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万年筆履歴書16本目 レオナルドモーメントゼロ ハワイ ゴールドEF

万年筆に興味を持ち始め、カクノ、ラミー、プレピー、TWISB、ペリカンなどの鉄ペンを手に取り、書き心地を確かめた後、金ペンへの憧れが芽生え、まずは手に入りやすい国産の金ペンを購入する。
(2016年の頃はパイロットカスタムヘリテイジ 14K が1万くらいで買えた)

これが、スタンダードな万年筆の世界にのめり込み方。

そしてその先、高級万年筆の沼に進むか、あるいは昭和時代製造のヴィンテージ金ペンという比較的手に届きやすい分野に進むか、深淵への道をそれぞれ歩み始めることになる。

わたしは数本のヴィンテージ万年筆を入手したところで、華やかなレジン軸の万年筆の存在を知った。

パイロット カスタム レガンス2 レッド&ブルー(廃盤)
青と赤のレジンがモザイク状に散りばめられた美しい軸だった。

デッドストックの新品なら5万以上、状態が良い中古品で数万のプレ値が付いていた。

当時ギリギリ新品で購入できたのは
受注生産製のセーラー キングプロフィット モザイク(現在廃盤) 

これも美しいのだけど、キングプロフィットはセーラー最大のニブサイズ。
女性の手にはどうしてもあまる。

パイロットレガンスサイズが丁度良いのだ。

これもいずれは廃盤になるのだろうなと、悩みながら当時は商品ページを何度も見ていた。


こんな華やかな万年筆が欲しいと、探して見つけたのが
イタリア万年筆、レオナルド社製 モーメントゼロ 
ハワイ ゴールドトリムだった。


レオナルドとは


レオナルドは2018年創業のイタリア万年筆メーカーだ。
パイロット、セーラー、プラチナ、国産万年筆メーカーは創業100年超えているのに、えったった数年の歴史の会社なの?とちょっぴり不安に思ってしまうかもだが、安心してほしい。

レオナルドの創業者のサルバトーレ・マトローネ氏は2018年に閉業したイタリアのデルタ社の創業者の一人チロ・マトローネ氏の息子さんなのだ。

デルタとは


イタリア万年筆って華やかな彫刻や装飾、個性的かつ芸術的なデザインで、書きにくそうなキラキラ系ブランドのイメージだけど、
デルタは軸のレジンを個性的な色にし、彫刻は筆記に影響しないクリップ周りにとどめ、軸の横にインク吸入のピストンレバー搭載するなど、書きやすそうな万年筆を作っていた。

ブラックキャップ、オレンジ軸のドルチェビータ万年筆は複数本揃える根強いファンが多い。

高級万年筆『少数民族コレクション』は、2003年から2015年の間に販売されていた世界限定本数販売のシリーズだ。

世界中の少数民族や文化をテーマにしたデザインが特徴で、それぞれの民族の美しさや伝統を、万年筆のデザインに落とし込んでいる。

当時の万年筆雑誌『趣味の文具箱』には毎年このシリーズが掲載されていた

amazon 趣味の文具箱29号 表紙

趣味の文具箱29号表紙の少数民族コレクション『ブリブリ』はピンクと赤のマーブル状のレジンとカエル彫刻のクリップがとても可愛らしく、今でも高値で取引される人気があるモデルだ。

少数民族としてハワイ先住民の文化をイメージした『ハワイ』モデルも販売していた。


https://www.yafa.com/Delta_hawaii.shtml  より

ハワイの青い海と、ハワイ島の火山の力強さが混じりあう美しい軸である。
ブルーとブラウンのコントラストが素敵だった。

閉業ということなので、素敵な色合いのレジン軸はもう販売されないのかと、残念に思っていたところ

高級コレクション『ハワイ』で作られたレジン軸と同じノウハウで作られた万年筆が発売されると一報が。

それが

レオナルド モーメントゼロのブルーハワイ軸なのだ。

だったはず……。

当時は本当に閉業時に余ったレジンで作っているから、在庫が無くなり次第販売終了するかもと噂があった。

購入にまつわるあれこれはこちらのnoteをどうぞ


書き心地は、正直に言うと良くなかった。
ドキドキしながらインクを入れて、いざニブを紙に触れさせたら…かっ固い…。
カクノやラミー、TWISBでスチールニブに慣れていた筈なのに、猛烈に指先に感じる尖った振動。
ガリガリした感覚が合わない。
えっーーと酷くがっかりした。

軸は素敵なのに…めちゃくちゃ格好良いのに……
苦労して手に入れた分、失望感は大きかった。

が、

これはわたしの書き方とペン先の不具合の問題だということをようやく気付きました、濡れ衣だった。

原因があった。

以下、書活写真にて



書き味良くないなぁと思ったら
まずは持ち方を疑い、ペン先の不具合を疑うこと。

レオナルドモーメントゼロは金ペンの場合 現在は7万近い。

軸の美しさに惹かれるのなら鉄ペンでも良いと思うが、書き味は保証できない万年筆だ。
金ペンだともう少し柔らかいのかなぁ。

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