万年筆履歴書 1本目と、あこがれの万年筆の話
あちこちで万年筆の事を語っているので友人達の間では私の万年筆好きは浸透しているような気がします。
コレクターを自称できるほど収集してないし、万年筆の造詣に深くもなく、自分好みの万年筆を見かけたら、情報を集めて、少しだけ購入して、時々引き出し開けてニヤニヤする程度です。
過去の推しキャラのフィギュア、可愛いお菓子缶、海岸で拾った石、など主に眼で楽しむことができるわたしのコレクションコーナーの一角に万年筆達がそっと陳列されています。
わたしはこれを美コレクションと呼んでいる。
自分の好きな物が常に視界の範囲内にあるのが好きなんだろうな。
万年筆は鑑賞だけでなく、実用性もあって素晴しい。
人生最初の万年筆 セーラーキャンディ
私の最初の一本はいつだったのか、記憶の糸をたぐってみると、たぶんこれじゃないかしら。
セイラーのキャンディ。左から4番目の赤だったような。
この写真見て驚いた。このキャンディ、まさか8色もあっただなんて!
子供にとって、相当高額な筆記具だったはずだけど、近所の文房具屋で安く手に入れたような気がします。
明確に覚えているのは300円という価格なので、きっと売れ残り商品を半額セールで買ったのだろう。他の色があることを知らなかった。
初万年筆の書き心地は…字が太い!
細い字を書けないかと試行錯誤したけれど、インクフローが良かった個体だったんでしょうね。あとは紙との相性か。
持ち方もきっと正しくなかったでしょう。指先を毎回汚していた。
万年筆ってこんなに書きにくいペンなんだ!これを使いこなす大人って凄いと思ったかどうかいざしらず。
インクを変えれば色を変えることができるという知恵もなかったようで、ただただ書きにくく、しかもインクは黒だか青だかそんな色だったので、可愛くも無く、使い道に困ってしまい使うのをすぐにやめてしまった。
今ならペンクリニックか故障品として文房具屋に持ちこんだだろうけど、
高級文具売り場がある百貨店がある街には年に一度、正月の時しか買い物に行けない田舎住まいだから、ペンクリニック開催情報を知る由も無かっただろう。
田舎の哀しみよ。
これがわたしの最初の万年筆の想い出。
それから時が経ち、トラウマ級の使いにくさを経験したのを忘れるくらいの衝撃的な出会いがあった。
生涯の憧れの万年筆 MONTBLANC パトロンシリーズ
母が購読していた婦人画報。
暇つぶしにパラパラとめくっていたら、プレゼント特集だったか大人の女の身だしなみ特集だったか、1本の万年筆の紹介が見開き頁でドーンと掲載されていました。
それがこの 世界888本限定 万年筆 MONTBLANC パトロンシリーズエカテリーナⅡ世 でした
天冠にぐるりと埋め込まれたルビーが女王の王冠のようです。当時はルビーが好きだったので、目が釘付けでした。
本体は金無垢です。ペン先は18K
金の価格は当時1500円前後です。今の金価格で同じ物を作ったら価格はどこまで跳ね上がるだろうか。
大人になったら、こんな宝石のように美しく高い万年筆を、値段気にせず気兼ね無く、筆記具として使うんだ!
大人ってすごい!!!
と大人への憧れが強くなってしまった。
かなり認知にゆがみが出来てしまった気がしない訳ではないけれど。
あの衝撃的な出会いからずいぶんと時が経ちますが、
エカテリーナクラスの万年筆を日常的に使う大人にも、買える大人にもなれず、今後、その予定も無いなぁ。
大人になってますます身の程を知った。
素敵だけど…無理!
でももし、タイムスリップで過去に戻れるのなら
後先考えず、勢いで買えちゃえる時があったら
買っちゃいなよーーって身の程を知らない過去の自分に助言しちゃうだろうな。
ペアで作られたピョートル大帝(ホワイトゴールド天冠はエメラルドはめ込み)は現在こちらで販売中。
MONTBLANC万年筆は偽造品が多いそうです。
エカテリーナとピョートルはシリアル番号が同じものが複数出回っていたような。箱まで完璧に模造してたから、コピー商品って怖っとなりましたが、もしかしたらあれは詐欺サイトの映像だったのか。
20年近い昔のことなのでうろ覚えだ。
パトロンシリーズの模造品を実際に目にしてないので真偽は不明ですが、もしUSED品購入を検討するのなら、万年筆専門店での購入をお勧めします。限定4810本版はプレミア価格で伊東屋で時々見かけます。
https://www.kingdomnote.com/item/3717011239486
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