回って来たならば表現価値の概念は崩壊するでしょう。
 しかし、「続行」を持たないアクションカードである《10,000 Year Reunion》は、プレイしたターンに攻撃するために、他のカードによるAP獲得(またはAP消費を免れる)の補助が必要となります。それが一つには《Meridian Pathway》であり、もう一つには《Mage Master Boots》であるのには、どちらも装備品であり、常にアクセスできるコンボパーツであるということが重要でしょう。
 では、これらの装備品さえあれば10,000年の重みを相手に押し付けることができるのでしょうか?答えはNoです。プレイのために、8コストという莫大なリソース、あるいは+1カウンター3つを要求する以上、潤沢な手札か、《Spectral Manifestations》などのカードが必要になります。このプレイのための障壁は、《Inner Chi》1枚と組み合わせるだけで成立する《Manifestation of Miragai》のプレイの容易さとは雲泥の差です。また、青であるがために序盤にピッチに使用できる《Manifestation of Miragai》に対して、《10,000 Year Reunion》は赤であるため、プレイできない場合、ただ防御に回すことしかできません。更に、プレイできる場合も、《Spectral Manifestations》, 《10,000 Year Reunion》, 青1枚の組み合わせに、もう1枚のカードか《Tunic》のリソースがなければ、《Reunion》の攻撃まで行うことができません。
 こうした制約の大きさから、《10,000 Year Reunion》は不採用となり、同時に《Mage Master Boots》も採用の理由を失うこととなります。

デッキカード

《Waning Vengeance》 (red)
《Waxing Specter》 (red)
《Sacred Art: Immortal Lunar Shrine》 (blue)

悪苦露(Wakuro)って誰?誰なの?怖いよおッ!!

 これらのカードは、一見して毛色が異なるカード群に見えます。実際のところ、攻撃ができる《Oasis Respite》とも言える《Waning Vengeance》, 手札4枚での連続攻撃を実現する《Waxing Specter》, 9枚目の超越両面カードである《Sacred Art: Immortal Lunar Shrine》と、役割が分かれており、どれも活躍の余地があるカードであるのは間違いないでしょう。
 しかし、これらには一つの共通点があります。再三言及している前提②で、採用を見送られるべきか検討される対象である、Wardオーラのカードであるという点です。付け加えるならば、これらは更に、1コスト以上のインスタントであるという共通点を持ちます。
 プレイにリソースを要求し、単体で防御に使用することのできない、これらのインスタントカードは、残念ながら、今回のデッキ構築方針の中では、採用の余地がありませんでした。
 最後まで採用を検討したのは《Waxing Specter》でした。これは青いカードのピッチによるリソースを綺麗に使い切ることができ、手札4枚での攻撃を可能にするカードでもあります。しかし、積極的にこのカードを採用する必要があるマッチアップは少ないと判断したため、代わりに、Vynnsetのような特定のマッチアップの相性改善に大きく寄与する《Arcane Polarity》の採用を決定しました。
 一方で、人によっては意外かもしれませんが、最も迷いなく不採用を決定したのは、《Sacred Art: Immortal Lunar Shrine》でした。このカードには、いくつかの問題があります。その特に大きな一つは、真価を発揮するための手札の要求値が高いということです。超越インスタント、このカード、このカードのプレイコストである青の3枚が揃わなければ、このカードを全てのモードでプレイすることはできません。そしてそれを達成したところで得られる報酬は、2個の霊気の盾と、それらの上の+1カウンター1個ずつです。霊気の盾は2個並んでしまうと損失をもたらします──2個目以降の攻撃に1リソースを支払う必要があるのです。
 あなたはこうも言うかもしれません。「既に場に存在するオーラにもカウンターが乗るのだから、続行付与と打点の向上により、更に大きな表現価値を生むのでは?」答えはYesです──ただし、手札3枚という高い要求値を保持したまま相手ターンをやり過ごし、それでも自分の場に前のターンからのWardオーラが残っているという、極端に自分に有利である状況であることを除けば。そして、そのように有利な状況が許されるマッチアップであれば、もはやこの要求値の厳しい、そして防御にも回せず用途の限られるこの奥義カードを、わざわざ採用するまでもなく、あなたはゲームに勝利するでしょう。つまり《Sacred Art》は、「既に有利な状況を更に有利にするためのカード」であり、私が望む、「どのような状況でも強いカード」、あるいは「不利なマッチアップで対戦相手に対して強く行動できるカード」ではないのです。
 以上の理由から、これらの3枚の神秘・幻術士・インスタント・カードは不採用となります。

《Put in Context》 (blue)
《That All You Got?》 (yellow)

フレーバーテキストの喋ってる人とイラストの人は必ずしも一致しないらしい

《Put in Context》は革命的だと思ったんですけどね。採用してたら、これをプレイしつつ超越できるという強みより、いざという時(特に、ピッチで使ったこれが手札に返ってくる最終盤)に防御に使えないという弱みの方が発揮されることが多くて多くて、初めは3枚、その後2枚にして、それでも無理だったんで抜きました。いやー最高の新カードだと思ったんですけどね。だめでした。無念。
《That All You Got?》はしばらく普通に使ってました。AuroraとかIraに使えるじゃんっつって。でも2点+ドロー(3点)でしかもドローの正体がギリギリまでわからないのと、普通に4点のDRでOptするのとを比較したとき、後者でいいよねってなりました。Aurora相手ならピッタリ止めてChannelとかBurn Up避けられるかもだし。黄色なのもいいんですけどね。

まとめ

 いかがでしたか?
 今の私はこのEnigmaが最強の構成だ!と思って使っているのですが、こっちの方が強いぜ!とかこれ弱いぜ!とかある人もたくさんいらっしゃるんだろうなと思います。この計算間違ってますよ、もあるかも。あと環境が動いたらレシピも動くかもですし。Kayoが帰って来たりとか。そういうのがありましたら、Xでご教授いただけたり、Note記事等で公開していただけますと、1人のEnigmaプレイヤーとして嬉しいです。
 RtNシーズンの戦績やデッキの変遷、各ヒーローとの相性等は、自分用の記録の意味も込めて、別途ノートにしたいなと思っています。
 それでは今回はこの辺りで。

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