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生成AIを活用して不動産屋と交渉した結果150万円引きになったお話
こんにちは!
はまをです。
突然ですが私自身、不動産業界における情報の非対称性に非常に憤りを感じています。
不動産業界のみならず、情弱が負ける世界が嫌いです。
まぁその差分こそが、情報の価値、なんでしょうね。
知識が乏しい私が、プロフェッショナルである不動産の営業と戦うために、一定程度の戦略が必要と思いました。
私は社内で「自称、生成AIおじさん(お兄さん)」でそこそこ認知されており、プライベートでも生成AIを活用しようと思った結果、
最終的に最初の提示額より150万円引となりました。
わーい
本記事では、その具体的な交渉プロセスと、生成AIをどのように活用したかを簡単に紹介します。
生成AIツールのおかげなのか、業界的常識なのか、環境や状況のおかげなのか、完全にたまたまなのか、それこそ情弱のためわかりませんが、
少なくとも生成AIがなければ、交渉しようとも思わなかったとは思います。
不動産屋の回し者でもなんでもなく、生成AIに対してこんな使い方があるんだな、という感じで楽しんでいただけますと幸いです。
前提—家を買う
特段急いではありませんでした。
モチベーションはそこそこで、まぁあと2年以内くらいにいいところがあればなーという感じでした。
そんな中、義父母の家の裏がちょっとした山林だったのが、「分譲地になるらしい」という話から、
義父母が散歩の途中で営業さんから名刺をもらい、
そこから紹介を受けたことが始まりでした。
交渉の始まり—現地確認と初期の値引き提案
その分譲地は、面積や立地が希望条件にぴったりのものでした。
なにせ、義父母の家のほんとに真裏なため、妻の超地元です。
真裏、もう徒歩1分です。
営業さんとお話を進める中で、
2回目の現地確認の際、急に「私の方で頑張らせていただいて、100万円の値引きは可能です。」と言われました。
少しびっくりして困惑しました。
と同時に、疑問を感じました。
100万円、という数字の根拠は?
あなたからおっしゃったんですから、こっちはちょっと戦いますよ?
こんなお話で100万円も下がるのなら、もっと下がるのでは?
本当にこれが最大限の値引きなのか?
そこからちょっとした調査と、交渉戦略を立てることにしました。
生成AIを活用した交渉準備—反論シミュレーションで戦略を強化
不動産の営業と対等に交渉するためには、あらゆる反論に対応できるよう準備が必要と考えました。
そこで、早々に生成AIを使い、実際の議論をシミュレーションしました。
不動産の営業さんがどのような反論をしてくるかを生成AIに予測させ、さらにその反論に対する私の対応を生成AIに作成してもらうなど、議論のシナリオを複数展開しました。
このプロセスにより、事前にさまざまな視点を取り入れ、視野を広げることができました。
生成AIの活用—ざっくりとしたその使い方
以下、具体的に使用した生成AIです。
これで交渉の準備を整えました。
なお冒頭の画像は、プライベートでお気に入り登録している好きな生成AIツールたちです。
ClaudeとChatGPT
メールのドラフトや上記シミュレーションを行う際、これらを活用し、より論理的で効果的な交渉文を組み立てました。反論に対するフレーズや、相手に納得してもらうための論点を磨き上げました。生成AIツールの中で1番好きなのがClaudeです。
GensparkとPerplexity
土地の価格や公示地価に関する調査にはこれらのツールを使用しました。不動産業者に対して客観的なデータを示し、合理的な根拠を持って交渉するための情報を収集しました。同様の機能を持つFeloは利用しませんでした。GensparkのAutopilotはFactチェックに少し利用しました。
実際の交渉—生成AIが支えた具体的なアプローチ
生成AIを活用して集めたデータと作成した交渉フレーズを基に、担当営業さんにメールを送りました。その際、以下の3つのポイントを中心に交渉しました。
1. 直接取引による仲介手数料の削減
直接取引であることから、通常かかる仲介手数料が不要になるため、その分を値引きに反映できると主張しました。
生成AIが生成したフレーズを使い、迅速な手続きと費用削減のメリットを相手にアピールしました。
2. 公示地価に基づいた価格評価
エリア内の公示地価を基に、提示された価格が高すぎることを示しました。
生成AIで調査したデータに基づき、坪単価を算出し、それを基に合理的な価格を提案しました。
3. 市場価格との比較による価格交渉
周辺の市場価格を考慮し、現実的な相場価格を提示することで、さらに説得力を持たせました。
生成AIが提供したデータは非常に役立ち、具体的な数字をもって交渉を進めることができました。
交渉の結果—150万円の値引きに成功
最終的に、不動産会社は私の提案を受け入れ、一番初めに提示されていた金額より150万円の値引き(120万円の土地、30万円の食洗機オプションを付与)に応じてくれました。
生成AIによるシミュレーションとデータ収集が功を奏し、不動産業者との議論で一定程度優位に立つことができたのではないかと思います。
とはいえ、最初に抱いた疑問「100万円、という数字の根拠」に関しては、よくわかりませんでした。
いいんだが、よくないんだか。
生成AIの力を借りて交渉を成功させるためのヒント
今回の経験から、生成AIを活用することで、情報の非対称性に打ち勝ち?
交渉が一定程度スムーズに進むかを実感しました。
不動産の交渉において、以下のポイントを押さえておくと、生成AIの力を最大限に活用できるかと思います。
シミュレーションから、視野を広げる
事前に生成AIに交渉のシミュレーションを行わせ、様々なシナリオを想定することで、どのような反論にも対応できる準備を整えました。
データを集め、客観的な根拠を持って交渉に臨む
公示地価や市場価格のデータを生成AIで調査し、合理的な根拠を持って相手にアプローチすることができます。
効果的なコミュニケーションフレーズを生成AIに生成させる
生成AIに交渉スクリプトを作成させることで、論理的かつ効果的なフレーズが手に入り、相手により説得力を持ってアプローチできます。
最後に
以上、生成AIを使った不動産交渉の実例を紹介しました。
150万円、少なwww
もっといけたのでは?
そもそもの全体額から相対的に低くない?
おっしゃる通りかもしれません…
個人的には大きな額だったのです。
とともに、生成AIを使って具体的な「お金」という価値を得ることができた、という体験を共有したかったのが正直なお気持ちです。
月20ドル(3000円)×約12ヶ月=3.6万円の投資対効果はあったなーと実感したかった具合です。
実際、なにが功を奏したのかは正直よくわかりません。
ともあれ、業務のみならず、プライベートでも生成AIの活用ユースケースとなったなと思います。
交渉や商談に生成AIを活用してみてはいかがでしょうか。
なお、生成AIの利活用については、自己責任でお願いします。
そもそも生成AIの出力結果を使うかどうかの意思決定の主体者は、人です。
まさに、Human in the loopですね。
はまを