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時計台のてっぺんに

京大の名物、時計台。

この時計台のてっぺんには何があるのでしょう。

ここには、ハムちゃん先生行きつけの居酒屋がある。京都の景色を全方位楽しめるルーフトップバーだ。

開店は夕暮れ時。

緊急事態宣言で
京都はどこも20時閉店だが
動物には関係ないのだ。
真夜中まであいている。


店主はカラス。その名もカラスミ。

にんげんから忌み嫌われる鳥でもあるが
京大のどうぶつさん達からは人気がある。

このお店が愛される理由。
味と景色はもちろんのことだが
分け隔てないカラスミの接客に人気がある。
小鳥にも、自分より体の大きな動物にも
フランクに接する。

天敵なんて概念はないのだ。

それゆえ客層は幅広い。

スズメ、メジロ、オコジョ、時々タヌキそれからハムスター。

ハムちゃん先生は常連客だ。

一日仕事で疲れ切った脳に
美味しいご飯と一杯のお酒は何よりのご褒美。

本日のおすすめはなんですかな。

里芋の揚げ出し湯葉あんかけ
それから西京白味噌グラタンやな
帆立の貝柱と丹羽しめじ入りや。

んじゃあ、それを一つずつとおすすめの日本酒を。


ロシアからやって来たハムちゃん先生は、
カラスミの作るご飯のお陰ですっかり和食好きになった。


店主のカラスミは、カラスのイメージを覆したいという想いでこの飲食店をはじめたという。

人間が大量に出している食品ロス。
これを救っているのがカラスミだ。

ゴミの日になれば、にんげんたちはカラスに自分のゴミを漁られないことをまず第一に考える。彼らは何も自分たちの空腹を満たすためだけに漁っているのではない。

京都市内のホテルや飲食店を回り、その日の食品ロスを集める。それから集めた食材をリメイクして、他の動物たちに振る舞っているのだ。

にんげんが迷惑極まりないと思っていることも実は誰かの助けとなっているのかもしれない。


はい、お待たせやで〜
サービスでちりめん山椒、漬物もつけといたからな。

カラスミは気前良くご飯を提供してくれた。

こりゃいつもありがとうございます。

ふっくら白いご飯におじゃこさん。
こりゃ何杯でもいけますなあ

ハムちゃん先生は
今日もたらふくたいらげた。

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