桜木町に残る高架の正体
こんにちは。はまみらいプロジェクトの山門です。
横浜ランドマークタワーやコスモワールド,野毛山動物園など周辺に数々の見どころがある桜木町駅。この駅には現在,JR根岸線と横浜市営地下鉄ブルーラインの2路線が通っています。しかし皆さんはちょうど今からおよそ20年前までもう一つの路線が通っていたことを知っていますか?その路線とはずばり・・・・・・
東横線
です。東横線は現在渋谷駅から横浜駅までを結び,横浜駅から先はみなとみらい線に直通運転しています。都内や横浜市北東部などから乗り換えなしでみなとみらい地区や中華街までアクセスすることができる路線ですがかつてみなとみらい線が開通する2004年までは横浜駅から桜木町駅までも伸びていました。また現在も残る反町駅周辺の区間は当時地上に線路がありました。今回の記事では東横線が桜木町まで伸びていた20年前のころの痕跡を東白楽~横浜と横浜~桜木町の二つに分けて紹介します。
1.東白楽~反町~横浜
東白楽駅を降りて横浜方面へ徒歩3分ほど歩いたところで東横線の線路はだんだんと下り横浜の地下へと潜っていきます。
地下へ潜った東横線の真上には横浜方面に向かって歩道が整備されています。
この道を進んでいくとこんなものが見つかりました。
この遊歩道,実はかつて東横線が地上を走っていた頃と全く同じ場所に作られたものなんです。名前はその名も東横フラワー緑道。この付近の線路は高架構造だったので厳密には高さなどが違いますが横浜駅周辺まで当時とほぼ同じ線路の跡をたどることができます。
トンネル入り口から少し進んだところに小さな広場のような空間がでてきました。ここは新太田町駅という駅があった場所です。この駅は1945年の横浜大空襲の際に被災し翌年に廃止されました。すでに廃止されてから80年近く経っておりその痕跡を見つけることは困難です。
さらに500mほど進んで横浜新道を渡ると反町駅に到着します。
反町駅は各駅停車しか止まらない駅で,東横線単独の駅としては最も利用客が少ない駅です。周辺には古くから昔話の浦島太郎伝説が残っており,外壁の一部にはそれにちなんだデザインがなされています。
こちらは反町駅からふたたび横浜方面へ歩き出すとすぐにトンネルが見えてきます。高島山トンネルです。こちらも20年前まで東横線が走っていたトンネルで廃止後に整備され,6時から21時半まで通行することができます。反町駅周辺と横浜駅を結ぶ近道になっており頻繁に人の往来が見受けられました。
トンネルを抜けると横浜駅はもう目と鼻の先・・・・・・ですが実は抜けてすぐの付近にもかつて駅がありました。その名は神奈川駅です。このえきも先ほど紹介した新太田町駅と同様に横浜大空襲で被災し営業を休止したまま1950年に廃止されました。
そして東横フラワー緑道もこの付近でついに途切れます。
途切れた先の跡地にはホテルなどが入ったビルが建っているのですが,このビルと横浜駅の駅ビルはまさに東横線の線路の跡をたどるようにしてはまレールウォークという連絡デッキが整備されています。それを示すようにこちらにもレールが埋め込まれています。
2.横浜駅~高島町駅~桜木町駅
これまで紹介した区間は住宅が多い地域でしたが,この先の区間は多くのビルやマンションが立ち並ぶ横浜屈指の都心エリアになります。下の画像の青い矢印が今東横線が直通するみなとみらい線のトンネルのルートになります(矢印の先も続いています)。これから紹介するかつての東横線の線路は画像の赤い線で引かれたルートでほとんど現在の根岸線の真横を通っていました。
今の横浜駅西口の駅ビルと横須賀線ホーム付近にあった東横線ホームから線路は東海道線をまたいですぐに根岸線に合流し桜木町まで真隣を走っていました。ほとんどの高架橋が残っている中,劣化が進み撤去された部分も存在します。
またブルーラインと同様に東横線にも高島町駅が設置されていました。今でもホームの跡などが見つけられます。
根岸線に沿うように今も残る東横線の跡地ですが,桜木町駅手前の紅葉坂交差点付近から駅に向かって遊歩道として開放されており,段階的に横浜駅まで延伸する予定になっています。またすでに開放されている箇所では時々イベントが開催されており,ワークショップが行われたり,過去にはヨガの体験会が行われたこともあります。
こうしてついにかつての終点桜木町駅に到着です。
実はこれまで紹介してきた昔の東横線を使っていた横浜出身の有名人がいます。それは夏色や栄光の架橋で知られる“ゆず”のお二人です!ゆずはかつて東横線の桜木町駅を頻繁に使っており,廃止される際には思い出の地ということで「桜木町」という曲が作られました。更にその後「桜木町」のアフターストーリーとして作曲された「NATSUMOGATARI」ではミュージックビデオにところどころ東横線の廃線跡が登場します。
いかがでしたか。桜木町によく行く人やゆずのファンの方々はぜひ少しでも気にしていただけたらと思います。
参考文献
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/toshiseibi/design/mokuhyo/jitsurei/toyokokatsuyo.html
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/kotsu/tetsudo/atochi.html
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