無題
外に出たら雲の形でも眺めよう
天気がいいから海にでも行こう
今日の貴方は美しいから、写真を撮ってあげる
褪せない美しさを箱に詰めて、そのまま遺影になるまでとっておこう
このままつまらない映画の話でもしよう、
家に帰ったら昼寝でもしよう
沈んだ足取りを軽くさせるような
そんな都合のいいこと、どこにもないけれど
ただただ今朝見た朝日が薄ぼんやり空を紫や、ピンクやらに染めて、次第に橙になって、水色に溶け込む様を思い出している。
君が少女だった頃
何者でもなかったあの頃
サンダルを手に持ってコンクリートを駆けたあの頃
こんな話、笑われてしまうだろう
きっとそうなんだ。
いつだって、そう。いつまでだって。