お客様は神様じゃない
近所のちょっと大きめのスーパーマーケットに行ったときの事だ。
枕が売ってあった。ちょうど欲しいと思っていたし、値段も高くない。買うことにしてレジに持って行く。自分の番が来て会計している時に何か言われた。何か言われるとは予想していなかったのでボーっと金額を言われるのを待っていた私に、金額以外のことを言っているようだ。
「もう一つ枕を持って来て。」
「???」
「二つ目は無料だから。」
とっさに、
「えっ?二つもいらない。一つでいい。」
と言った。
スーパーマーケットの店員さんは、
「でも、もうレジに打ち込んだし。」
と言う。
一つ買いはできないようだし、キャンセルしないよね!?と言うような雰囲気だ。その話を聞いていた後ろに並んでいたおばさんが言った。
「いらないならちょうだい!!」
いや、全く知らない人だ・・・。
結局、また家族が使うかもしれないと思い二つ持って家に帰った。
ここで、日本のスーパーマーケットなら、「すぐにもう一つの枕をお持ちします。しばらくお待ちください。」と店員さんが持って来てくれるところだが、日本ではない。自分で売り場まで取りに行く。
こんな事もあった。
スーパーマーケットで食料品を買ったとき、コーンフレークのバーコードがレジで間違って二回読み込まれてしまった。
「あああ~!!もうっ!!」と店員さんがイラつきながら言った。そして、「コーンフレーク二つ買わない?」と聞いてきた。しかし、コーンフレークは大きめの袋だったから「二つもいらない。」と私は答えた。
「今日はレジの調子がよくなくてキャンセルができない。朝から何度もあって、気を付けているのに・・・。」 と疲れ切った様子で言う。
後ろにも人が並んでいるし、それならと、「いいよ、二つもらいます。」と答えた。
店員さんは、「ありがとう。本当にありがとう。」と嬉しそうに言ってくれたが、他の店員さんに、「コーンフレークもう一つ持って来てくれる?」と言いそうな気配がない。
仕方がないので、会計が終わってから自分でもう一つコーンフレークを売り場まで取に行った。レジの店員さんは次のお客さんの対応で忙しそうだった。
トルコではお客様は神様ではない。私は物を売る。あなたはそれが欲しいから買う。対等な立場。店や店員さんにより対応も違ってくることもある。店側の方が上の立場にあるときも多々ある。
私だけではなく、他の人からもそのように聞くので普通のようだ。上手な人は店員さんとコミュニケーションを取りながら自分の希望を通している。時には強引に。