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IT部門はアウトソーシングされるべきなのか(結論編)

賛成、反対双方の意見から反論、反論の反論、反論の反論の反論を書き出したので、問題点が明確になったところで結論を書きたいと思います。

1.賛成なのか反対なのか

フルアウトソースと言われる、1社に全部丸投げには反対。ただし、適材適所で必要に応じて外部のリソースに仕事をアウトソースし、定期的に契約を見直すという形には賛成です。
まず、1社に全部丸投げ、これは、IT部門を子会社化することとほぼ同じですが、別会社になった時点で、業務側の側面から、いろんな部署と対等に幅広くコミュニケーションが取れる部署というアドバンテージがなくなってしまいます。また、IT部門の上層部にはどうしても権力争いで敗れた人が来るという宿命があり、そういう人がまた権力を振りかざして威張ることが仕事だと思っているので、相手が子会社のような上下関係がはっきりした形だと、威張っているだけで仕事しているように見える、実際中身は何も変わらないということになりかねないため権力のバランスという面もあります

2.自分がアウトソーシングされて仕事を奪われる立場だったらどうなのか

2通り考えられます。1つは、部署ごとアウトソーシングされるような形の場合。この場合は、ひとまず会社の事情もあるだろうと引き受けるものの給料が下がるようなことがあれば転職します。アウトソーシングで目先の経費を下げているような部署(会社)が相手の仕事だと、成果を出しても売り上げ増加は見込めず、それは自分の将来の給料が頭打ちになっていることが見えているためです。
もう一つは、自社の仕事をスキルトランスファーするために他社に出向するような形、この場合は、人に教えることでまた新たな発見がありますし、仕事を受ける立場の人が何を提案すれば良いか悩んでいる部分を知ることで、自分は何をベンダーと共有するべきなのかが見えてきます。これは新たなスキルアップの可能性が見出せます。その後に、元の会社に戻れないとなると、やはり転職を考える必要があります。

3.この議論が始まるきっかけと、解決すべき問題はなにか

例えば、オリンピックの大会運営のような形で、ほぼ全員がその時だけの仕事という形で集まったメンバーで構成される組織であれば、イベント終了後は全員が次の仕事を探さなければならないので平等です。これは、いわゆるプロジェクトというもので、IT系の会社であれば、プロジェクトを渡り歩いている人もいます。IT部門でもプロジェクトを渡り歩く人もいますが、大部分の人は定常業務を抱えたまま過ごすので、維持メンテナンスにどれだけ高度な仕事をしていたとしても評価されにくいです、また、属人化することで人材の流動性も低く部署全体のパフォーマンスが外部からは見えにくくなります。そのため、同じ人が同じ仕事をずっと続けているように見えるIT部門の仕事をアウトソーシングできるのではないかと、中身の全くわかっていない人が思いつくのは自然なことです。そして、いざ人材を外部に流出させるとなると誰かが残って、誰かがリストラされてというのも不公平なので、フルアウトソースという形になってしまうのかもしれません。
ここで、問題なのは、IT部門という変化の激しい環境で属人的なスキルに頼りすぎている形に陥ってしまう構造です。意識の高い人ほど、日々学び、問題点を的確に把握しているため対処も的確なので、仕事の処理能力に差がつきます。そのため、仕事のできる人に仕事が集中してしまう。このことは何もIT部門に限った話ではありませんが、IT部門の人はIT以外のエクセルの関数を使った処理のような幼稚な仕事まで引き受けなければならないので、いちいち拾っていたらとんでもなく仕事が溜まっていってしまいます。それで外部の人から見たら、簡単な仕事を頼んだのにいつまで経っても終わらないということになりがちです。本来であれば頼む前に自分でできないかとググってみる努力が必要なのですが、なんでも聞いてくる人には、調べるということすらわかっていないために説明するだけ無駄という場面も多々あります。
そのため、やるべきことは、自分の行なった仕事はなるべくドキュメント化して公開する、最近だと個人でもチャットボットが持てるので、ボットに答えてもらうことで単純な仕事は片付けてしまうことも考えられます。
IT部門が組織として行うべきことは、組織としての仕事の明確化、自動化、業務の理解、新技術のフォローと幅広いですが、ひとまずは自分で手を動かしてやってみることのできる人材の確保ではないでしょうか。これは採用面接の時に簡単にできることでもあります。

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