見出し画像

衛星データで猛暑のよこはまを調べてみた

この記事は旧ホームページから移行されました。
記事の内容は2023年8月2日に作成されたものです。

こんにちは、はまみらいプロジェクトのアマノです。

最近は家に引き篭もりがちな4年生ですが、外は暑いですね〜。毎日大学に通っている後輩を見ていると大変そうに思います。

僕が1,2年生の頃はオンライン授業ばかりだったので、汗をかくこともなく自宅で快適に授業を受けていました。その反動で、今年は余計に暑い気もしています。

そういえば、先日気分転換に長野県に旅行をしたのですが、横浜より涼しくて快適でした。自然が多くて冷たい湧水も沸いていて、蜂に襲われて、、

あまりに気候が違うので、灼熱の横浜に戻りたくないなと思うほどでした。

さて、日頃の愚痴はこのくらいにしておいて、

今回の記事では、横浜は本当に暑いのかを調べたいと思います!!

今回使うデータは、JAXAの衛星GCOM-C「しきさい」搭載のセンサSGLIです。この衛星は地球の大部分を一日数回観測しており、日本付近のデータも多様にあります。そして、その一つである地表面温度(LST)について取り上げてみます!


1. 今年の夏の様子 〜2023年7月27日昼のデータ〜

まずは、最近のデータを見ましょう。2023年7月27日11時前後のデータです。JAXAの提供するデータをpythonで地図投影すると、次のような図が出てきました。

凡例の色は摂氏温度で分けています。地表面温度は標高の低い平野部、都市部で高くなっています。

東京や名古屋、大阪周辺では50度以上になっています。初めてこのデータに触れたときに、この温度の高さに驚きました。地面の温度って高いんですね。
横浜はどうでしょうか。関東近辺に拡大してみましょう。

都市化した地域で非常に高い値となっています。特に、最高気温が高くなりやすい内陸側で地表面温度も高いです。関東内陸部のヒートアイランド現象ってすごいですね。

横浜は黄色からオレンジ色で表されています。内陸部ほど暑くはないことがわかります。

先ほどのデータのヒストグラムです。地点数(area)は、地図上に現れたおおよそ250m×250mのデータの総数です。都市部を中心に40度以上の高い数値が出ていましたが、地図全体のピークは30度前後にありました。

以上から、まだ1日分ですが夏の横浜はそれなりに暑いことが衛星データで可視化できました。ただ、他の年と比べて高いのかどうか、あるいは年々上昇しているのかはまだわかりません。3項でもう少し調べてみましょう。

2. 夜のデータを見てみる 〜2023年7月28日夜のデータ〜

ここでは、夜になると涼しくなることを示すために、次の日(7月18日)の20時前後のデータを見ましょう。

消えているところは、雲に隠れてしまった箇所です。日中と比べて温度は下がりました。関東近辺も見てみましょう。

内陸部でも35度前後でしょうか。横浜は30度前後まで下がりました。日頃の生活で体感するように、夜の方が涼しいみたいです。

ヒストグラムです。ピークは26度前後でした。20度前後の地点も多いです。標高によっては20度を下回るのでしょうか。日中温度が高かった地点も、夜間は冷えるようです。

3. 2021年7月と2023年7月の地表面温度を比べてみた

引き続きSGLIの衛星データを使って、調べていきます。

まず、2023年の7月の3日分のデータを平均したものです。具体的には、7月16,24,27日の9時から11時ごろのデータです。

続いて、2021年7月のデータです。こちらは、7月17,20,21日の9時から11時ごろのデータです。

そしてこれらを地点ごとに比較します。

結果は2021年から2023年にかけての絶対温度の増加率(%)で算出します。増加率は、2023年の平均値と2021年の平均値の差を2021年の平均で割って、100をかけています。白色の部分は欠損、あるいは変化のない地点です。

全てのデータが揃った地点のみの計算となるため、地点数は減っています。それでも、全体としては2023年の3日間平均の方が暑かったことがわかります。

また詳細に地点を見てみると、赤色の地点に関しては2023年に平均温度が増加したことがわかります。

こうしてデータを調べてみると、今年は2021年以上に暑いことがわかりました。

このように地球や日本の地表面温度は衛星データで解析することができます。平均をとる日数を増やしたり対象年を増やしたりすることで、さらに信頼できるデータを得ることもできるでしょう。

4. 終わりに

いかがだったでしょうか。記事作成者は、データ作成に時間がかかり徹夜しました。それでも、目に見えない地球上のことが衛星データでよくわかります!!

今回、横浜や関東地方が他の都市部以外の地域よりも暖かいことがよくわかりました。また、過去年次との比較も実際にできました。このことが伝わっていると嬉しいです。

最後に記事の結論を一言で締めくくりたいと思います。

「よこはまは周辺地域と比べて思ったほど暑くなかったが、2021年よりも暑かった」

<参考文献>

・G-portal、JAXA、2023-8-2閲覧、https://gportal.jaxa.jp/gpr/

・北海道の暑い夏、リモートセンシング技術センター、2021-8-25公開、2023-8-2閲覧、https://www.restec.or.jp/knowledge/earthgallery/20210825.html

・サイトポリシー 利用規約、JAXA、2023-8-2閲覧、https://www.jaxa.jp/policy_j.html

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?