愛車遍歴
愛車遍歴、というほどまだ車を乗り継いでいない。
今乗っている車で二台目。
車を最初に買ったのは、日本で、ではなくアメリカだった。
アメリカのノースカロライナ 州で、妻の前任者から引き継いだボロボロの16万キロ走った三菱ランサーだった。
ランエボ、ではなくランサー。
日本ではギャランという名前で、営業車としてよく使われている車種らしい。
免許もアメリカで取得した。
そのランサーが大好きで大好きで仕方なかった。
誰しも車を買うとしばらくはその車を溺愛してしまうらしい。
ボロボロのランサーで、片道4時間かかる大西洋側のアウターバンクスまで出かけて、目の前が見えないほどの豪雨に襲われた。
ニューオリンズまで、約三日かけてドライブトリップしたこともあったし、ワシントンD.C.まで旅して、そこからさらにニューヨークに行く途中に玉突き事故にあったこともあった。
帰国の前日にスピード違反を切られて、日本から刑事裁判を受けたこともあった(不処分)。
車は人生で買う二番目の大きさの買い物であり、ものではない特別な相棒感があり、移動する秘密基地であり、どこへでも連れて行ってくれるどこでもドアである。
今乗っているポルシェカイエンも中古で、けしてピカピカではないが、それはもう溺愛している。
彼女(カイエンは女性だと思う)が走らなくなるまで、一緒にどこまでも遠くまで、たくさんの思い出を作るのだ。