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不動産高騰時代の旧耐震物件(分譲マンション)の選び方 ヴィンテージマンション
◆自己紹介
・会社について
静岡県浜松市にて不動産業を営んでいる会社です。
元々は建設業者として1982年に創業し、不動産業としての免許取得後はどちらの事業も並行して行っております。
ホームページ https://hamasa-corporate.studio.site/
・担当者について
3代目継承予定者です。
略歴:電鉄系の不動産会社(売買仲介メイン・賃貸仲介、管理対応)→不動産テックの会社を複数社経験(①BtoB SaaS・中古マンションの提案アプリ、②ローンテック、③電子契約)
皆様に寄り添ってその人にとって正しい物件選びのサポートをさせていただいています。
はじめに
非常に不動産価格が高騰している昨今、物件を選ぶ上で予算で悩む方は多いかと思います。
安い物件があったかと思うと築年数が古く、なんとなく怖いから検討から外す方も多いのではないでしょうか?
古い物件(旧耐震物件)は買ってはいけないのか?
そんな疑問を解決できれば幸いです。
※今回の記事では不動産価格高騰の背景については深掘りしませんが、色々な要因・見解がありますので個別にお話できれば幸いです。
早速結論となりますが、古い物件であっても
「きちんと選べば」
購入しても大丈夫です。
なお、筆者の私は4年ほど前に自宅用に23区内に1LDKの旧耐震物件を購入しています。
当時はコロナ前で今よりは高騰はしていなかったものの、リーマンショック後の金額と比べるとおおよそ1.5倍程度になっていました。
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当時、この価格のギャップを考えるとちょっと悔しい気持ちになってました。
それでも購入した方が資産性を考えると良いという考えだったので、購入物件を探していました。
ただ、自分の予算で住みたいエリアの物件を探すと旧耐震物件しか出てこないので、選択肢は旧耐震物件一択でした。
その中で不動産仲介の営業マンとして働いていた私がどのような物件を選んだのか、経験も含めてお伝えしたいと思います。
旧耐震物件とは?
そもそも旧耐震物件とはどのような物件のことを指すのかご存知でしょうか?
不動産において旧耐震物件とは1981年の建築基準法の改正によって、1981年5月31日までに確認申請を受けた建物のことを指します。
あくまで築年日ではなく、確認申請を受けた日が重要になります。
マンション等の大型建築物については1982年〜1983年あたりがボーダーになるイメージです。
デメリット(リスク)について
デメリットとしては大きく次の4つがあります。
・安全性
旧耐震基準では震度5程度で倒壊しない、新耐震基準では震度6強〜7程度で倒壊しないという基準があります。つまり、基本的な設計の安全性が大きく違います。
・資産性
少なくとも40年以上は経過している物件になりますので、共用部が傷んでいるケースもありますし、長らく良い管理がされていない場合、管理状況が良くないこともあります。
そういった物件は安かろう、悪かろうという評価になってしまいます。
・金融機関の選択肢
銀行によっては住宅ローンを貸出する基準として新耐震基準を求める場合があります。
旧耐震基準でもOKな金融機関については個別にご紹介をさせていただきますので、お気軽にお申し付けください。
(・税制優遇を受けられない)
括弧書きになっているのは後述しますが、受けられるケースもあります。
基本的には、
不動産購入時にかかる登記費用軽減
不動産取得税軽減
住宅ローン控除
など、税制優遇に該当するものが受けられないです。
選び方3箇条
上記のデメリットはありますが、とはいえ当時の私のように予算を考えると旧耐震物件が選択肢になる事も多いかと思います。
その場合には次の3つを絶対条件として確認することをオススメします。
・管理状態
・安全性(耐震性)
・立地
・管理状態
管理状態についてですが、これは現地にて実際に確認することも重要ですが、財務状況や共用部分の修繕履歴や将来の修繕などを確認します。これは管理組合が作成する
重要事項調査報告書
長期修繕計画書
に記載があるので、売主側の仲介業者に依頼して取得をします。
https://www.kanrikyo.or.jp/report/pdf/gyoumu/27-292-2gyoumu.pdf
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共用部分の配管関係やエレベーターなど大きな修繕をいつやったのかorやる予定なのか
マンションの管理組合にお金はあるのか
といった内容を確認します。
・安全性(耐震性)
安全性については旧耐震だからダメかというと、そうではありません。
耐震検査を受けていない物件については、なるべくですが慣れていない方は避けた方が良いかと思います。
耐震の検査を受けた物件では、
①NGの箇所が出ている物件
②NGが出ていない物件
③NGが出ているが耐震改修をしている(する予定)物件
このパターンがあります。
①について:判断基準が難しいので、できるだけ避けておいた方が良いかもしれません。一部金融機関については旧耐震物件は融資するが、検査をしてNGになったという事で融資不可になることもあります。
②について:昔の基準で建築されたのに、今の基準に適合しているという非常に意識の高い物件と言えるでしょう。
③について:検査の結果NGが出たが、耐震補強をすることにより現在の基準に適合した、という物件になります。
ちなみに、私が購入した物件はこちらの③に該当する物件です。
②、③については耐震基準適合証明書等を提出することでデメリット欄に記載した様々な税制優遇を受けられることがあります。
気になる物件がこういった物件に該当するのかどうか、お問い合わせいただければ幸いです。
・立地
これはどの物件を選ぶときも該当する話になってしまうのですが、なんだかんだいっても立地が良い物件が強いです。
ある程度のデメリットがあろうとも、立地が良ければ取引はされますし、老朽化してきた場合にデベロッパーも建て替えに動いてくれやすくなります。
最近ではライフステージの変化(子どもが独立、家族形態の変化など)があった際には転居する前提で物件をお探しされる方が多いかと思います。
これに対応しやすいのは取引が活発な物件=好立地物件です。
まとめ
結論としては、旧耐震物件でも選ぶ目を養えば選択肢に入れても良いです。
ただ、一般の方がどれが良いのかというのは分かりづらいと思いますし、物件を売主様より預かっている仲介業者や、売主業者などは当然ポジショントークをしてしまいますので、第三者による判断があった方が良いと思います。
学区や住環境など理想のエリアはあるのに予算的に厳しい…そんな時は旧耐震の物件もご検討されてはいかがでしょうか?
まずは気になる物件などございましたらポータルサイトのURLなどを添えてHP下部のお問い合わせフォームよりご相談いただければと存じます。
皆様のお問い合わせ心よりお待ち申し上げます!