はっぴーの家で出会ったおばあちゃん
1.はっぴーの家って
2.指輪を付けているおばあちゃん
3.私と指輪
1.はっぴーの家って
神戸市の長田区にははっぴーの家という国籍や年齢関係ない年間200名の人が訪れる不思議な介護付きシェアハウスがある。
ここは、看板がなくて知っている人でないと入れないようになっている。
普通の介護施設とは違う場所だ。
詳しくはこちら。(https://helpmanjapan.com/article/8161)
2.指輪を付けているおばあちゃん
昨日、そこで一人の白髪のおばあちゃんに出会った。
見た目では何歳かわからないのだが、70代に見える。
おばあちゃんの指には、左右で4つくらいのデザインや形の異なる指輪がはめられており、おばあちゃんはしみじみとした表情で少し涙ぐみながらこう言った。
「これは亡くなった主人がくれたもので、歳を取って指のサイズが合わなくなり、スカスカになっても、これをつけてるんです」
確かに、この私の手とおばあちゃんの手を重ねた写真でも注視してみると、少し指輪と指の間がふわふわしているのがわかる。
3.私と指輪
私は、最近「指輪」というものに少し敏感になっている。
惚気みたいになってしまうのだが、先日相棒から同じデザインの指輪をプレゼントされた。
私は、ネックレスやピアスなど自分の体に何か身につくものを邪魔ではないかと感じ、今まで避けてきた。
その私が指輪を付けるのだから、いくらプロに計ってもらって自分の指に合ったサイズとはいえど、指輪などつけたことがないので、邪魔ではなかろうかと思っていた。
また、最近周りの友人たちで恋人と別れている人がいるのをちらほら見ると、
「まだ付き合い始めてから1年も経ってないし結婚するかどうかもわからないのに、おそろいの指輪など作ると、万が一別れるときに複雑な気持ちになりやしないか」
と不安だった。(別れるのが前提なのはおかしいけどw)
しかし、いざ日常生活でつけてみると、光に反射してキラキラしているのに、思わず見とれてしまうし、お守りのようにも感じられる。
そのおばあちゃんの話を聞いてから、私も最近自分の生活の中で初めて身近になりつつある指輪と重なり、
「私もおばあちゃんになって指がやせ細ってサイズが合わなくなっても、使い続けたいな」
と感じた一日だった。
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