DeNA打線の起爆剤になるのは誰か?
DeNAは8/21~23の1軍中日戦のカードで3タテされ、やや1軍の調子が落ちているように見える。
これは先発の今永・平良を欠いていることの影響とも考えられるが、この3連戦では大貫・阪口・伊勢の先発でそれぞれ6回1自責点、5回4自責点、2回0自責点という結果だった。3日目がブルペン陣のリレーのため先発の頭数が足りてない問題はあるが、今永・平良を欠いている投手陣にしては奮闘してると言えるだろう。
むしろ打線の得点力が無く、3試合合計でわずか1点しか取れていなかった。(2試合完封負け) 中日投手陣の状態が良くて抑えられたとも言えるが、わずか1点では打線に活気が無いと言われても仕方ない。
得点力不足の原因だが、併殺が多いなど打線の不運さも原因の1つではあるが、単純に安打数が足りてないというのもあるだろう。1試合目が5安打で1得点。2試合目が3安打で0得点、3試合目が5安打で0得点。3試合とも5安打以下で3試合で13安打の計算だ。ちなみに相手の中日は3試合で26安打となっていて打線の調子がかなり良い。これなら効率など考えずとも得点が入るという状態だ。
現状で打撃の調子が良い選手を挙げると、3試合とも安打のソト、2試合で安打の佐野・嶺井ぐらいだろう。外野の梶谷・神里はもう打率3割を切っていて、対左投手として期待されていた倉本も松葉・大野ら中日左腕から打つことができなかった。長距離砲のロペスも調子がなかなか上がらず、この3連戦ではわずか3打席の起用になっていて、結果が出ていない。
打線は水物とも言うし、次の広島戦からまた打線の調子が上がる可能性もあるが、そろそろ選手の入れ替えも考える必要があるのではないだろうか。
2軍選手の成績はこのような状態だ。成績のみで見るなら楠本が良いが、楠本は8/22に降格してきたばかりでまだ昇格はできない。それに楠本は今季、昇格と降格を繰り返していて、1軍でも2軍でも落ち着いて打撃に取り組む時間が取れなくなっている。1軍で結果が残せてないことを踏まえると、2軍で自分の打撃改善に取り組む時間が必要だろう。
次に目を引くのが細川だ。打率は3割近く、本塁打数がチーム内トップで出塁率やBB/Kを見ると選球眼も良くなっている。おまけに盗塁成功率が75%と高く、すでに6盗塁も決めている。唯一懸念なのが三振率の高さだ。昨年ラミレス監督が細川を2軍降格させた際に、三振率の高さについて言及していて、もしかするとこの三振率が高いことが昇格の妨げになっているのかもしれない。ただ、三振率を補って余りあるだけの他の指標の高さにも注目すべきだと思うし、梶谷や神里の状態があまり良くなく、楠本も2軍に落ちてきたことを考えれば、昇格させるタイミングとしては悪くないはずだ。
内野手だと伊藤裕が良くなってきた。出塁率と長打率が高く、この成績を見てもそこまで悪くない状態だし、8月の成績のみで見ると、打率.364 本塁打1 出塁率.462 長打率.455 OPS.916 盗塁2 という成績を残している。6・7月が絶不調だったがようやく盛り返して伊藤裕本来の打撃が出てきた感じだ。気になる守備は二塁と三塁で起用されているが、二塁はまだ守備範囲の狭さはあるものの動き自体は悪くなく、併殺プレーなども素早い動きができている。三塁の方も今のところ無失策で安定している。
少し前までは関根も良い状態で、現在も出塁率や長打率が高く、選球眼は2軍で1番良いと言えるほどの四球数で三振もかなり少ないが、打率が2割台前半になってしまった。8月の打率が1割台で、やや調子を落としている状態と言えるだろう。ただセンターを守れる選手なので、1軍でなかなか結果が残せてない桑原の代わりに昇格させるというのも手かもしれない。
同じ外野手だとルーキーの蝦名の状態が上がってきている。7月は1度も2軍には出れなかったが、8月に入ってから2軍戦に出場するようになり、打率は.250を切っているものの長打の本数が多く長打率が高い。選球眼もまずまずで、もう少し打率が上がってくれば1軍昇格のチャンスはありそうだ。
捕手の山本は6・7月は絶不調と言えるぐらいに全く打てていなかったが、8月に入ってからは打ち出している。8月の成績は打率.300 本塁打1 出塁率.483 長打率.650 OPS1.133となっていて、持ち前のパワーを発揮して長打を量産している。1軍捕手だと嶺井や高城の打撃が良いが、戸柱に疲れが出てきているか最近攻守で精彩が無く、1度休ませて代わりに山本を上げるのも悪く無さそうだ。
現状だと昇格候補になりそうなのは上記の選手たちだろう。逆に伊藤光やオースティンなど、本来1軍にいなきゃいけない選手たちがまだ2軍戦にも出ていない状態で、この2人は昇格までもうしばらく時間がかかりそうだ。
8/23のラミレス監督のコメントを見ると、もうしばらくは野手陣の復調に期待するという話が出ていたが、先発投手陣のやりくりに苦しい中で、打線まで調子が落ちてくるとなかなか勝てる材料が無くなってしまうため、この状態が続けばいずれ入れ替えが発生するだろう。その時には上記の選手たちにチャンスがあり、打線の起爆剤として活躍することを期待する。