ロペス、記録とその先を見据えた抹消

8/26(水)、DeNAのホセ・ロペス内野手が1軍登録抹消となった。ロペスはDeNAに移籍してきて今年で6年目を迎え、現在36歳のベテラン外国人だ。怪我以外での登録抹消はDeNAに移籍してきてからは初めてのことで、それだけに今季の不振は重く、首脳陣としても厳しい決断を迫られた形となった。

ロペスは2015年からDeNAに移籍してきた外国人選手で、その前は巨人にいたが一塁手としては打撃面で物足りなさがあり、四球少なく、チャンスの場面で凡退する姿が目立った点などで巨人を放出されたところを、DeNAが獲得した形だった。DeNAには前年までブランコがいたが、怪我がちになっていたのと成績が下降していたことで、ブランコを放出してロペスを獲得することとなった。

当初、ロペス獲得に関してはファンの間でも評価が2分していて、本塁打を打てるブランコの方を評価する声も少なくなかったが、結果的にこの外国人選手の入れ替えは大成功となった。ロペスはその後DeNAでは5年連続20本塁打以上の活躍で怪我も少なく、何より守備が非常に優れていて一塁守備が盤石な状態になった。ブランコはその後オリックスに移籍したが、体重増から更に怪我がちになり打撃面でもなかなか結果を残せなかったことを考えると、このDeNAの外国人選手の見極めは機能していたと言えるだろう。

守備面で特に貢献していたロペスは2017年から3シーズンに渡って一塁守備無失策を続け、NPB一軍公式戦最長記録となる一塁手としての1632守備機会連続無失策の記録を残した。非常に安定した守備ができるロペスだからこそ為し得た記録で、DeNAが2016年以降に順位を上げてきたのもこのロペスが一塁手として盤石な状態だったからこそだろう。

そのロペスが、今季は衰えを隠せない状態にきてとうとう1軍登録抹消となってしまった。この原因は年齢による衰えと考えられ、昨年から打率が低下してバットコントロールに陰りがあるなど予兆は見えていた。今季はロペスの打撃の象徴とも言える引っ張ったレフトへのホームランが減少し、捉えたと思った当たりが失速してレフトフライになることが何度もあった。おそらくこの変化にはロペス自身が1番実感しているはずで、本人が1番悩んでいるところだろう。

ロペスはこの6年で成績面での貢献だけでなく、チームのまとめ役としても大きく貢献していた。筒香とはプライベートでも仲が良く、筒香がキャプテンの時にはよく支えて、筒香も気兼ねなく何でも相談できる相手として心の支えになっていた。チームメイトからは「チャモさん」の愛称で親しまれ、ベテランながら誰とでもフレンドリーに接していてムードメーカーとしても大きな存在感がある選手だ。そのロペスが降格ということで、チームメイトにもショックはあるだろう。

ロペスは大きな記録を目前にしている。日米通算2000試合出場まであと1試合。日米通算2000本安打まであと22安打。日米通算300号まであと18本。FA権取得まであと57日。これらの記録を達成する直前に登録抹消となったのは辛いところだが、今のロペスの状態を考えればむしろ、これらの記録を良い形で迎えるために抹消させたという風にも見ることができそうだ。

シーズン残り日数を考えれば、2000試合、2000本安打、FA権取得などはまだ十分達成可能であり、1度休養してリフレッシュして調子を上げてきてからこれらを達成するのが望ましい。チームとしてもロペスの復調は非常に重要で、一塁手としてもムードメーカーとしても、ロペスにはシーズン終盤には居てもらわないと困るし、その時に先頭に立って大きな活躍ができる状態であって欲しい。そんなロペスやチームにするために今ここで登録抹消するのであり、前を向いた一手として考えたい。


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ハマノンタン
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