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『僕が親ならこう育てるね』ひろゆき著 を読んで

ちょっと気になっていたひろゆき氏が書いた教育本『僕が親ならこう育てるね』を読みましたので,そのレビューをしようかと思います。

ひろゆき氏の人柄もあるのか,上から申している感じがなく,読みやすかったです。
教育の子育て本ってのは,教師や教育研究者が書いているものが多いので,どうしても上から言っている感じがするものが多いのですが,この本はそのようなことを身構えることがなく読めたかなと思いました。

2021年8月初版なので,今のコロナ禍の状況がある程度つかめており,これからの教育がどうなっていきそうかということも書かれています。そういう点からも今読んでおくと良いのではないかなと思います。

この中で特に気になったものは,「好きなことで生きていく」99%は負け組になるというタイトルの部分です。

これは,例えばプロ野球選手になれるのは,約1000人に2人ということから,野球が好きでプロ野球になりたい人の99%が「好きなことで生きていく」ことはできない敗者として人生を歩むということになるということから,「好きなことで生きていく」99%は負け組になると書いています。

このタイトルについてはかなり誇張があるとは思いますが,そのあとの文章が面白かったです。以下引用します。

 ただ、「好きなことで生きていく」ことが成立するパターンもあります。それは「ほかの人が苦だと思うことを苦に思わない」ことです。

 例えば、趣味がプログラミングのプログラマーは、休日も自宅でパソコンと向き合い新しい技術を試します。自然と技術力が向上し、「好きなこと」で給料も高くなっていくわけです。
 
 好きなことがゲームならプロゲーマーではなく、ゲーム開発者に。運転か好きならドライバーではなく、トラックの運転手に。といった感じで、「好きなこと」や「やりたいこと」たけではなく、「ほかの人に比べて苦にならない仕事」を見つけると、気楽にお金がもらえると思うのです。

 メディアが取り上げるのは有名人やスポーツ選手はかりなので「好きなことで生きていく」竸争率の高い世界ばかりがクローズアップされて勘違いしがちですが、そこには確実に勝者と敗者か存在します。

 僕が親ならば競争率が高くない分野で、子どもが苦にならないものを見つけてあげられるようサポートします。そのほうが楽しく暮らせる確率も高くなるわけですから。

『僕が親ならこう育てるね』P.18〜19

ほかの人とが苦だと思うことを苦に思わない。この視点は大切だと思います。

例えば,濱塾では,「濱塾をより良くする会議」という講師・生徒・保護者が集まってZOOM会議を行って,より良い塾にするための取り組みや環境を検討する機会を作っています。学校では強制されているルールやイベントを生徒や保護者が参加して作ることができるので結構好評です。

これも企画や日程調整など大変ですが,ほとんどそれが苦だとは思っていません。むしろこういう企画ならどんな反応があるのか,や〇〇について意見を聞いてみたいなど,私も楽しんで企画しています。他の人にとって苦であることは,仕事としても成り立つことが多いですよね。

また,自分のやっていることについて,「ほかの人とが苦だと思うことを苦に思わない」という事かどうかを判断するためには,実際に行動してみることと他者からのフィードバックが大切になってきます。行動することは,闇雲にやっていければ何とかなりますが,フィードバックについては,自分自身で求めるだけでなく,周りの人を巻き込んでいくことで生まれます。

是非行動してみて,「ほかの人とが苦だと思うことを苦に思わない」というものを増やしていくと良いのではないかと思います。

濱塾 高濱

2021年3月から長泉町にある個別指導の学習塾「濱塾」を経営している高濱と申します。教育に関する情報を発信していきます。