【採択者紹介】リジョイス企画 ~『音楽が日常にある風景の創造』②~
全国・世界・地元から、福島県浜通り12市町村にて芸術家が滞在制作をする「ハマカルアートプロジェクト」(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業)。
その採択プログラムのひとつ、リジョイス企画による
『音楽が日常にある風景の創造』をご紹介します。
第2回目として今回は
滞在制作について
をお伝えしたいと思います!
【滞在制作中の様子】
― 馴染みのある曲を編曲し町内放送へ ―
今回の滞在制作の中で、一番の目玉となった"子どもたちと一緒に歌を作る”
というゴールに対して、集まったのは経験豊富な音楽家たちです。
今回子どもたちと一緒に演奏するのに選んだ曲は「遠き山に日が落ちて」
この曲は、滞在制作先に選んだ”大熊町”の夕方の町内放送に使われている曲。
町民や子供たちにも馴染みのある曲を選曲しました。
大熊町は、2011年3月11日の東日本大震災を発端とする、福島第一原子力発電所の事故によって住民が避難を余儀なくされた地域であり、2024年春現在も一部の地域では、避難指示が継続しています。
そんな大熊町での復興の中心にあるのは、"子どもたち"の存在。
"学び舎ゆめの森" は、0~15歳の子どもたちがともに遊び、学び、さらに地域の方々とも協働していく学び舎であり、多様性に満ちた社会において、子どもたちが自分で考え、人と協力して生きていく力を育むことを目指しています。新しい教育空間として、子どもたちの健やかな成長を第一に、ゼロからのまちづくりが進む大熊だからできる教育を実現しているといいます。
地域と協働することがテーマの学び舎を中心に、滞在制作作家の嶋田さんも地域の中に溶け込んでいきました。
平日お昼時に役場でのランチタイム演奏会
地域のお祭りでの演奏
学校の授業の中で演奏
地域の方々のお宅訪問をしての演奏
など、大熊町の中でたくさん演奏し、コミュニケーションを取りました。
今回のもう1つのテーマであった、クラシック音楽を日常にすることの取り組みとして、公式LINEアカウントを開設し、簡単に嶋田さんに連絡が取れるようになったことで、演奏機会も増えたというです。
公式アカウント
https://liff.line.me/1645278921-kWRPP32q/?accountId=870wkfcj
学校とのコラボ企画は順調に進み、ついに録音日に。
小学生全員先生方も含め、50名ほどが歌や楽器演奏でコラボしました。
子どもたちもニコニコ笑顔で取り組み、身近にクラシックを感じていました。
また、町民らとの交流としては、"大熊クラシック ポピュラーコンサート"を開催しました。
たくさんの町民の方々にきてもらい、馴染みのある曲や年代を分けた人気曲など、身近な曲をクラシックにすることで、日常の中に溶け込んでいきました。
以下、滞在芸術家の嶋田 雄紀さんより
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経済産業省のハマカルアートプロジェクトに参加させていただいたことをきっかけに、福島県の大熊町を拠点にワークショップや演奏会をたくさん開催させていただき、 地域の皆さま、「学び舎 ゆめの森」の子供たち、集まってくださったアーティストの皆さんと、多くの交流を生み出すことができました。 演奏を聞いて涙してくださった方、次の演奏会をご提案くださった方、次はあの曲を弾いて!と言ってくれた子供たち・・・ 大きな目標であった「町内放送で学び舎ゆめの森の子供たちの歌声を流す」ということも、教育関係者の皆さま、町役場の皆さま、地元企業の皆さま、町民の皆さま、そして「学び舎ゆめの森」の子供たちのご協力のおかげで実現することができました。 本当にありがとうございました。 2023年度のハマカルアートプロジェクトの活動は2024/2/23をもって終了していますが、 今後も「大熊クラシック」として、音楽活動を継続していきます。 よろしくお願いいたします。
今決まっている次のスケジュールは
linkる大熊にて4/27のコンサートが決まっていたり、
3月に開催された卒業式に出演したり、(詳しくはこちら)
来月の入学式でも演奏があります。
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これからも大熊町に通い、たくさんの音色を奏でてくれることでしょう。