神と髪と紙

明治神宮へお参りしに行きました。
余裕の単独行動です。
もう齢22なので、単独行動できるんです。
電車に揺られながら代々木で降りました。
原宿からの方が近いのですが、代々木で降りた方が安いのです。

代々木駅から向かうと、なかなかそれっぽいものは見当たりません。
15分ほど歩いていると、突然鳥居が現れました。
まるで覆っていたものをバッと取ったような突然っぷりに足が震えたとか震えてないとか。
参道を歩いていると、「手洗所」と記された看板を見つけました。
一瞬、
「ん?手水舎か?」
と思いましたが、普通にトイレでした。
どんなトラップやねん。

そのまま歩を進めると、本殿に到着しました。
その荘厳な佇まいに圧倒されました。
さすがは有名なパワスポといったところ。
本殿でお参りを済ませ、去りました。
酒樽を横目に、結局手洗所に向かいました。
そこの鏡で後ろ髪が跳ねているのに気付きました。

そんなこんなで明治神宮を後にし、代々木公園に向かいました。
代々木公園ではそれなりの数の人がいましたが、きっと休日はこの比じゃないんだろうなとなんとなく思いました。
主に若者が多く、みなレジャーシートを敷いて、携帯端末で写真を撮ったりしてました。
公園で端末ばっかり触りなやという謎の忠告を心の中で唱えていました。
ベンチで本を読んでいる老人はそういった若者と対照的すぎて、気品の高さに敬意を感じざるを得ませんでした。

公園内を適当に散策していると、中学生と思しき男子グループに遭遇しました。
これは僕が東に来てからずっと思ってたことなのですが、こういった中学生ぐらいの男の子がやたらお洒落なんですよね。
その子達もやはりとてもお洒落でした。
僕がその年齢の頃は本当に服に無頓着だったので、何か負けた気持ちになりました。
跳ねている後ろ髪を押さえながらそそくさと代々木公園を後にしました。

あの老人に感化されたのかはわかりませんが、帰りに持ってきていた本を読んで帰ることにしました。
カフェで1人用の席を案内されると、1席空けて隣が60前後ぐらいのスーツを着た男性でした。
おそらくサラリーマンと思われるその男性はいちいち立てる音がうるさいタイプでした。
メニュー表を閉じる時もバンッと轟かせ、コーヒーカップをコーヒー皿(ソーサーというみたいです)に戻す時も割れるのではないかという勢いでガシャッと響かせながら置いていました。
別にイラっともしなかったですが、ちょっと意識して僕は逆にかなり静かに物事をこなしました。
1時間半ほど本を読んで退店しました。

最後に、念願のでっかい本屋に立ち寄りました。
少し気になっていた、岸本佐知子さんのエッセイを手に取ってパラパラと最初の方を読んでいると、携帯が震えました。
画面を見るとLINEの通知がドヤ顔で鎮座してました。
しかし、LINEを開けども、メッセージが来ていないことになってました。
単に電波が悪くてこうなったと思うのですが、なんだか並んでいる本たちが電波を吸収しているような気がしてなりませんでした。
紙媒体の生命力に感服しました。
結局本は購入しませんでしたが、非常に満足のいく寄り道でした。

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