五月の空

新緑の中で空を仰ぐ

青い空の広がる日は　
なんともうつくしく
なんともすがすがしく
深呼吸している
あいだを吹き抜けていく風まで見えるようだ

くもりがちな日は
くすんだ世界のすすはらい
空に向かってしなやかに
塵を巻き取り
踏み固められた地面に落としていっている

新緑は
どんな空の中にあっても
いのちを感じる色
いのちをつないでいる姿そのもの

手を伸ばすように枝が　葉が　空を仰ぎ
しぜんに心が引き上げられていく

新緑は
新緑は
いのちにつながる　しなやかな力に満ちて
きょうも五月の空の下にいる