航空障害灯

仲のいい友人が東京へと旅立ちました。
彼も芸人志望です。
彼は奈良を発つ直前にこんな電話を寄越してきやがりました。

「浜ちゃん、最後に一つ頼み事があんねん。俺のバイト先の制服を返してくれへんか?昨日クリーニングに出してきたんや。」

「おかんに返させろよ。」

「そんなんできるわけないやん。頼むわ。」

「うざっ。まあええわ。」

いや、図々しいな。
行き当たりばったりで動くからそうなんねん。
行き当たりばったりすぎて昨日出発する予定やったのに荷造りが間に合わんくて今日出発することになったんやろ。

とまあこんな感じで思ったのですが、実はそんなに怒ってるわけでもなく、彼らしいなという感想を抱きました。
僕も言うてる間に向こうへ行くのですが、なんかちょっとお別れ感があって寂寥を覚えました。

せきりょうと読みます。
ご安心ください、僕も今調べて知りました。

この話はどうでもいいです。

本題に入ります。

え?こんなものにも名称あるん?ってことがよくありますよね。
クイズ番組でも定番だったりします。
例えば、食パンとかスティックパンの開き口を留めるコの字型のプラスチックは「バッグクロージャー」といいます。
黒板消しの又の名は「ラーフル」です。
こういう具合に色々なものに一応名称はついてます。
そして今日また新たに名前を知ったやつが出てきました。
それが、そう

航空障害灯

なのです。

皆さん分かりますかね?
分からないですよね?
頑張って説明します。
航空障害灯というのは高いビルや馬鹿でっかいクレーンとかの上についてる、夜に赤く点滅する光です。
奈良では見ることはありませんが、大阪などに行くとよくあります。
都会の風物詩です。
分からなければ調べてみてください。

そりゃあ名前はあるやろって感じなんですけど、いざ航空障害灯って言われたら一丁前な名前つけてもろてって思っちゃいました。

僕は航空障害灯が結構好きです。
イメージ通りでしょ。
こんなもんにイメージなんかないわ。

なんで好きかを深読みしてみたいと思います。

航空障害灯は法律によって60メートル以上の建造物などに設置が義務付けられます。
(そりゃ奈良で見ないわけだわ。)
つまり、都会にしかないのです。
都会はやはり遅くまで電気が点いており、夜でも明るいです。
それによって星が見えません。
その星の代わりに航空障害灯は光ってくれてるような気がして、その健気さに心を掴まれます。
また、点滅の間隔が一定なのも僕が航空障害灯を気にかける理由の一つなのかもしれません。
消えてもまた点くという安心感を与えてくれます。
まるでいつLINEをしてもすぐ返してくれる地元のツレのように、俺はいつでもお前のそばにいるぞというメッセージを感じます。
そして、夜に光ってくれていることでくたびれた人生で眠れない夜も寄り添ってくれる、家族のようであり、恋人のような存在でもあります。
航空障害灯は僕にとって友達で、家族で、恋人であります。

次は好きな理由を浅読みしたいと思います。

チカチカしててなんか綺麗やから!

ルミナリエを見た時と同じ感想。

いずれにせよ、航空障害灯が僕は好きです。

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