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またいつの日か重なる二人の影

 皆さん、こんにちは。はまーです。

 今日、2月26日は、ラブライブ!サンシャイン!! Aqours First LoveLive! ~Step! ZERO to ONE~ Day2の開催日ですね。

 あの日から、もう六年も経ったという事実に、驚きが隠せませんが、確かに、あの日、あの瞬間から、私の人生は、確実に輝き始めました。

当時のLVのチケットは、今でも大事にとっています。


 そして、お祝いするのが遅れましたが、二日前の、2月24日は、私の敬愛する逢田梨香子さんの2nd EP「フィクション」の発売日です!


 本当におめでとうございます!!


 今回筆を執ったのには理由が二つあります。

 一つ目の理由は、折角、「フィクション」発売から二周年なので、それ関連の話をすることによって、お祝いの言葉に変えようと思ったからです。



 今回は、その「フィクション」の中にある一曲。

 「花筵」という曲について、「私のお話」をしようと思います。


 解釈でもありません。歌詞の読み方でもありません。


 ただただ、私の話をしようと思います。

 Aqoursしかわからないよ!みたいな方も、「花筵」聴いたことないよ!、という方も、何も身構えず、是非、文章を読んで行ってください。


 最後には、きっと「花筵」という曲を一回でもいいから聞いてみようかな、となると思います。


 そしてもう一つの理由は、この話をするのに、最もふさわしい日が今日だと考えたからです。

 2017年2月26日、桜内梨子と逢田梨香子が、私に示してくれた輝きの様に。

 自分も、とあることを包み隠さず話そうと考えました。

 

 前置きが長くなりましたが、行きましょうか。

 一人の人間の、後悔と覚悟の話です。


「花筵」

 曲聞いたことないよ!、という方に向けて、ざっくりと「花筵」という曲について、解説していきます。

 知っている方は、まあ、箸休め程度の話だと思って頂いて大丈夫です。


 そもそも「花筵」とはどういう意味なのでしょうか。

 「草花などが一面に咲きそろったさま、また、花の散り敷いたさまを筵にたとえていう語」と、ネットでは書いています。
(goo辞書より引用)

 要するに、この写真のような状態です、

フリー素材より拝借


 逢田梨香子さん自身が作詞した、この「花筵」という曲は、「永遠の離別と前に進む覚悟」だと私は考えています。

 推測で物を語りたくないので、深くは言及しませんが、自分の大切な人との死別をイメージして作詞していると、理由も込みで私は考えています。

 歌詞を見てもらった方が早いので、一部抜粋すると、

いつだって今だって時は無情に流れ
もう重なることない二人の影

花筵
一番サビ

愛を呟いてくように優しい声でそっと
私の名前を口ずさんでる
忘れ物のような宛名のない手紙
行き場のないまま彷徨っていたんだ

花筵
1番Aメロ

といった感じです。

 歌詞の内容を逐一、解説するのは、この「花筵」という曲にとって、無粋なので、ここではしません。

 読んで頂ければ、なんとなく、「誰かと死別又は離別したのかな」と思って頂けると思います。


 じゃあ、この曲は、死別or離別の悲しみに満ちた曲なのか、といったら、そういう訳ではありません。

 Cメロに、この曲のタイトル、「花筵」の意味と、この曲が本当に伝えたい言葉が詰まっていると、私は考えています。


そっと折り重なった広がっていく花模様
きっと誰かの道を彩っていくのでしょう

今岐路に立って 足が少しすくむよ
怖くてもいい あなたの待つ方へ

花筵
Cメロ


 花弁が散るのは、その花の命が尽きたから。
 でも、その花びらによって、居なくなった人によって彩られる道がある。

 それが、この曲の意義の一つだと、私は考えています。


 

 ここまで長々と話してきたので、次はいよいよ私の話になります。

 ここまで書いてきて、あれなのですが、人の命についての話をします。

 大丈夫な方だけ、ついてきてください。私も、向き合うので


消えない後悔

 私の人生には、後悔が沢山ありますが、そのなかで、たった一つだけ、一生消えない、「どうしようもない後悔」があります。

 受験に落ちたことも、AqoursのLIVEに行けなかったことも、そんなことと比べたら、遥かにどうでもいいぐらいの、一生のものです。


夢が叶って 景色も変わって
なぜだろう こんなに 寂寞かすむ

花筵
2番Bメロ

 夢は叶った。念願だった大学の学部に行けて、将来の夢は、もう叶ったも同然。

 なのに、何故だろう。四月に近づくにつれ、毎年、こんなにも悲しくなるのは。




 私には、ひいおばあちゃんがいました。「ロンくん」という犬を飼っていたから、「ロンくんのおばあちゃん」って、呼んでました。


 高校三年生の三月の事です。私は受験に落ちました。

 ここに詳しく書いてありますが(27000字もあるので、読まなくていいです)、絶望の日々を過ごしていました。

 そのころ、ロンくんのおばあちゃんは、詳しくは覚えていませんが、認知症を合併した、何かしらの病気で入院をしていました。



 とある日の事です。
 受験に落ちたので、いい意味でも悪い意味でもひと段落付いた私は、勉強ゆえにずっと行けなかったおばあちゃんのお見舞いに行きたい、と思いました。

 なので、ロンくんのおばあちゃんに、その旨を伝えておいてくれ、と祖母にお願いしておきました。


 すると、あくる日、祖母から返事が返って来ました。

 「なんか、『(はまーの下の名前)くんは、家の希望だから、お見舞いなんか来なくていいよ。勉強頑張ってね』って言ってたよ」

 「ずっとね、(はまーの下の名前)くんは、(私の将来の夢)になるんだよ!って周りに話しててね

 とのことでした。


 ロンくんのおばあちゃんは、軽い認知症だったため、私の事はまだ十分覚えていました。

 そして、私は、親族の中では、偶然目指していた学部と将来の夢が、珍しかったため、周りから大きな期待をされていました。


 受験に落ちても、私の事を誇りに思って、ずっと信じてくれて。
 私は、その想いに、応えられただろうか。



 今だから、分かったもう一つの事があります。

 受験を受ける前に、ロンくんのおばあちゃんから、福岡の天満宮のお守りを貰いました。

 後から聞いた話ですが、その天満宮は、少し高いところにあり、ロンくんのおばあちゃんは、入院する程体が悪いのに、私の為に、歩いて登ってくれた、とのことでした。



 ずっと、信じてくれてた。こんな俺を。


 当時は適当に貰ってたけど、今なら分かるよ。

 これが、「愛してる」ってことだったんだね。

「愛してる」その意味も知らなかった なのに
どこか懐かしい思い 胸に残る

花筵
2番サビ


 そのお守りは、今でも大切に、カバンにつけてます
 浪人期の登下校のカバンにつけてて、苦しいときも、辛いときも、逃げ出したかった時も、僕をずっと見守ってくれてたお守りです。

 私の命を懸けたと言っても過言ではない受験の日も、そのかばんで受けました。

 だから、受かったんだと思います。



 お見舞いに行くよって、いう私の願いは、最後まで叶わず、その日を迎えます。

 令和になる一日前。

 2019年4月30日。

 腐った顔をして、現実逃避でゲーセンにいる時でした。
 母親からのLINEで一言。

 「ロンくんのおばあちゃんが亡くなったって。」


 何も実感がわきませんでした。
 怖くも悲しくもなくて、ただただ、心が空っぽになっていきました。


 「次の日に葬式があるから来る?」

 と母親の言葉が続きます。


 自分は何もわからないまま、「行くよ」と伝えました。

 私の人生は、運がいいことに、親族が亡くなったことは、浪人期までの19年間で一度もありませんでした。

 だから、何も実感が湧かなかったのだと思います。


 ですが、浪人費用を出している、祖父母にそのことを伝えると、何故か断られました。

 理由は、私の授業がその日に入っていたからです。

 ロンくんのおばあちゃんは、私に勉強して欲しいって思ってると思うよ、と伝えられたら、私には何も返す言葉がありませんでした。


 2019年5月1日。令和の一日目。

 祖父母の言いつけ通り、授業を受けていた私ですが、話など入ってくるはずがありません。
 いくら時間が経っても、いくら話を聴いても、心が虚しくなっていきます。


 そのままその日の授業が終わります。

 私は、走ったら間に合うかもしれない、という淡い希望を胸に、すぐスーツに着替え、人生で一二を争うほど全力で走りました

 肺が焼けたように痛かったのを覚えていますが、そんな痛み何て、どうでもいいぐらい、死ぬ気で走りました。


 そして、どうにか間に合います。
 その時に、祖父母から言われた一言が衝撃的でした。


 「(はまーの下の名前)くん。勉強があるのに来てくれて、ありがとう」


 この瞬間、自分は、自分の事が人生で最も許せなかった。


 自分の将来の夢は、人の命に関連した職業です。
 そんな職業を志している自分が、たかが勉強を優先した程度で、たかがその職業を目指している程度で、人の命より優先されて。

 感謝されて。


 受験に受かっていれば、結果論かもしれないけど、お見舞いに行けてた。
 結局自分の怠慢と驕りが、一生消えない後悔を僕に刻みました。

 そんな自分が情けなくて、どうしようもなく死にたくなりました。


 だから、この瞬間、人生で初めて、「本気」になれました。


 自分の命を「賭けて」でもなすべきなんだって。

 俺みたいな愚鈍な人間は、命を賭けなきゃいけないんだ、って。

 初めて、覚悟が決まりました。



 受験に受かるまで、お墓参りには、一度も行きませんでした。

 絶対に、合格して、行くって決めていたので。


 第一志望合格発表日の、2020年3月9日。
 受かったって分かった瞬間、すぐ祖父母の家に行き、祖父に一言伝えました。


 絶対に行きたいところがある、連れて行ってくれ。

 って。



 祖父母の家から車で20分のところにある、お墓に行き、目の前に立って、手を合わせました。


 これまでの後悔がぶわっと、脳裏を焦がすように、沢山浮かんできました。


 ずっと信じてくれてた、ロンくんのおばあちゃん。
 やっと言えたけど、遅くてごめんね。

 俺が、情けなくて、ごめん。

 ずっと泣きながら、10分以上、「ごめん、ごめんなさい…」

って泣いていました。



 僕が受験に受かったのは、僕の実力ではありません。
 確かに、純然たる事実として、他の受験者より自分が賢かったから、受かったわけなのですが、それは、僕が凄い、という訳ではありません。


 ロンくんのおばあちゃんに並ぶ、僕を信じてくれて、支えてくれた、全ての人が、凄いから、僕が受かったのです。


 綺麗ごと抜きで、今でもそう思います。
 ひとりじゃ、なにもできない自分だからこそ、ひとりじゃないんだなって、いつも思っています。


 Aqoursの「想いよひとつになれ」で「いまさらわかった ひとりじゃない」って歌っていますが、私は、こういった「いまさらわかった」ってなるのは、何かを喪った瞬間だと考えています。

 桜内梨子だって、ある種高海千歌の支えを失って、ひとりで舞台に立ったからこそ、そこには、本当はみんなの支えがあった、ということに「いまさら」気づいたのですから。

 

 私だって、ロンくんのおばあちゃんが亡くなって気づきました。
 こんなにも、「愛されていた」んだなって。
 こんなにも、「愛していた」んだなって。




今岐路に立って 足が少しすくむよ
怖くてもいい あなたの待つ方へ

花筵
Cメロ

 生きるということは、当然ですが、死に向かっていく、ということで。
 それは怖いことかもしれません。

悠遠に果てしなく続いてく道
柔らかな風に一人背中押されて

さらさらと遠くまで流れゆくまま
この先のことは誰もわからないけど
いつだって今だって時は前に進み
またいつの日か重なる二人の影

花筵
ラスサビ

 でも、生きてるからこそ、亡くなった人の価値を、自分が感じることが出来ます。


 亡くなった人に向き合えなかった後悔があるからこそ、今生きている人に、めいいっぱい向き合おう、となれます。

 後悔しないように、一瞬一瞬生きよう、となれます。


 ふとした時、哀しくなります、それでも。
 でも、だからこそ、僕は、頑張ろうってなれます。


 だって、ロンくんのおばあちゃんの自慢のひ孫なんでね。

 僕が頑張って、周りに認められたら、それこそ、ロンくんのおばあちゃんの言ってたことを、僕が信じることに、繋がるのですから


最後に

 こんなに泣きながら書いた文章は初めてかもしれません。

 でも、この文章を書いたのには、ちゃんと読んで下さっている貴方にも、伝えたいことがあるからです。


 永遠なんて、無い。


 Aqoursも、僕の推しも、きっといつかは活動が終わって。
 僕自身もどんどん忙しくなる中、イベントに行くのも普通ではなくなって。


 それは人の命も同じで。
 
 だからこそ、改めて、あなたの周りにいる人を、大切にしてください。
 きっと、僕はお見舞いに行けていたとしても、後悔はしたと思いますが、でも、ちゃんと想いは伝えられたと思います。


 だから、どれだけ人を大切にしても、最後は後悔するかもしれませんが、それでも、なるべく、できるだけでいいので。

 ふと、アイツ元気だったかな?ってメッセージを送るだけでもいいので。

 きっとそういったことが、いつの日かの誰かの「花筵」になると思います。

 このブログを読み終わったら、是非、歌詞を見ながら、「花筵」を聴いてみてくださいね。



 自分の道には、今、三種類の花びらが散っています。
 ここでは話していない、もう二人の友達がいます。

 それぞれが、僕の道を彩っていて、ふとした時に、僕の背中を、押してくれます。

 この道を、一歩一歩。
 後悔なく歩んで、輝かせることが、私の証明です。




 ロンくんのおばあちゃんへ。

 ダメダメだけどさ、ひとことだけ。


 どれだけ、情けなくても、俺の事、信じてくれて、ほんとうに、ありがとう。

 心から、愛しています。



母校に合格発表に行った時の写真


2023/02/26 2:52
ひとりじゃない、って言えるようになったはまーより

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