日本エレキテル連合に捧げる 2nd Single『美醜乱☆レストラン』
2023年2月15日に2nd Single『美醜乱☆レストラン』をリリース致しました。
美醜乱の読み方は“みしゅらん”です。
敬愛する芸人、日本エレキテル連合の単独公演『坊っちゃん』のために書き下ろしました。
制作に至ったきっかけは、日本エレキテル連合の中野聡子さんの10月のインスタライブです。
傷つけられるような何か苦しいことがあったのかな、と感じた配信でした。
詳しくは分かりませんので、あくまで私個人が受け取った印象です。
ただ私を含め、ファンへ向けて配信してくれたことが頼られたようで嬉しかったです。
去年の配信なので曖昧ですが私は「この星の言葉で聡子さんが傷つけられたのは辛いです。せめて私たちは私たちの星の中で、言葉で、生きたいですね。」というようなコメントを送信しました。
するとそれに対してお返事が。
「えあちゃん、このことを曲作ってよー。」
「分かりました!作ります!」
私はそこから聡子さんがぽろぽろと感情のままに溢していく言葉をノートに書き留めていきました。
翌日あたりに聡子さんから、軽々しく曲を作ってなどと言ってしまったとお詫びされました。知名度など関係なく創作や創作者に対して敬意を表する方なので少なくとも私は軽く受け止めませんでしたし、「深層心理で作って欲しいと思ったのは本当」ということも言っていただけて、どちらにせよ私は私の音楽が少しでも支えになるならば作ると決めていました。
そこから単独公演『坊っちゃん』で使用したいとの申し出があり、聡子さんから楽曲に関しての希望をお伝えいただきました。
「行き場のない感情を悲しさを含んだメロディにしたらなんか息苦しい世の中に負けた気がするんです。歌詞は泥臭いのに、メロディは底抜けに明るくしませんか?そうやって仕返ししませんか?生きづらい人間の歌なのに楽しそうに歌いやがってっていわせてやりませんか?というか私達の応援歌になりそうな気がして。」
私も同じ想いでした。
日本エレキテル連合単独公演『エレキテルプラネット』から着想を得た時は地球を出発して新しい星に辿り着くようなストーリー性を持たせました。
今回の『美醜乱☆レストラン』は宇宙空間で浮遊しながらも、創り上げた自分たちの星でめちゃくちゃに走り回って楽しんでる。
そんなイメージで書き始めました。
じゃないと、ただこの星で生きづらいまま生きづらい心と身体して「生きづらいよー」て言ってるだけになる。
私たちを笑うもの、馬鹿にするものに対して「生きづらいけど、ごめん。でもこっちの星が楽しいわ。」って言い返せる術を持ってるのに使わないのは勿体無い。
聡子さんがおっしゃっていた内容から出来上がった歌詞を紹介していきます。
ちなみに、メモをとるスピードが間に合わず記憶補正しているところも多くあり、一言一句合っているわけではないので、こちらもほぼ私個人の捉え方として受け取っていただけると幸いです。
僕たちのキラキラ傷つけられた
やっと生きれてる一瞬が楽しそうにみえたのね
◉:私達が楽しそうにやってるのが羨ましいんだよ
何も言い返せなかった
◉:芸人だったら何か言い返せればいいのに出来なかった
SNSも向かないし そもそもパンダだし
◉:丸ごとそのまま聡子さんの言葉
アーカイブ残さない夜
◉:このアーカイブは残さない(※眠気限界&精神的にもしんどそうにやってらっしゃったので残すと良くないと判断した様子でした。)
呪いにするか魔法にするか決めさせて
◉:私自身も大切にしているワードなので出てきて嬉しくて、「呪い」と「魔法」だけ書き留めていました。前後は分かりません。
感染る病気なければ君の顔を舐めたいな
◉:コロナなかったらみんな(配信みてるファンの方々)の顔、べろっべろ舐めたい←優しいコメントが続く中での愛ゆえのお言葉です。
以上の内容を含みながら、
このしんどい星で生きていくなら当然ついてくる“食べる”ということ。
そして、私たちに必要な“創る”ということを掛け合わせて調理していきました。
公演も間近になり、楽曲もアレンジまで構想が練られていた頃。
単独公演『坊っちゃん』の中止を報されました。
聡子さんのご病気のこと。
どう悲観していいか分からない状態でした。
しかし、聡子さんは心配させないように明るく、「単独公演楽しみにしてたのにごめんね。えあちゃんも検査受けてほしいです。」と私のことを気遣う言葉ばかり伝えてくれました。
事務所を通して発表した文面をみても、自分ではなく周りの人を思い浮かべて綴っているような明るい文章でした。
信念を貫き芸術的かつ独創的な星を創り上げていく強さに加えて、優しくて繊細なおふたり。
『坊っちゃん』にゆかりのある土地へ赴いたり、精神性から緻密に作ってきたと想像できます。
誰よりも公演を楽しみに糧として生き抜いてきたおふたりが一番悔しい気持ちでいっぱいだと創作する側の人間として思います。
私は『美醜乱☆レストラン』をどうするか悩みました。
単独公演で流していただくっていうのは夢みたいな話で、知らない人たちに自分たちの音楽が届く!日本エレキテル連合の星の一部になれる!そんな高揚からプツンと創る意味みたいなのを失ったのが正直な気持ちです。
完成を目指したのは、やはり聡子さんの言葉でした。
「この素敵な楽曲をいつになってもいいので完成させてくれませんか?この曲を聴いて乗り切りたいです。」
より一層、良いものに仕上げようと破滅ロマンスで完成、そしてリリースまですることを決めました。
私たちの音楽はなかったことにならない。
これから意味を成してくれる。
今までと違うやり方で楽曲の制作を進めました。
まず、Aメロ〜サビは私が作って、コンポーザーのナガタトモヤに渡しました。
どうしても三拍子をいれたかったので、2番以降はナガタのセンスに任せてトラックを作ってもらいました。
それ以外は特に注文はせず、丸投げ。
この楽曲はすでに世界観が固まっていたのであまり二人で話し合うことなくスイスイ進みました。
結果、Aメロ→Aメロ2→サビ→Cメロ→Dメロ→ラスサビ2→Eメロというメロ祭りに。
Eメロは最初あってもなくても良い感じだったのですが、私の詰め込みたい欲は抑えられず結局歌詞にしました。
Dメロの三拍子入る前の浮遊感やラスサビ前のベースで3分間の曲でも緩急があって、なかなかのスルメ曲かと思います。
ちなみに、ベースは運でしかラスサビ前のアレ(テクニックの名前がわかりません。)できないみたいなのでライブでどうやるんだろうって感じです。
そして、今回のアートワーク。
『美醜乱☆レストラン』は日本エレキテル連合の星のお手伝いをする一曲でした。
なので迷わずメイド服を選択しました。
夕さんと何度か鍋やドライフラワー、私とギターの角度を調整しながら撮影。
日本エレキテル連合は昭和レトロも得意としてるイメージがあるので、レトロ感を出しつつフィルムっぽくにならないよう(「フィルムにしたら、なんでもなんか良い感じに見えるから逃げ。」っていう思想があります。夕さんには基本的にデジタルで撮影してもらってます。)、若干温かめの温度感で作ってもらいました。
ミックスマスタリングは1st Single『鬼』からお世話になっている桑山さんにお願いしました。
納期がない分、だいぶしつこく修正お願いしています。
桑山さんはしっかり歌詞の意味も汲み取ってくれてメンバーかってくらい大切に一緒に創り上げてくれます。
「あー、もう嫌こいつ。」てなんないでくれて助かります。
こうやって『美醜乱☆レストラン』が完成。
リリースを果たせました。
一度は熱く燃えて、そして消えかけた音楽です。
やりとりが主に聡子さんとなので、聡子さんとのお話しばかりになってしまいましたが、橋本小雪さんも当然私とって特別な日本エレキテル連合のおひとりです。
入院前のイベントでは聡子さんを支えるというよりも、ファンの皆さんを楽しませるために動いているように見えました。
小雪さんもきっと不安でいっぱいのなか、日本エレキテル連合を守っていくのだと思います。
そして、イベントで小さくですが『美醜乱☆レストラン』を流していただきました。
⬆️入院前イベントでの様子でショートMVを作ったのでぜひ観てください!&拡散もお願いします🤲🏻🤍
声をかけてくださった日本エレキテル連合のファンの方々、その場に居合わせて何のことやらって感じだけど耳を澄まして聴いてくださった優しい方々、ありがとうございます。
一ファンとして何度かライブやイベントに足を運んでいますが、日本エレキテル連合のファンの方は優しいです。
『坊っちゃん』の中止、聡子さんのことが発表されたとき、ファンの人たちが浮かびました。
一緒に単独公演を楽しみにしていた方に、日本エレキテル連合が創り上げようとした星の一欠片でも知ってほしい。
途中からそんな気持ちになってリリースしました。
元々は私の大切な人が生きづらくて苦しむ姿から書き始めた楽曲。
はらわた煮えくり返っても、心臓叩き潰されても
この星のやり方で傷つけられても何も言い返せない私たちの持ってる最終兵器。
自分の星で、または私や誰かの創った星で楽しんでもいい。
そうやって飛び回って、呪いも魔法もかけられて、かけ続けて生きる。
アーカイブ残さない夜を超えて、しぬまで生きましょう。
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