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ウクライナは最後まで戦うべきなのか(賛成編)
ロシアの侵攻により、ウクライナは防衛手段として一般市民に武器を配布してゲリラ戦に持ち込む判断をしたようです。今後どうなるかわかりませんが、歴史を辿ると、日本が本土決戦を覚悟しましたが、最後は米国の原子力爆弾投下により、地上戦は沖縄までで終結しました。ベトナム戦争では、森や地中に潜ったゲリラ兵を最後まで追い詰めることができずに米国は引き上げました。
今、もし、日本が同じ立場に立たされているとしたら、自分が指導者だったら、自分が武器を渡された市民だったら、戦いを選ぶのか、降伏を選ぶのか、そんなことは起こりえないからというのではなく自分の意見として考えてみたいと思います。まずは、賛成の立場、すなわち、ウクライナは最後までゲリラ戦で戦うべきという意見、その反論、反論の反論、反論の反論の反論について述べてみたいと思います。
「賛成の理由1」
ロシアに戦争を継続する経済力はない、ウクライナ1国のために軍事力を使ったり、武器を調達するというのも、そう長くは続かないし、西側諸国との貿易がうまくいかなくなってしまうため早々に音をあげるだろう
→(反論)ロシアが侵攻したということは、2〜3年は戦争を続ける準備をしているはずだ、元々、軍隊は長期的に戦うことを想定して訓練されている、西側諸国が制裁を加えても隣の中国は味方について支援を行うのではないか、そうなるとウクライナへの西側支援とロシアへの中国支援という構図となり持久戦はそう簡単には終結しない
→(反論の反論)戦争を続けるには、それなりの理由が必要であるが、今回はウクライナがロシア側に攻撃したわけではない、一方的に攻め込んでおいて、長期的に軍が領土を支配するのはさすがにおかしいとロシア国民からの反発があるのではないか。中国も最初は支援するかもしれないが各国から同じように孤立する道を長期に渡って選べる国力があるとは思えない
→(反論の反論の反論)ロシアが自国内の世論で戦争を止めることができるのであれば侵攻を止めることができたはずだ。中国がどのように動くかは全く予想できない、中国からも攻められることを想定して悪化する前に降伏した方がよいのではないか
「賛成の理由2」
昔、ベトナムがゲリラ戦で米国に勝利した。民間人が地の利を活かしてゲリラ的にロシア兵を襲撃すれば戦えるだろう。ロシア兵も無条件にウクライナ市民を虐殺することはしないだろうし、それをやるとさすがに米国が動くのではないか
→(反論)ベトナムと違って、ウクライナは寒冷地域なので、森の中に隠れて待ち伏せする作戦は厳しい。現在の問題は、他国がウクライナに入って一緒に戦うという支援をやっていないことなので、ウクライナ人が何人犠牲になろうとも米国始め、西側諸国が軍事支援する気配が見られない
→(反論の反論)今でも、地下施設で身を潜めている地域がある。食料と水を確保して、武器を持っていれば最後まで戦えるのではないか。モンゴルでもマンホールで生活していた人々がかつてはいた。軍隊の援護は期待できなくても、西側諸国からの支援により最後まで戦えばロシア軍はいつか撤退する
→(反論の反論の反論)ベトナム戦争で米国軍が、農薬の散布などでそれまでになかった奇形児が生まれるような兵器を使用した、戦争が長引けば、ロシア軍も、これまで使ったことがないような新兵器で市民の虐殺を始めるのではないか。そうなる前にウクライナ側が戦うのを止める方がよいのではないか
「賛成の理由3」
今は、小麦畑が凍っている季節で戦車がウクライナに乗り入れることができたが、これから春に向かって大地がぬかるんできたら戦車は動けなくなる、ロシア軍も動きが鈍くなる前に戦車を引き上げるだろうから、長期戦はできないだろう。降伏ではなく持久戦を選ぶべき。
→(反論)ロシア軍は長期戦になる前に自らの手で戦争を強制的に終わらせる手段を準備しているのではないだろうか。例えば、核兵器。戦争を始めた時に、ロシアに攻撃したときは核兵器で反撃できると宣言していたことからも最初か使うつもりだったのではないか、そうなる前に降伏すべき
→(反論の反論)核兵器の脅しで降伏していては、今後、核兵器を持っている国は脅しで他国を降伏させることができるという前例を作ってしまうことになる。なので尚更、降伏という形はとるべきではない。核兵器を使うというのは最終手段であり、それを使ったらロシアという国が完全に孤立するということくらいはロシアもわかっているのではないか
→(反論の反論の反論)侵攻しないのではないかと思わせて、侵攻した。核兵器もさすがに使わないだろうとみんなが思っているだけで、最初から使うつもりかもしれない。使わないにしてもウクライナの主要都市を破壊するくらいの軍事力はある、またウクライナの各施設が狙われているのも事実で、そこが破壊されればウクライナでの生活は制限され、小麦も輸出が制限されてしまう。設備、農場、人民の命を守るのは降伏による早期終結しかない
「賛成の理由4」
すでにロシアへの経済制裁が始まった(SWIFTからの排除)、米国も民間会社がロシアへの制裁(Googleの広告制限)およびウクライナへの支援(TESLAの衛星インターネット通信解放)を行なっている。今後、ロシアへの不利な動きが加速することになり、ロシア側は戦争を続けられなくなるだろう
→(反論)経済制裁については、ロシア側としては想定内なのではないか、その上で、この戦争をどう進めるか計画した上での侵攻と考えられる。最終目標がNATOへの加盟を諦めさせることだとしても、今後、また同じ動きをさせないために、ウクライナの幹部が変わるように仕向けるのではないか、そうだとしたら降伏するまでロシアは戦い続けるだろうから、ウクライナ側が変わるしかない。ウクライナ大統領の亡命という手がよいのではないか
→(反論の反論)ウクライナのトップを下ろすというのはロシアの目的で、侵攻が手段だと思われる。しかし、侵攻されたからといって、トップが逃げているようでは、ロシアと国境を接していてすでにNATOに加盟している国々が今後は侵略されて同じ目に遭うリスクまで考えないといけない。ここは最後まで戦う姿勢を見せることで、西側諸国の支援に頼って降伏しないというのがよい
→(反論の反論の反論)トップのために、市民を犠牲にするというのは如何なものか、市民の命を守るのがトップの役目であり人民の命よりも大事なものがあるとは思えない。トップの交代で血が流れないのであればその選択肢をとり、犠牲は最小限に抑えるのが人権を尊重した行動ではないだろうか
「賛成の理由5」
降伏してしまえば犠牲者は、これ以上増えないかもしれない。しかし、降伏することで、ウクライナ側の指導者および周辺の幹部は一掃されるだろうし、かつてソ連であった粛清と同じことが起きるのではないか、そうなるくらいなら最後まで戦った方がよい
→(反論)最後まで戦って粛清されるのと、降伏して粛清されるのであれば、一般市民の命をより多く助けることができる降伏を選択した方がよいのではないか、一部の幹部の命を守るために多くの市民の犠牲を必要とする理由はない
→(反論の反論)戦争が起きた以上、国を守るのは一人一人の国民であり、ロシアの脅しに屈するのは、悪くないのに負けを認めてしまうことになる、西側に逃げながらでも長期戦で戦えばどこかのタイミングで西側からの軍事支援が期待できるのではないか。かつて、朝鮮戦争では米国の攻撃に対して、中国とソ連の支援で北朝鮮は最後まで押されずになんとか踏みとどまって国を残すことができた。
→(反論の反論の反論)現在、西側の国でロシアと戦える国があるのだろうか、かつてはドイツがロシアと戦争をしていたが、今は、経済協力を重要視する関係になっている。西側の支援は本当に期待できるのか、長引けば結果的に市民が犠牲になるという結果は同じになるのではないか。
ここまでが賛成派の意見に関する議論になります。
今回は賛成派というポジションをとって、意見を述べてみました。そうこうしているうちに、状況は変化しています。書いている途中でロシア側が核兵器で脅してきたというニュースも目にしました。昨日は、ロシアがSWIFTから排除されたらどうなるかという話題があって本日現実になりました。明日はロシア内で取り付け騒ぎが起こるのかもしれません。
論点は、核兵器でこの戦争が終わるのかという点と、ウクライナがNATO加盟を諦めたところで、ロシアは粛清を行うのかという点です。どちらも先がよめません。米国の軍事介入で終結という形が一番収まりが良さそうですが、今のところ、その雰囲気はありません。最新鋭のステルス機であればロシアへの攻撃も効果的に思えますが、作戦立案中なのでしょうか。