withコロナによるマーケの変化
緊急事態宣言解除後初の週末、いかがお過ごしでしょうか。
先月の今頃、NewsPicksにて動画クリエイターの明石ガクトさんが寄稿された記事があまりにも良かったので、今回はこちらを簡単に紹介させて頂きます。記事はこちら(有料会員登録していないと読めません...あしからず)。
1. beforeコロナのマーケの4P
まずマーケティングにおいてコントロール可能な要素とは以下の4つであり,
マーケの4Pなどとも呼ばれています。
①Product(製品)②Price(価格)③Place(流通チャネル)④Promotion(プロモーション)
ところが、コロナ下ではこれらがコントロール不能となります。
例えば
マスク:プロダクト製造が追いつかない、プライスは転売で崩壊、プレイスに適切な配分ができない、プロモーションも手を打てない。
飲食店:プロダクト供給のための維持コスト(固定費)で赤字、テイクアウトでプライス上昇、プレイスが実店舗のみだった飲食店はプロモーションを活用できない。
そこでwithコロナの時代には新たなマーケの4Pが登場します。
2. withコロナ時代のマーケの4P
従来のマーケの4Pは以下のように形容詞化します。
①Productive(生産的な)②Proper(適正な)③Personal(個人の)④Parallel(並行して)
どういう事か以下で詳しく見ていきましょう。その前に前提として、
ヒトがモノやサービスを購入する時 = 自分の欲望が一定の閾値を超えた時
であり、マーケはその欲望の加速装置で、プロダクトはある種の欲望を満たすものでなければなりません。その欲望のカタチがコロナで変化します。
beforeコロナ:消費的。ヒトの活発な活動があり、他者と「三密」な状況を過ごすために食事、装いにお金をかけていた。
withコロナ:生産的。自宅で過ごす事が生活の中心に。
これを念頭に、4つのPの変化についてそれぞれ説明します。
2.1 Product → Productive
テレワーク中心となって家にずっといると、どうしても単調な生活となりますよね。そこで人々はその無為さを解消するプロダクトにお金を払う事で、負の感情を拭い去ろうとするようになります。例えばNetflixの契約理由は「家の中に見放題の映画館」という「消費的な価値」から、「家にいてヒマな時間を有意義にしてくれる」という「生産的な価値」へと軸がシフトしています。
2.2 Price → Proper
僕もそうなのですが、家にずっといると「最低限のモノさえあればいい」と断捨離を始めた人が多いのではないでしょうか。すると消費者が従来のように「安いからとりあえず買おう」とはならないので、企業は身の回りに置いておきたい必要不可欠なモノに対し適切な価格設定をするようになります。
2.3 Place → Personal
これまでは実店舗がショールームとして魅力的な場所で、人々はそこへ新しいモノを求め足を運んでいました。ところが外出制限に伴い、「あのヒトのオススメが知りたい」と新しい情報を求めるようになり、インフルエンサーや芸能人のSNSがショールーム的な機能を果たすようになります。ECサイトはショッピングカートにしかなりません。
2.4 Promotion → Parallel
実際のモノやサービスを手に取る機会が減る以上、何が見込み顧客を捉えるフックとなるか分からないため、複数の訴求を並行して進める必要があります。その上緊急時には定番モノの方が売れる傾向があるので、新しいモノを売るにはそのプロモーションを認知止まりではなく、興味関心レイヤーまで到達させなければならないのです。
3. おさらい
以上withコロナ時代のマーケの鉄則をまとめると以下のようになります。
①製品のプロダクティブな魅力を発掘する ②セールをやらない前提でプライシングする ③見込み顧客にとってのインフルエンサーを抑える ④並行して複数のメディアと訴求軸でコミュニケーションを行う
驚くべきことに、上記をコロナ以前から行っていたのがAppleです。
例えばAirPodsは音楽とzoom会議をシームレスに行き来しやすくして作業の生産を上げ、セールになることもないからいつ買っても安心だ、みたいな話を多くのインフルエンサーがTwitterやInstagramに投稿しているそう。
それによって生まれる「共感」こそが購入のフックの時代となります。その共感を生むには「ストーリー」が必要で、あの高級ブランドのエルメスは社史をマンガにして世の中にコミュニケーションを図っているそう。
4. 動画の重要性
ではそのストーリーを効果的に伝えるにはどうしたら良いのか?それはズバリ「動画」です。というのも、コロナショックでオンラインとオフラインの行き来がシームレスになり、ネットだと移動の手間なしにすぐにチャンネル切り替えをできるので、時間も小刻みになっていきます。会議がzoomになった事で、ミーティングの間隔が狭まった方も多いのではないでしょうか。
すると従来のように、まとまった時間を見込み顧客から頂くことは難しい。しかし動画であれば、スマホやデジタルサイネージ(駅とかにある電子広告)といった多様なメディアやインフルエンサーのSNSに溶け込み、5分とかからずストーリーを伝えられるのです。だから動画なのです。
5. おわりに
以上明石さんの記事をまとめてみましたがいかがでしょうか?僕は明石さんの言語化力にただただ驚くばかりで、とても興味深い記事だと思いました。ちなみにNewsPicksには読者がコメントしたりブックマークしたりする「Pick機能」があり、僕の経験上1000Pickを超えた記事はどれも神記事なのですが、この明石さんの記事は3000Pickされるほど反響を呼んだ記事なので、是非原文を読むことをオススメします!明石さんも驚いていたそう。笑
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。