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転職回顧録②出陣前夜

ワタクシたらうたが。今の会社に転職してきたのは5年前。2019年1月。正月休み明けからの勤務。

齢36歳。生涯最後の転職のつもり。

雇ってくれたのは某メーカー。片田舎の小さな営業所。所属部署の人員はワタクシ含め3人。

ということは、そう。先輩社員が2人いたわけで。

「職場の良し悪しは人間関係で決まる」と。かの諸葛良孔明も言っていたことだし(多分)。

採用の旨を連絡してくれた、人事部の人に。

「失礼があっては困るので同僚になる方々のことを少し教えてもらえませんか~?」とか。テケトーなことを言って情報を引き出した。

以下がその情報。

・2人とも40代、同い年
・2人とも独身・1人は社歴8年のベテラン。もう1人は社歴17年の大ベテラン。
・3人が定員の部署なのだが、あと1人がなかなか定着してくれない

先輩二人は8年間、一緒に仕事をしてきたということ。

あと1人が定着しない中。3人分の業務を2人でこなすこともあっただろう。

ベテランと大ベテラン。仲よく助け合ってきたものか?

逆に、自分の仕事は自分で完遂できる。相手など明日消えても構わない、という状態である可能性も。

いずれにせよ「あと1人がなかなか定着してくれない」職場。何かは、ある。あまり期待しないことだ。何かはあるし、何もない職場はないのだ。

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それにしてもあの正月はたらふく吞んだ。前職は正月は普段よりむしろ忙しい職種だったもので。

吞めなかった過去の正月の分を取り戻すように、わしは。しこたま吞んだ。

吞んだついでに、舞の一つも舞えば良かったのだ。信長が出陣前に舞ったという。あの『敦盛』を。出陣前の最期の宴だったのだから。



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