
夢枕獏先生の大好きな作品を紹介したい。まずは『餓狼伝』
好きとか──
嫌いとか──
そんなことを最初に言い出したのは
誰なのであろうか。
この文で夢枕獏先生を思い浮かべることができるのなら、この先を読む必要はない。もう一度『神々の山嶺』でも読むといいだろう。
餓狼伝という未完の大作
終わるのかっ!?
この、作品が、である。
まだ、続いている──
『餓狼伝』が漫画になって連載していたのは僕が高校生くらいのとき。言わずとしれた『グラップラー刃牙』作者の板垣恵介先生の書く筋肉とマッチしすぎていて、原作の作者に興味を持った。それが夢枕獏先生との出会いだ。
ちなみに板垣先生も好きすぎて『メイキャッパー』も、習志野第一空挺団シリーズ『200000歩2夜3日』も、きちんと読んでいる。
ブックオフで餓狼伝の原作を見つけたのはほどなくして。たまたま一巻があっったので、高校の帰りに買ってみた。
面白い、、、、、、、っ!
「格闘」を「文」で書くというこの超絶難度の離れ業を見事にやってのける。痛み、質感、音に至るまで、頭の中に響くようだった。今まで読んできたどんな小説とも違う。絵なんてなくても殴り合いのスピード感が伝わる。凄い。
当時の最新刊まで買い漁った。あっという間にその当時の漫画連載に追いつき、原作も読み切ってしまった。原作が漫画を超えて面白かったのは言うまでもない。
今に至るまで、まだ完結はしていないようだが、一巻ずつでもそんなに気持ちの悪い終わり方はしないので、先を楽しみにしながらじっくり読んだりするとよいのだろう。先生は非常に多作なので、他に読むものがいくらでもある。ジャンルも幅広い。
夢枕獏先生の凄さ。その質感。
ジャンルは違えど、そのリアリティにいつも驚かさせれる。体験と想像力、そして表現力とが相まってのものだと思うのだが、その文体によってエンタメに昇華れているところが本当にすごいと思う。
ただ、作品によっては非常にエグい。先生の他の作品なのだが、『獅子の門』という作品があって、僕はその中の描写で、読んでいるだけでほんとに吐く寸前まで行ったことがある。読む中で、なんかよくわからないけど何回か泣いている。怖いもの見たさで読む繊細な方は気をつけていただきたい。
その他おすすめ作品とか
今回紹介している『餓狼伝』は面白いとは言え、結構暴力的な描写も含むので女子供にはあまりおすすめしない。男性でも読む人を選ぶだろうか。基本的には男の子は楽しんで読めると思うが。
夢枕獏先生といえば、有名なのは映画にもなった『陰陽師』だろうか。陰陽師は若い僕にはそんなに機微がわからず、今に至るまで全ては読んでいないのだが、独特の世界観がある作品だ。そのうち読んでみたいリストに入っている。
入門としては『神々の山嶺』を圧倒的におすすめするのだが、この作品についてはまた改めて紹介を書くことにしようと思う。
また、格闘者だが『空手道ビジネスマンクラス練馬支部』は一巻で終わるので読みやすい。一般人のおっさんがチンピラに勝つべく強くなる、超爽快な作品だ。
あとは、最近読んでいる『大江戸恐龍伝』、昔読んで途中のままの『涅槃の王』も読み終えたら改めてレビューを書こうと思う。平賀源内が主人公という、一巻だけ読んだけど本当に面白い。。。
いいなと思ったら応援しよう!
