待望のEd Sheeran来日公演を終えて
仕事で遅れて到着した私の耳を震わせた曲は、アンコールの「Shape of You」。
エドが刻みつけるリズムも、鳴り響く歌声も、全てにおいてそこにいる日本人の魂を高揚させていた。
MVやCDという、カタチになった作品を軽々と超えていく、リアルのパフォーマンス
rockin’onグループ社長の渋谷さんが、前日の武道館公演を終えてブログ『渋谷陽一の「社長はつらいよ」』で、
“スポティファイ時代の最大の勝者はエド・シーランだと思う。
デジタルとネットが牽引するシーンで勝ったのが、誰よりも肉体的に音楽を表現し、ライブで最も輝くアーティストであったというのが凄い。”
と記していたが、本当にその通りのパフォーマンスだった。
ギター一本とは思えない、自分、いや、むしろ人間の限界を超え続けてきたミュージシャンにしかできないパフォーマンス。
自分の技術を丹念に磨き続けて、物怖じもせず異国の地で大勢の人の魂を音楽で奮い立たせていた。
完全に"ライブに行く意味"を生んでいた。
会場内に鳴り響く観客の歌声
何度も武道館公演を見に行っているが、あんなにも観客の声が響いていた日はあっただろうか。
日本人があらゆるバフォーマンスや仕組みで観客を引き込もうと四苦八苦しているのに、彼はたった一本のギターで、世界的に大人しいと言われている日本の音楽ファンを立ち上がらせ、声をあげさせていた。
その姿が彼の音楽の力を証明していた。
こんなライブが毎日のようにどこかで聴けるなら、もういっそ海外に行ってしまいたい。
こんな伝説が毎日どこかで生まれているのなら、自分の人生の時間の多くをここに使いたいと思ってしまった。
ギター1本で何万人の前に立つあの姿は、まるで侍のようだった。
ステージ上に跳ねるピックの美しさもまだ焼き付いて頭から離れない。
会場に到着した時は、まさか今耳にしている曲がアンコール1発目で、残り2曲分のパフォーマンスしか残されていないなんて思いもしなかったが、それでも十分すぎるステージだった。
完全に根こそぎ心を持っていかれていた。
エドありがとう。また必ず会おう。
次にエドのパフォーマンスを目撃できる日が、もう今から待ち遠しいよ。
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p.s.
この公演の日は、米国によるシリア攻撃があった日だった。
世界情勢が混乱する中、そんなことは本人や音楽ファンには関係ないのかもしれないけれど、違うの国のミュージシャンが武道館で日本国旗を身にまとい「Japan!」と声をあげる姿を見て、彼が一つの音楽に国境はないという証明であるるような気がしてとても感慨深かった。
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日本にもエドと同じようにループステーションを活用してライブを行うミュージシャンがいる。
それが、シンガーソングライターReN。
エドの武道館公演当日も客席にいたという。
私が彼を知ったのはカメラマンの橋本塁さんが地元北海道で開催したイベントのアーティスト紹介で、ReNくんのライブ動画を掲載した時。
初めて目にした時は、和製Ed Sheeranを発見したような気持ちだった。
EdSheeranがすきという人、武道館公演に行った人には、ぜひ一度聴いてみてほしい。