【アーティスト紹介】久留⾶ 雄⼰『家劇場の物件探し in 福島浜通り』②~
全国・世界・地元から、福島県浜通り12市町村にて芸術家が滞在制作をする「ハマカルアートプロジェクト」(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業)。
その採択プログラムのひとつ、俳優として南相馬市小高区を拠点に活動されている久留⾶ 雄⼰(クルビ ユウキ)さんによる
『浜通り地域における「スペース」(場)のリサーチと「スペース」づくりの活動の冊子制作』
について、そもそも今回のプロジェクトチームの背景、そして本事業によって、どこで・なにを・どのように活動し、成果とするのかについて、シリーズでご紹介します。
第2回目として今回は、プロジェクトへの
・招へいアーティスト
をご紹介したいと思います!
【プロジェクトの招へいアーティスト、緒方 彩乃さん】
ー緒方さんの紹介 ー
1991年、大阪府生まれ、東京育ち。日本大学理工学部建築学科、同大学院理工学研究科建築学専攻 修了。
社会人として企業勤めをする傍ら、東京都⾜⽴区委託事業「千住Public Network EAST」による空き家利活⽤コンペにて採用されたプロジェクト「家劇場」を2018年4⽉より主催。
同区北千住にある6畳2間の築90年の平屋を「家劇場」として、自身もそこに住みながら、ダンスやDIYワークショップ、マルシェ、お化け屋敷や⾳楽会などの公演・イベントを⾏うようになる。
2023年9月、所有者の意向により「家」は解体。
今回のプロジェクトに"滞在芸術家"として招へいされた緒方さん。
幼い頃からクラッシックバレエを続けていたこともあり、何かを表現したり、アーティスティックなことに興味があったそうです。
そうした中で、日本大学の建築学科へ進学。
人々が集う"空間づくり"や、まちづくりといった領域から、舞踏やアート系のジャンルに関わっていくキャリアを歩み始めます。
大学院修了後はグラフィックやディスプレイを担うデザイナーになったものの、自身を表現したり、"場づくり"というものに湧きモヤモヤしていた折に、区の空き家活用プロジェクトの公募を見つけたそうです。
同プロジェクトに採択された緒方さんは空き家を居宅としつつも「家劇場」として活用。ダンスや音楽会などの各公演や、お化け屋敷として活用する企画も行いました。
「なにより築90年以上経ってるので建物にもクセがあって。普通の人の力では開けられないふすまが家主の私にはピシっ!と開けられたり、公演する際もどの畳が沈むとかあって。そういう面でも愛着がありました。」と緒方さんは言います。
そして管理・居住し始めて5年が経った2023年6月、"家"の所有者である大家さんの意向で建物の解体が決定します。
緒方さんも「家劇場の葬祭」として企画を打ちますが、それまで家劇場に関わってきた人たちからメッセージや弔電まで届いたそうです。家への弔電からは、希薄になりがちな都会において"家"を中心としたコミュニティが生まれ、かなり愛されていたことが窺えます。
その家劇場が解体される半年ほど前、となり近所の私設公民館のイベントに参加していた久留飛さんが偶然家劇場を訪れたことがキッカケで、緒方さんとの面識が生まれ、今回のプロジェクトにつながったそうです!
ということで次回は、
「俳優が"場"のリサーチ?講演会場のリサーチ?」
と題し、本プロジェクトで久留飛さんらチームがこの浜通り地域にて、どういった事業を展開しているのかをご紹介します、お楽しみに!
(特筆等ない場合、各数値等は執筆時2024年1月時点のものです)