不思議な鳥

いつも通っている近所の公営図書館の前は広大な空き地が広がっている。

何かの建設予定地だったのだろうか?相当な延長になる境界線はキッチリと針金と杭で作ったフェンスで仕切られていて、一か所大型車両も通行できるぐらいの出入口もしつらえてある。

およそ半年前には、トラクターに引かれた草刈り機を走らせて、ほぼ全面雑草を刈り取り、何かいよいよ工事でも始まるのか?と思っていたが何も起こらず、今は再び雑草で覆われている。

私が妻と暮らすようになってかれこれ5年になろうとしているが、それ以前から、その空き地の上空を、不思議な鳥が舞っている。

いつも一人。

あたかも遊んででもいるかのように、ホバーリングして、中空の一か所にとどまり続けている。餌でも探しているのだろうか?

遠目には鳩ぐらいの大きさに見えたのだが、よく注意して見ると鳩よりも大きく、尻尾の羽根が長い。

ホバーリングの仕方を見ても、翼の動きの優雅さが、鳩のそれとは異なる。

運よく近くで見ることができると、模様も鳩というより鷹に近いことが確認できる。

でも、鷹にホバーリングができるとは思えない。彼らは滑空専門のはずだ。ホバーリングが得意な鷹もいるのだろうか?

空き地が広大なため、見通しが良くて、その姿は頻繁に見られるのだけれど、中々近づかせてはもらえない。

「おっ!今日は柵寄りだ!」と思って近づいていくと、決まってホバーリングを止めて柵から遠ざかってしまうか、空き地から飛び去ってしまう。

ただ道路を隔てた歩道を普通に歩いているだけなのに。

私が注意を向けているのが分かるかのようなのだ。

一度間近でお顔を拝ませてもらえたらなーと常に思わされている。

いいなと思ったら応援しよう!