TOMORROW X TOGETHER 『ひとつの誓い (We'll Never Change)』billboard JAPAN Hot100 2024/7/1~7/7 振り返りと結果分析レポート
■2024/7/1~7/7 (7/10公開) 結果
●タイトル曲「ひとつの誓い」が「HOT100」で2位にランクイン。自己新記録を達成。
■ Chart insight 構成比グラフ
■ Chart insight 各指標ランキング
461,591枚を売り上げCDセールスでは首位を獲得
6,114DLで、ダウンロードチャートは7位
ストリーミングとラジオは100位以下で圏外
YouTubeは359,665回再生(独自算出)で95位
カラオケはリリース週の配信がないため、圏外
■ Hot100 結果内訳
【CDセールス】
初のオリコン週間シングル1位獲得! しかしながら、ハーフミリオン達成とはならず。
『誓い (CHIKAI)』は初週に46.1万枚を売り上げ、初のオリコン週間シングル1位を獲得。前作『GOOD BOY GONE BAD』は初週50,1万枚でハーフミリオンを達成しましたが、週間ランキングは2位でした。つまり、今回は1位を獲得出来ましたが、売り上げ枚数は前作を下回り、ハーフミリオンには至りませんでした。要因として、大阪での「ミート&グリート」が無かった点や、シリアル特典などの追加発表を期待して買い控えした方が一定数いたことなどが考えられます。
一方で、木曜にビルボJP※から速報値として41.5万枚が発表されました。この時点で当週のシングルセールス首位は見えていたものの、同時に初週でのハーフミリオン達成が難しい状況であることも把握できました。これを踏まえても、週後半にチャート意識を持って買い増しをする動向が大きく表面化することはありませんでした。
※ビルボJP…billboard JAPANのこと
【ダウンロード】
DL成績は前回シングルの約4.78倍の伸び!
日本3rdシングル『GOOD BOY GONE BAD』のDL数は1,280でしたが、今回は6,114と約4.78倍に伸びました。DL成績はHot100の指標の中で最も係数が高いため、DL購入の応援は欠かせません。今回、MOAに根付いているiTunesの購入以外にもレコチョク等のダウンロードサービスでの購入増加がこの伸びの大きな要因です。MOAの頑張りが現れた結果だと思います。
なお、iTunesのデータ遅延により2日間ランキングが見えず、イルモアの頑張りが見えにくい苦しい時間もありました。しかし、この状況は首位を争ったどの楽曲でも同じでした。決済履歴が残っている限りセールス数は確実に加算されています。今後はデータ遅延や予期せぬ事態にも動じず、タフにDL応援に臨んでいきたいですね。
また、今回の伸びの一方で、DL応援の支出が一部のMOAに偏ってしまったことが課題として残りました。今後は、イル活応援でのDL購入の重要性を広め、より多くの人に参加してもらうことが必要です。
【ストリーミング】
MOAの最大の課題ストリーミング
残念ながら、ストリーミングは100位圏外となりました。リリース初週において、イル活のタイトル曲でストリーミング順位が圏外になったのは、2020年リリースの日本2ndシングル『DRAMA』以来のことです。今回、LINE MUSICでのキャンペーンがなかった影響もあると思います。しかし、「ひとつの誓い」は初の日本語オリジナルタイトル作品として、日本のMOAのために特別に準備された楽曲でした。その曲がリリース週に日本で聴かれる回数が非常に低かったのは、残念な結果と言えます。
MOA以外の方にTXTの楽曲を広く長く聞いてもらうためには、MOAのストリーミング応援が欠かせません。今回の応援に限らず、イルモアのストリーミング数は常に課題です。多くの人に愛される楽曲にするためには、MOAが種まきをすることが大切です。この種まきはMOAにしかできません。無料での応援方法も豊富にあります。
ストリーミング・通称「スミン」を習慣づける重要性を今一度考えてみませんか。
【ラジオ】
まずはラジオリクエストにチャレンジしてみましょう!
ラジオは、アーティスト自身の番組の有無やゲスト出演、ラジオのパワープッシュ(広告)などが大きな影響を及ぼす指標です。
しかし、ファンによるラジオリクエストも非常に効果的です。ラジオリクエストチームを結成し、年間を通してパーソナリティとの関係を築いている例もあります。イルモアもラジオ応援への工夫や改善の余地がありそうです。他の指標の応援を優先しつつも、まずは1回リクエストを送ってみるところから始めてみましょう。
【YouTube(MV再生)】
「ひとつの誓い」急上昇11位に留まる
日本での再生数は1週間で約35.9万回でした。音源ストリーミングと同様に、YouTubeのストリーミングも課題です。
『Deja Vu』ではYouTubeの急上昇「1位」を達成した実績がありますが、今回は「11位」まででした。このMVは日本オリジナル曲のために撮り下ろされたものです。引き続き、1日に1回以上見る習慣や、周りの人にMVをシェアする習慣を続けていきましょう。その一つ一つの意識と行動が、大きな数字につながります。
MVは韓国の音楽番組の成績だけに貢献するわけではありません。再生数が高ければ高いほど、YouTubeの仕組みにより動画の露出率が上がり、多くの人の目に触れるようになります。これにより、彼らのMVがさらに注目される好循環が生まれます。また、MV公開後24時間の再生数は全世界のあらゆる人々に注目されており、それが人気度の評価軸として広く認識されています。さらに、業界の人々にとっても起用の検討材料となります。
まずはMVを楽しむために鑑賞することが大切ですが、再生回数が持つ力を知ることで、よりYouTubeの再生数を意識するようになるのではないでしょうか。
【カラオケ】
リリース初週のカラオケ配信はほとんどなく、点数は元々見込めないため、ここでは割愛します。
■日本3rdシングル『GOOD BOY GONE BAD』との比較
■前回の日本3rdシングル『GOOD BOY GONE BAD』との差について比較
●CDセールス 約3.9万枚減少
●ダウンロード 4,834DLも増加!
今後の課題は、一人当たりのDL数を積み上げるのではなく、購入者数を増加させること。
●ストリーミング 約141万回再生数が減少
ストリーミングの減少は、LINE MUSICキャンペーンの有無が大きく影響と読み取れます。また、『GOOD BOY GONE BAD』は韓国バージョンと再生数が合算されるため、多少の加算があったと考えられます。再生キャンペーンがあるとストリーミングが伸びるのはアーティスト起因型ファンダムとして健全ですが、キャンペーンがない時にもストリーミング成績の強さを発揮できるようになることが課題です。
●MV MVの再生回数は3.3万回増加。
『Deja Vu』で急上昇1位を獲得したこともあり、MV再生が応援に繋がっている意識は少しずつイルモアの中に定着しつつあるのではないでしょうか。それでも、再生回数はまだ少なく、課題が残る項目です。
■billboard JAPAN Hot100 2024/7/1~7/7のチャートにおいて、実際1位楽曲にどれだけ成績が足りなかったのか解説
●当週1位の楽曲は、指標構成を見るとDLとラジオが1位、MVが3位、STが12位と、非常にどの指標も強いです。リリース初週にきちんと高いポイントを獲得し、アーティスト側が施策に長けており、コアファンの方々のチャート意識もとても高いことを実感出来る結果です。
●私たちにとって苦い経験ですが、多くを学べる貴重な内容です。この現実から目をそらさずに向き合い、前に進むために敢えて解説します。これは自分たちを責めたり悲しんだりするためではなく、結果を事実として受け止めるためです。「己を知るは智の始め」です!
なお、1位の楽曲やアーティストに失礼のないよう、こちらが不足している点を話の軸に置いてお話します。
▼1位の楽曲と「ひとつの誓い」の間に各6指標で、どれだけ差があったか
1位楽曲はCD販売がない為、唯一上回った指標です。
DLは、GBGBとの前作比較で約4.7倍の伸びを示しました。しかし、チャートを強く意識するファンダムでは、週に3万DL以上を目指す視座となっているのが現実です。
ストリーミングとMV再生の意識の差が如実。
▼今回の「ひとつの誓い」の成績で1位を獲るには、各指標成績に対してあとどれだけ伸ばせばよかったかをシミュレーション
あくまでシミュレーションですが、ビルボの係数とMOAの現実的な伸びしろを考慮し、1位のポイントを獲得するための最短ルートを算出。
「ひとつの誓い」にはCDの指標があるにも関わらず、ここを活かしきれず、他の指標の弱さで1位のポイントに到達出来なかったことは最大の課題です。
ちなみに1位は今年日本の2大ドームで公演を行っていらっしゃるアーティストさんです。もちろん、アプローチや主な活動拠点は異なりますが、だからと言って目を背けるには非常に勿体ない貴重な経験と勉強材料です。
【補足とお礼】
当週のチャートは、毎週Hot100を予想している分析家でさえも「接戦で予想が非常に難しかった」と言うほどの混戦状態でした。
『ひとつの誓い』は土曜時点で1位候補でしたが、最終的には1位楽曲のラジオの上振れや、土日でのLINE MUSICやDLの伸びで大きく差が開いてしまいました。
初週の集計期間が迫る中、「1位候補にいるから、もう一息頑張ってみよう」と呼びかけた際に、一緒に走ってくれたMOAの皆様にここでお礼を伝えさせてください。本当にありがとうございました!
■最後に、Hot100に対する企業側のアプローチ強化について、個人的に改善してほしい点をまとめてみた
(ほぼ自分の備忘録)
ここまで、振り返りと今後の改善について、実際の数字を元に、一部厳しい指摘も含めて粛々とお話してきました。一方で、Hot100の1位を確実に目指すためには、企業側の戦略も重要だと考えています。
もし今後、シングルリリースでBillboard JAPAN Hot100チャートでの好成績を目指すのであれば、今後企業が改善すべき点を以下に提案します。
タイトル曲の月曜先行デジタルリリース
リリース前のプリアド、プリセーブの設置
リリース前のDL購入予約とそのキャンペーン開催
linkfireに、Billboard集計に反映するダウンロードサイト(レコチョク、mumo、mo-ra)を適切に記載
日本MOA向けの公式Stationheadパーティーの開催
リリース後のダウンロードキャンペーンは、単曲を対象とする/また、iTunesだけでなくAmazon、レコチョク、mumo、mo-raも対象とする
音源再生キャンペーンはApple Musicだけでなく、LINE MusicやSpotifyも対象とする/優先度をつけるのであれば、単曲リピートが可能なLINE MUSICを優先する
Spotifyのシェアキャンペーンはプレイリストのシェアではなく、タイトル曲単曲を対象とする/バイラルソングスチャートを意識するためにも単曲が望ましい
ラジオは初週のパワープッシュを検討する
コメントや出演するラジオ番組は事前に公式SNSで告知する
日本の音楽チャートに対するノウハウ・知識共有の強化・連携
日本で獲得できた喜ばしい成績に対して、迅速に反応しSNSを活用する
これはあくまでチャートのみを意識した観点からの提案です。当然ながら、企業やアーティストの事情や意思を尊重した前提で、チャートの為に最適な対策として提案する内容となっています。
要望は上記に加え、より詳細のガイドを添えて個人の意見として公式へお伝えしますが、敢えて公に提示することでMOAへのナレッジ共有を目的とし記します。明確な目標に向かい、企業・アーティスト・ファンが三位一体となって、より良い結果を目指して共に歩んでいけたら幸いです。
こんな長文を最後まで読んでくださった分析好きなMOAさん、お疲れ様でした!!
振り返りレポートは以上になります。
これからも『ひとつの誓い (We'll Never Change)』を沢山聞いて沢山鑑賞していきましょう!