給食か弁当か、中学校の栄養について。給食賛成編
学校を選ぶときに、高校であれば学食があるかないかが大きな違いとなります。中学校でも給食があるかないかで親の負担は大きく違ってきます。冷凍食品やコンビニを利用すれば弁当を作るのもそれほど手間ではないとはいえ、毎日ご飯を炊くというだけでも一苦労です。
中学校の昼食は、給食がいいのか弁当がいいのか、予算、栄養、手間などの観点から考えてみたいと思います。第1回は、給食に賛成という立場です。全国での公立中学校給食実施率90%とはいえ、例えば横浜市では希望制となっており2割しか利用されていません。神奈川県は関東で唯一給食率が低い県になっています。しかし、給食率が100%を目指しているものの、そうならないのは何か原因があるためです。給食にはなんのメリットがあるのか、まずはそこから考えてみます。
「賛成の理由1」
中学校の給食は1食あたり270円で、全員が栄養のバランスが取れた食事をとることができる。親が弁当を作るのに比べて安価に提供できる
→(反論)生徒が負担する金額は270円だが、それは原価のみの話で、人件費、物流費などの経費が含まれていない金額になる。実際は900円くらいの商品であるというデータもあるくらいで、それが税金で賄われている
→(反論の反論)小学校の食育に引き続き、義務教育の段階では子供は身体の発達段階にあり栄養の摂取は将来に向けた重要な機会と考えられる。丈夫な体を作るためにも税金を投入してでも給食を全生徒に供給すべきである
→(反論の反論の反論)一度、給食を供給してしまえば予算がついて継続できるから良いが、予算を獲得するまでが難しい。また、給食を提供する設備などハード面の準備についても、そう簡単にできるものではない。調理の専門家などの確保も容易ではない。実際に、横浜市は給食といっても弁当の形をとっており提供率は向上していない。
「賛成の理由2」
給食は栄養なバランスが考えられており、成長過程の子供には最適な食事である。弁当だと、どうしてもその家庭で食べているものに偏ってしまう。
→(反論)給食に嫌いな食べ物があって、どうしても食べられない生徒もいる。それが嫌で不登校の原因になるというのもゼロではないと思う。食べられない食材というのも弁当であれば避けられる。
→(反論の反論)嫌いな食べ物だからといって食べないという姿勢は、将来的に偏食の原因となり、旅行先での食べ物なども限られてしまう。さらに、食べたものがないものを食べてみるという可能性も制限するのではないか。
→(反論の反論の反論)食事を楽しむためには、嫌いな食べ物がないことが前提となる。給食で嫌いな食べ物が増えることの方がリスクである。どんな食べ物も美味しい調理法があるが、食材、調理において給食ではそこまでの品質を追求できない。
「賛成の理由3」
給食があれば保護者がお弁当を作る時間がなくなるので睡眠時間が削られることもない。少しのお金で給食が食べられるという制度が素晴らしい。
→(反論)給食を作る時間がなければ、前日の晩御飯のあまりでも良いし、その時間もなければコンビニで買っても良い。財源は税金の補助であって、あの値段で給食を作れるわけではない。
→(反論の反論)弁当を用意するにしても、結局は昼ごはんを食べるので学校側で給食を提供するのが全体の時間短縮となって効率的なのではないか、給食があれば万が一、お弁当を忘れてくるというリスクも避けられる。
→(反論の反論の反論)給食があることで学校側の負担が増えている。ただでさえ教員の仕事は授業以外の雑用が多く、給食に関しても少なからず負担がある。また給食当番など生徒側の負担もある。弁当であれば、それらの負担が減って、学校側の運営が少しではあるが公立的になるのではないか。
給食に賛成の立場から、反論、反論の反論、反論の反論の反論について論じてみました。給食提供には賛成ですが、子供が喜んでいるかどうかが問題になります。味付け、好き嫌いなど苦手意識を持たせないような給食であれば良いのですが、必ずしもそうはいきません。
次回は、給食反対の立場から考えてみたいと思います。