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ビーンズメソッド(2回目)
今週もビーンズメソッドについての続きです。
前回のURLはこちら,
前回ドライブ欲求とありのまま欲求ということを話しました。
2つとも記憶に残りやすい言葉なので,この子のドライブ欲求は満たされているかな?などと考えるときにとても役立っています。
この2つの欲求について,「ありのままでもいいんだよ。」や「成功のためにリスクとコストを引き受けなさい」といってもだめなんだそうです。
『不登校でも学べる』おおたとしまさ(2022)にこのように書いています。
ビーンズに来るような子どもたちの心の中では「ありのままの自分ではダメだ」と「リスクとコストが怖い」という二種類のストッパーが強力に働いてしまっており,そのストッパーを解除しないままに「ありのままでいい」や「リスクやコストを引き受けろ」と訴えても,なおさら身動きがとれなくなってしまうというのです。
ストッパーには大小さまざまなものが存在します。何がストッパーになっているかはひとそれぞれです。一人一人との対話を通して何がストッパーになっているのかを探りながら,そのストッパーを1つずつ解除していくことこそがビーンズメソッドの要諦だと,長澤さんは説明します。
このストッパーを取り除いてやることが,周りの大人に求められることですね。
一方でこのストッパーがどこから来てしまうのかということも考える必要があるのかなと思います。
学校でしょうか,家でしょうか,テレビなど世間でしょうか。
このストッパーについてこのように続けています。
ストッパーを外す基本的な考え方は「同質→異質」へのなめらかな移行です。子どもを縛る「べき論」や恐怖心を否定せず,それを前提にしながら少しずつ異質なものに触れさせます。その具体的方法を体系化したものがビーンズメソッドです。
べき論などの同質の状態から異質へと移項していく,ここの中学高校生に関わる人には考えておきたいところですね。
集団の中で生活しますので,ある程度の同質性はしょうがないかなと思います。
お笑いなども同質性があるから異質なものに対して笑えるので,同質性をまったく排除することは難しいでしょう。
しかし,自分の人生を考えるときに同質性が枷(かせ)になることもありえます。
塾講師という立場で言えば,勉強することが同質性への帰属なのか,異質への移行なのかということは意識しておく必要があるかなと思います。
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