Hameeを応援してくださる皆様へ。新社長に就任した水島の紹介とHameeのこれからのお話。
こんにちは、2021年7月29日付けで代表取締役社長に就任した水島です。
noteで記事を書くのは初めてです。文章を書くことは得意ではないのですが、それでも書こうと思ったのは
・水島の人間性を少しでも知ってもらえればという思い
・Hameeの未来に少しでもワクワクして欲しい
という理由です。
特にいつもHameeを応援してくれる皆様に向けて、自分の考えているHameeのこれからについて、素直な想いを伝えられればと思っています。長くなりますが、ぜひご覧いただけますと幸いです。
自己紹介
1982年生まれで、39歳になります。小学校4年生(10歳)から剣道を始め、約30年間剣道を続けています。大学卒業後、銀行勤務を経て2008年にHamee(当時のStrapyaNext)に入社しました。
入社したきっかけはいろいろあるのですが、自分と同い年くらいの若いメンバーたちが自分たちの力で未来を切り拓いている姿を見て、自分もHameeで働くことで、もっと世の中のために何かできるかもしれないと思えたということがあります。
最近改めて思うのですが、誰かの何かの役に立っている、貢献していることを日々感じられることが、仕事をする上で一番大切なことなのではないかと思います。入社前ではありましたが、それが当時のHameeには感じられました。
詳細はこちら。
Hameeでの経歴
Hameeでは最初に経理を担当しました。そしてCFOとしてIPOに向けた管理体制の構築を行い、2015年に東証マザーズへのIPO、2016年に東証一部への市場変更を担当しました。
2018年より事業担当取締役へポジションを変更し、2020年からは HameeGlobal Inc.の理事も兼任しています。M&A、スタートアップ企業への投資事業にも携わってきました。
そして2021年7月29日付けで代表取締役社長に就任いたしました。
入社以降、管理部門から事業部門を渡り歩き、さまざまな角度からHameeに携わってきました。そんな私から見たHameeの事業をご紹介します。
コマース事業について
入社した時は「携帯ストラップを年間10億円以上売っている会社に入社した」という認識でした。携帯ストラップを年間10億も売っているという点に、すごいなと思うと同時に「なんで?どうやって?」という疑問もありました。
Hameeに入って、事業内容を理解すればするほど、そのすごさに惹かれていったのを覚えています。
私の感じているコマース事業の強みは、下記です。
・ECと卸販売両方で量・質ともにしっかりした販売チャネルを持ち、成長させていること
・川上(企画)~川下(販売)まで、すべて自社で関わっていること
・若く、感性豊かな人材がたくさんいること
・iFaceという強い自社ブランドを持っていること
自社ブランド「iFace」
世界累計販売数2,000万個のスマホアクセサリーブランド。
iFaceは特徴的なデザインでスマホケース人気No.1※の高い認知度を持った、Hameeの代表的なモバイルアクセサリーブランドです。高いデザイン性をもつケースを中心に広い顧客層にアプローチできる商品ラインナップや、認知度の高いブランドを活用したケースに留まらない様々な商品展開をしています。
※2020年11月当社調べ
上場当時、まだ自社ブランドの中でiFaceの取り扱いシェアは低かったにも関わらず、それ以外の商品で年率約10%成長・増収増益をし続けることができていました。
上場準備時は、ネクストエンジンの新規性・成長性の陰に隠れて、あまりクローズアップされていなかったコマース事業ですが、この事業の強みはしっかりとした強い事業基盤に支えられている、持続性のある強さだと思っています。
ECと卸、それぞれの販売チャネルを担う部門が切磋琢磨し合い、それぞれをしっかり成長させています。また、ネクストエンジンを徹底的に使い倒しながら、在庫管理を含め、業務の効率化を進めています。
長く倉庫・物流業務を委託し、プラットフォーム事業においても心強いパートナーである株式会社清長様との連携も強く行い、サプライチェーンを改善し、利益率を高め続けてきました。
川上から川下まで自社が直接関われるビジネスモデルを活かし、カスタマーサポート機能を強化し続け、お客様のニーズと向き合ってきたことも強さの一つです。
時代とともに携帯電話からスマートフォンに変わっていく際も、感度高く、センスあふれる商品開発部門をはじめとする仲間たちが、新しい企画を次々と出し、ヒット商品を生み出し続けてきました。
変化に対応できない同業他社がいる中で、常に柔軟に変化していることは「Hameeならでは」だと感じています。今だと、「iFaceすごい」という方が分かりやすいので、そういう表現になってしまうのですが、私はこちらの強みの方が、本当はすごいと思っています。
iFaceという強いブランドは、上場後の成長を大きく牽引してきました。ちょうどその頃から、「なんでも作れば売れる時代は終わった。これからはモノからコトへ」ということが強く広く言われ始めた時期だったようにも思います。
Hameeは、それまでの「良いものさえ作って、しっかり売れば成長する」という考え方から、iFaceというブランドを自社ブランドにすることで、マーケティングやブランディングといった領域のノウハウ、知見を高めていったように思います。
今でも年間300万個以上売れ、さらに成長し続けている点も、もちろんすごいと思うのですが、HameeにとってiFaceを自社ブランドとすることができたメリットは、マーケティングやブランディングといった領域の重要性を認識させてくれた点だったと思います。
私が事業側にポジションを移した初年度は、iFaceの販売比率がどんどん高まっている時期でした。そのシェアの異常な高まりに「iFace以外の商品を出そう」と意図的にiFace以外のプロダクトを出そうとしていた時期もありましたが、正直あまりうまくいきませんでした。
2年目から、事業部長を兼任するタイミングで、iFaceシェア偏重リスクは承知で、さらにiFaceを中心としたマーケティング、ブランディングに注力しました。当時はその動きを心配されたこともありましたが、今思えば、結果的に良い方法だったと思います。
最初はうまくいかなかった施策も、事業部全体でiFaceに注力することで、売上の増加はもちろん、マーケテイングノウハウの獲得や、サプライチェーンの改善などにもつながって、事業がより強くなったと思います。
そして今、そのマーケティングノウハウやサプライチェーンを活かした新規事業創出、カテゴリー拡張、新製品リリースが実現し始めています。
コマース事業の強さを説明するとどうしても定性的になってしまい、定量的に示すことができていないのが課題ですが、これからのカテゴリー拡張や新規事業創出でその強みを具体的に示していきたいと思っています。
新事業へのチャレンジ
今期、iFaceという強いブランド力を活かして、大きなチャンスのあるコスメ市場へのカテゴリー拡大と長年培ってきたECノウハウを活かしたゲーミングモニター事業への市場参入を計画しています。
コスメ事業について
今期、これまでにない製品カテゴリーであるコスメ事業を立ち上げます。私たちの扱うスマートフォンケースの購入頻度は1~2年に一回程度です。
コスメというお客様とより多くの直接かつ継続的な接点を持てるプロダクト・サービスを展開していくことで、
・売り切り型からストック型へのビジネスモデルの進化
・顧客データを活かした事業の進化成長
といった事業DXの実現を狙っています。
韓国のグループ会社との共同プロジェクトとして進めており、現在リリースに向けて、グループの力を結集して準備中です。
ゲーミングモニター事業について
今期より、コマース事業のECノウハウを期待されて、ゲーミングモニターブランド「Pixio」を展開するPixio USA Inc.と独占販売代理店契約を締結いたしました。
「Pixio」というコアゲーマーに強い支持があるゲーミングモニターブランドとHameeコマース事業のECノウハウとのシナジーに強く期待しています。またスマートフォンアクセサリーユーザーとは違った層のユーザーとの接点増加につながると考えています。
数年前まで、コマース事業は、新しい事に取り組むことがあまり得意ではありませんでした。創業からコツコツと毎年成長させてきた事業であり、前年よりも必ず成長させなければいけない、失敗はできないという強い想いがそうさせていたのかもしれません。
でも、自分たちは「Eコマースが得意」「長年培ってきた強い販路がある」「信頼できるお取引先様がいる」「iFaceっていう強いブランドを持っている」「いろんな商品を企画できる」というような強みを再認識して、だったら「自分たちならもっといろんなことができるんじゃないか」という自信を持てるようになってきました。
それが今、どんどん形になり始めていて、上記のような新しい事業への取り組みにつながってきていると思います。これからはスマートフォンアクセサリーだけではないHameeのコマース事業にご期待ください。
24期のコマース事業
コロナ禍から市場環境が回復しない中でも、増収増益を目指し、中計最終年度の業績目標達成に強くコミットしていきます。
卸販売は引き続きコロナ禍で逆風を受けている状態ですが、卸販売先であるお取引先様ともリアルな売り場を盛り上げようと、一緒にいろんな工夫に取り組んでいます。
また、ECの成長ポテンシャルは大きく、WEBマーケティング、PR施策を積極的に行っていきます。さらには今期から始まるゲーミングモニター事業やiFaceブランドを活かしたコスメ事業への展開も期の後半から本格的に始まります。
情報システム部門とも連携し、事業全体を巻き込んで事業のDXや、モノづくりを担う企業として、持続可能な成長を目的としたSX実現のために、具体的アクション(エコタマプロジェクト等)に取り組んでいきます。
また海外展開においても、コマース事業部とHameeGlobal Inc.でさらに連携を深めながら、日本市場以外への海外販売比率をグッと上げていきたいです。
プラットフォーム事業について
プラットフォーム事業の中核サービスであるネクストエンジンのサービス化は、ちょうど私が入社したタイミングと同じだったこと、最初の仕事でネクストエンジンに関連する管理業務(経理処理や債権管理等)だったこともあって、自分自身、Hameeでネクストエンジンと共に成長してきたという感覚があります。
入社時当初は経理担当として、ネクストエンジン×管理業務、上場前のIPO準備時には、上場会社を支える基幹システムとしてのネクストエンジン×上場準備、Hameeの成長可能性を支える成長ドライバーとしてのネクストエンジン×上場審査として、ネクストエンジンに関わってきました。
上場時には、ネクストエンジンの事業環境や事業戦略を徹底的に調べ、分析し、Hameeの高い成長可能性を示す事業として評価をいただきました。
その後も事業や会社のM&Aを検討するときに、他社がECで使用しているシステムや業務フローを見るたびに、「ネクストエンジンを使えばすぐに事業価値をアップできるな」と直感的に思えたり、株主や投資家の方々から質問が集中したりする様子を見て、その成長度合いを間近でひしひしと感じています。
今、ネクストエンジンは約5,000社のEC事業者様に利用いただいています。世の中には色々なEC向けサービスがたくさんありますが、ネクストエンジンというブランド、サービスほどユーザーに愛されているものはないのではないかと思っています。
ネクストエンジンというサービスを愛してくれている5,000社のEC事業者様がいる、これがプラットフォーム事業の最大の強みだと思います。
24期のプラットフォーム事業
24期のプラットフォーム事業のかじ取りは、担当取締役の比護さんに全面的にお任せしています。ただ、グループ全体としては、ネクストエンジン、プラットフォーム事業の今後の成長が大きなカギとなるのは間違いありません。
契約社数は5,000社を超えようとしています。ユーザーへの支援領域はバックオフィス領域を超え、コンサルティングやマーケティング等の領域も支援しています。
ネクストエンジンが持つデータ活用も視野に入れながら、EC事業者様が新しい価値を生み出し、成長することを全方位的に支援するサービスとして進化しているネクストエンジンに今後も強く期待しています。
新規事業について
すでに取り組んでいる下記の新規事業についても、ぜひご期待ください。
ふるさと納税支援サービス
営業人員増強による新規自治体獲得を加速するとともに、WEBデザイナー人員強化により既存契約自治体のポータルサイトのブラッシュアップを行うことで、寄付額の増加を目指します。
Hamic POCKET(はみっくポケット)
専用サイトに絞った販売を継続しつつ、翌連結会計年度中のプロダクトマーケットフィット※を目指し、継続的な機能・性能改善を実施しています。プロダクトマーケットフィット確認後には販売チャネル拡大および積極的なプロモーションに取り組んでいきます。
※プロダクトマーケットフィット
提供しているサービスや商品が、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態のこと
RUKAMO
メーカー/小売店が抱えている滞留在庫・大量廃棄の課題を解決することを目指しています。アップサイクルの取り組みをさらに強化しつつ、既存の考えに捉われない、滞留在庫を流通させる仕組みの開発に取り組んでいきます。
時々聞かれることがあるのですが、現時点で、新規事業の投資領域を〇〇市場や〇〇業界というような基準では決めていません。
今までの〇〇市場、〇〇業界といった分類は様々なイノベーションや異業種参入によって曖昧になっていて、ユーザー、お客様の体験を軸に日々変化していっていると思います。
なので、かつてHameeがコマース事業からネクストエンジンというサービスを生み出したように、従来の市場・業界の垣根にとらわれることなく、お客様・ユーザーと直接かつ継続的な接点が持てる、かつ自分達の強みを活かせる領域・既存事業とのシナジーがある領域であれば積極的にチャレンジしていきたいと考えています。
最後に
私自身の強みとして、事業の運営や推進だけでなく、CFOとしての経験からも、管理領域を含めて、全方位的な視点で経営をリードすることができる点が挙げられると思います。
現会長の樋口のような創業者、オーナー経営者として強力な個人のリーダーシップを発揮しながら会社をリードするというよりは、これまでともに成長してきた信頼できる仲間たちとチームとして、一丸となって大きな成果を出していく経営スタイルを目指していこう思います。
樋口も引き続き、会長としてサポートしてくれますので、経営体制は今まで以上に盤石の体制になりつつあると感じています。
自分自身のクリエイティブ魂に火をつけて、そして燃え盛るHameeの仲間のクリエイティブ魂とともに、クリエイティブ魂があふれる世界を創っていきます。
これからのHameeに、新しいチャレンジにご期待ください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
◆記事を書いた人
PROFILE:水島 育大(みずしま いくひろ)Hamee株式会社 代表取締役社長
1982年生まれ。神奈川県小田原市出身。大学卒業後、銀行勤務を経て2008年に入社。CFOとしてIPOに向けた管理体制の構築を主導し、2015年に東証マザーズへのIPO、2016年に東証一部への市場変更を達成。2018年より事業担当取締役、2020年からはHameeGlobal Inc.の営業担当理事も兼任し事業成長をリード。M&A、スタートアップ企業への投資事業にも携わる。剣道五段。